マーケティングオートメーションを効率的に運用するには戦略設計が大切
マーケティングオートメーション活用のためには、しっかりとした戦略設計が必要です。しかし、「なぜ戦略設計が必要なのか」「どのように設計すればいいのか」といった疑問を持っている人もいるかもしれません。
この記事では、マーケティングオートメーションに戦略設計が必要な理由や設計フロー。加えて、ツールを使いこなすために必要なことなどをまとめて解説します。
マーケティングオートメーションに対する知識を深め、運用を成功に導きましょう。
なぜマーケティングオートメーションに戦略設計が必要なのか
マーケティングオートメーションを活用する際には、戦略設計が重要と言われています。まずは、その理由を紐解いていきましょう。
市場が成熟し、モノやサービスが売れにくくなっているため
現代社会は需要と供給のバランスが偏り、モノやサービスが売れにくくなっていると言われています。従来は供給より需要が上回っていたり需要と供給の均衡が取れていたため、「商品を作って売る」というプロセスは比較的シンプルなものでした。
しかし、現在は供給が需要を大きく上回っており、人がモノやサービスを購入するにはそれなりの理由が必要になりました。そんな中で自社製品を啓蒙し買ってもらうのは大変に難易度の高い行為です。
その攻略法として、マーケティングオートメーションによる戦略設計が重要視されているわけです。
One to Oneマーケティングという考え方
One to Oneマーケティングとは、「顧客一人一人に寄り添った販売方法を模索する」といった考え方です。従来はある程度モノを作ったら売れたため、個別のニーズや販売戦略を鑑みる必要はありませんでした。
しかし、市場が複雑化しモノやサービスが売れにくくなった現代においてはそうはいきません。顧客は数ある商品の中から「より良いもの」を選別し、それを購入する確たる理由がなければ財布が開かれない状態です。
その「確たる理由」を提供側が啓蒙し、購買につなげる必要があるでしょう。そのためには、顧客一人一人のニーズや特性を察知し、それぞれ適切なアプローチを行うことが求められます。
顧客それぞれのニーズに沿わなければ事業継続が難しい
One to Oneマーケティングを行い、顧客それぞれのニーズに沿わなければ売上が立たず、事業継続が難しくなってしまうことも考えられます。既にマーケティングオートメーションは導入するか否かを検討する段階ではなく、「どう活用するか」を模索しなければならない段階であるとも言われています。
なぜ各企業がマーケティングオートメーションの導入に踏み切っているかというと、「顧客一人一人の特性やニーズに寄り添う」ためです。前述した通り、既に世の中の供給は需要を大きく上回っており、普通にモノを作るだけで売上を立てられる状況ではありません。
事業を継続させるためには、マーケティングオートメーションによりOne to Oneマーケティングを突き詰める必要があるということです。
マーケティングオートメーションにおける戦略設計フロー
次に、マーケティングオートメーションにおける戦略設計フローをご紹介します。必ずしも下記の手順に従う必要はないのですが、やり方が分からない場合はベーシックなものに沿うのが好ましいでしょう。
KGIを設定する
まずは、全体のゴールであるKGIを設定しましょう。KGIはKey Goal Indicatorの略であり、プロジェクト全体の、あるいは事業経営全体のゴールを意味する言葉です。
KGIを設定しないと、プロジェクトや事業が何を目指しているのかが不明確になってしまいます。マーケティングオートメーションの場合、たとえば「商談数○○件アップ」や「売上○○%アップ」などのKGIが考えられるでしょう。
ステップを分ける
KGIを設定したら、次は各ステップを分割して管理しましょう。マーケティングオートメーション導入におけるステップとしては、例えば下記のようなものが考えられます。
- 見込み客の把握・分析
- シナリオの作成
- Webサイトへの導入
- PDCAサイクルの策定
まず全体のゴールであるKGIを設定し、自社見込み客の把握および分析を行う。次に見込み客とどのようなコミュニケーションを行うかなどのシナリオを作成し、自社コンテンツに導入して運用開始。
運用開始後は得られた結果からPDCAサイクルを回し、より効率的な手法を模索する、といったような順番が考えられます。
各ステップにおけるKPIを設定する
ステップを分割して管理する場合、それぞれにおけるKPIを設定することが重要です。KGPが全体のゴールであれば、KPIはフェーズごとのゴールになるでしょう。
大切なのは、それぞれのKPIを順々にクリアすればKGIの達成に繋がるように設定することです。KGIがプロジェクトの大目標であれば、KPIはそれをさらに細分化した小目標と捉えることができます。
マーケティングオートメーションを使いこなすために必要なこと
では、最後にマーケティングオートメーションを使いこなすために必要なことについて解説します。システム全般に言えることですが、単に導入するだけで成果に繋がることは稀です。
「どのようなシステムをどういう風に活用するのか」をしっかりと考えた上で導入を検討しましょう。
マーケティングオートメーションにできることとできないことを把握する
マーケティングオートメーションは大変便利なツールですが、それでも万能ではありません。そのため、まずはツールができることとできないことをしっかりと把握しておくことが大切です。
マーケティングオートメーションで可能なことは前述の通りですが、逆に下記のようなことは実現が難しいでしょう。
- 放置したままでも売上が立つ
- 自動で適切なシナリオを作成してくれる
- 勝手にWebへの流入を上げてくれる
PDCAサイクルを回しながら運用を続け、自社にとってベストな活用方法を模索することが大事です。
ワークフローに適切に組み込む
マーケティングオートメーションをワークフローに適切に組み込めば、効果的な運用が可能となるでしょう。そのために必要なのは、事前にワークフローを見直しておくことです。
「ワークフローのどの位置にどういった形でマーケティングオートメーションを組み入れるのか」を、しっかりと策定しておきましょう。事前準備をおろそかにしたまま導入すると現場の混乱を招き、最悪システムが使われないまま放置されてしまうという事態も考えられます。
システムコンサルティングを活用する
マーケティングオートメーション導入の際は、システムコンサルティングを活用するのも一つの手です。システムコンサルティングはいわばシステムのプロとも言える存在ですので、自社のみで導入や運用を検討するより幅広い知見が得られるでしょう。
何事も、自分達のみで行うよりプロのアドバイスを受けた方がうまくいくものです。システムコンサルティングを受けた場合は当然相応の費用がかかりますが、正しくないシステムを導入し埋没させてしまうのに比べると有益な使い方と言えるのではないでしょうか。
まとめ
マーケティングオートメーションの活用により、事業は大きく前進します。戦略構築を含め自社に合ったものを正しく選択し、適切な運用を目指しましょう。