業務フローの見直しから始めるシステム活用。導入までに必要な考え方と見直しの方法とは?

システム開発

システムの導入を行う際には、業務フローの見直しが必要になります。しかし、「どのように見直しを行えばいいのか」「そのための方法は?」という点に疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、システム導入におけるポイントや業務フロー見直しの必要性について解説します。適切な業務フローの見直しを行い、システム導入の成功に繋げましょう。

システムを導入する際に気をつけたいこと

システムを導入する際に気をつけたいこと

システムを導入する際には、一体どのような点に気をつければよいのでしょうか。まずはポイントをしっかりと把握しておき、最適なシステム導入に繋げましょう。

費用対効果を見定める

システム導入の際に大切なのは、「費用対効果」です。費用対効果とは、「かかったコストに対して得られた効果」のことであり、費用対効果が高ければ高いほど投資効率がよいということになります。

しかし、中には「コストやリソースをかけたにも関わらず、いまいち効果を得られなかった」というケースもあるでしょう。この場合は「費用対効果が低い」ということになるため、「何が悪かったのか」「そもそも投資を行うべきだったのか」という点を分析する必要があります。

システム導入も、コストのかかる投資であることに変わりません。であれば、かけた費用に対して最大限の効果が得られるよう工夫することが大事です。

自社のニーズを明確にし、適切なシステムを導入する

費用対効果を高めるには、自社のニーズを明確にし、適切なシステムを導入することが重要になるでしょう。現代はインターネットや各種テクノロジーの発展のおかげで、多くの業務を機械やシステムがサポートしてくれるようになりました。

しかし、裏を返せば「非常に多くのシステムが開発され販売されている」ということにもなります。製品の種類が多いことは消費者やユーザーにとってメリットに繋がりますが、反面、自社と相性の悪いものを掴んでしまう可能性も生じます。

自社と相性の悪いもの・必要性が乏しいものを導入すると、「コストがかかる割に効果が得られない」ということになり、費用対効果の悪化に繋がります。それでは何のためにシステムを導入したのかが分からなくなるため、事前にニーズを明確にし、正しい製品選びを行う必要があるでしょう。

業務フローを見直す

多くの場合、システムを導入すると今までの業務フローを変える必要性が生じます。システムを導入する目的との一つして「業務効率化」が挙げられますが、システムに既存の業務を代替させることで効率化に繋げるのが一般的です。

当然ながら、代替させた業務はフローから削除しなければなりません。また、省略したプロセスにまつわる業務が前後にあれば、その必要性を改めて考えることも大事でしょう。

システムを導入するだけでなく、業務フローを適正なものに整えることで、一段上の効率化を図れます。

業務フローを見直さないとどうなる?

では、逆に業務フローを見直さない場合はどうなるのでしょうか。一般的には、業務に下記のような不具合が生じることになります。

システムが効率的に運用されなくなる

システムを導入したにも関わらず業務フローの見直しが行われない場合、システムの効率的な運用が難しくなってしまいます。業務フローがそのままだとシステムをどのように活用すべきかが不明確になり、現場の状況や判断が優先されることになるでしょう。

場合によっては、システムが放置され、従来の業務フローのまま進捗することになるかもしれません。それではシステムの導入費用が完全に無駄になってしまうため、「導入しない方がよかった」という結果に終わります。

現場にストレスを与えることになる

業務フローの適正な見直しが行われない場合、現場に大きなストレスを与える可能性があります。ただシステムだけを現場に導入しても、現場は使い方や業務への組み込み方が分からない状態です。

現場によっては、手探りでシステムの運用を始めるケースもあるでしょう。マニュアルを読めば基本的な操作は分かりますし、現場の判断で適切な運用がなされるかもしれません。

しかし、そうなるまでに多くの時間とリソースが注ぎ込まれる可能性があります。その上で通常業務もこなさなければならないため、現場に重い負担がかかってしまうことが予想されます。

業務の属人化が強まるリスクもある

上述したように、システムを現場に導入すれば、現場の判断で適切な運用がなされる可能性もあります。「じゃあトップダウンで導入する必要はないのでは?」と思われるかもしれませんが、その場合は「システム運用業務の属人性が強まる」というリスクも考えられるでしょう。

現場の判断のみでシステムの運用が行われている場合、運用に対する経験やナレッジが現場にしか蓄積しないことになります。また、誰がどのような役割を担っているかも不明確になるため、特定の担当者が不在の場合はシステムを使えなくなるという事態になるかもしれません。

トップダウンで導入〜運用を行えば、システムに関するナレッジを全社的に共有可能です。ナレッジを全社的に共有できればシステム運用の属人性を弱めるとともに、新しいシステムを導入する際の参考にもなるでしょう。

業務フローの見直しにはフローチャートが有効

業務フローの見直しにはフローチャートが有効

業務フローの見直しには、フローチャートが有効です。次に、フローチャートの書き方について解説します。

「誰が」「いつ」「何を」「どういう場合に」業務を行っているかを書く

フローチャートには、「誰が」「いつ」「何を」「どういう場合に」業務を行っているかを記載しましょう。そうすることで、フローチャートを見れば、「自社にどのような業務がありどのように処理されているのか」という点を一目で把握することができます。

図形を用いて記載する

フローチャートは図形を用いて記載するのが一般的です。文字の羅列ではなく、図形記号によって決まった意味を持つため、視覚的に情報を得ることができます。

フローチャートで使われる図形一例

では、最後にフローチャートで使われる図形の一例をご紹介します。フローチャートを書く際には決まったルールがありますので、そこから逸脱しないようにしましょう。

「角丸四角」はプロセスの開始と終了を表す

フローチャートにおける「角丸四角」は、プロセスの開始と終了を表します。一連の業務は角丸四角から始まり、角丸四角で完了するということになるでしょう。

たとえば、「書類の到着」「顧客からの電話」などが挙げられます。

プロセスや処理は「四角」を

一般的なプロセスや処理は「四角」を用います。フローチャート内で非常によく使われる記号です。

一例としては、「データ入力」や「確認」などが挙げられるでしょう。

判断は「ひし形」

判断を要するポイントには「ひし形」を配置します。すなわち、プロセスはひし形で分岐し、それぞれ別のフローを辿ることになります。

ひし形の例としては、「書類の内容に不備がある?」や「既存顧客か?」などが挙げられます。

まとめ

システムの導入には、業務フローの見直しが不可欠です。業務フローの見直しを行わないままシステムを導入しても効率的な運用は難しく、そのままではプロジェクトが頓挫してしまう可能性もあります。

フローチャートを用いて業務フローをしっかりと確認し、適切なシステム導入を行いましょう。