成功事例からみる。顧客関係管理はシステムで行うのが効率的な理由

業務効率化

現代は既に社会が成熟しており、昔に比べるとモノやサービスが売れにくくなったと言われています。そのような中で売上を上げるための手法の一つとして、「顧客関係管理」が挙げられます。

この記事では、顧客関係管理が今重要視されている理由や顧客管理システムのメリットなどを事例つきでご紹介します。顧客関係管理についてしっかりと学び、売上や生産性の最大化を目指しましょう。

顧客関係管理が重要視されている理由

顧客関係管理が重要視されている理由

昨今、顧客関係管理が重要視されているのはどのような理由があるのでしょうか。まずは、その辺りを見ていきましょう。

市場が成熟し、モノが売れにくくなった

第一の理由として、市場が成熟しモノやサービスが売れにくくなった点が挙げられます。一昔前までは需要と供給のバランスがある程度取れており、作ったものがどのくらい売れるかという見込みも比較的立てやすい市場が形成されていました。

しかし、成熟市場では何が売れるかは誰にも分かりません。思いもよらなかったものが流行り、逆に鉄板商品が売れなかったということも往々にして存在します。

そのような難しい市場では、従来のように「ただ作って売る」のようなシンプルな戦略は通用しづらいでしょう。「誰に」「何を」「どのように」売るのかをしっかりと考え、それに沿った販売戦略を立てなければなりません。

その内の一つとして、顧客関係管理が挙げられるというわけです。

労働生産性を向上させるため

顧客関係管理を適切に行うことで、労働生産性を向上させることができます。顧客関係管理は要するに、「顧客との関係をしっかりと管理し、利益を最大化させる」ことになるため、うまくいけば顧客単価の向上が見込めます。

同じ労力で顧客単価が上がれば、当然労働生産性も向上します。あるいは、リソースを削減したにも関わらず顧客単価が上がった、などのケースも考えられるでしょう。

いずれにせよ、顧客が何をどのように欲しているか、といった情報を収集し、しっかりと分析することが重要です。

テクノロジーやネットワークの進歩

昨今のテクノロジーやネットワークの進歩には、目をみはるものがあります。インターネットが一般化してまだ歴史も浅いのですが、既に数限りないサービスが開発リリースされており、私達の生活も大きく変化しました。

それはビジネスの分野でも同様であり、「モノやサービスの売り方」や「リソースの管理」に多大な影響を与えています。今やその恩恵を受けていない企業の方が少ないと言っても過言ではありません。

専用の業務システムを導入すれば、さまざまな面で業務効率化や生産性の向上が見込めます。

顧客管理システムを導入するメリット

顧客との関係を管理するためのシステムは、主にCRM(Customer Relationship Management)と呼ばれています。では、次に顧客管理システムを導入するメリットについて解説します。

顧客満足度が向上する

顧客管理システムを導入し適切に活用することで、顧客満足度の向上に繋がります。「顧客管理」というと、どうしても売り手側の事情を想像してしまいますが、売り手側が顧客を適切に管理することによるメリットは買い手側も十分享受できるでしょう。

たとえば、「ほしい商品を適切なタイミングで提案してくれる」「役に立つ情報が得られる」などが挙げられます。「営業されるのは嫌」という考えを持っている買い手側の人も多いかとは思いますが、それはあくまで「タイミングが適切でない」営業が嫌という話ではないでしょうか。

ほしいタイミングで提案してくれ、かつ担当者の商品知識が豊富であれば、喜んで買いたいというケースも多いでしょう。

的確な需要を捉え、売上が向上する

顧客管理システムを上手く活用することで的確に需要を捉えることができ、売上の向上に繋がります。上述した通り、システムによって顧客の適切な管理を行うことで、顧客が商品を欲しいと思ったタイミングを見極めアプローチできるなどの利点が得られます。

顧客のニーズが十分高まってから商談に入るため、そうでない場合と比較して成約率は高まるでしょう。それにより純粋な売上増に加え、より少ない労力で成果を得られるという生産性の向上も期待できます。

顧客を適切に選別できる

顧客管理システムを導入すれば、顧客を適切に選別し、それぞれに合ったアプローチを行うことが可能です。自社製品を購入してもらうためには、まず顧客のニーズを十分に高め、その後にアプローチを行わなければなりません。

その順番が逆になると、「欲しくもない商品を売りつけられそうになった」「興味もないのに営業がしつこかった」などのトラブルが生じます。そういった事態が発生すると、自社の評価が大きく下がる恐れがあるため、できる限り避ける必要があるでしょう。

顧客を適切に選別することで、アプローチすべき顧客かどうかが明確になります。アプローチすべき顧客に対してはアポを取って営業マンを向かわせる、そうでない顧客に対してはメールマガジンなどで情報を発信し啓蒙するなどの戦略が考えられます。

また、「少ないリソースで多くの成果を得られる顧客」「多くのリソースをかけた割にはあまり成果が得られない顧客」などの比較も可能です。この場合、後者にかけるリソースを前者に、あるいは新規開拓にかけた方がビジネスの効率がよくなるかもしれません。

CRM導入事例

CRM導入事例

それでは、最後にCRMの導入事例をいくつかご紹介します。

CRMにより、本部と営業店が一体になった営業活動が可能に:北日本銀行

北日本銀行は、岩手県盛岡市に本店を構える地方銀行です。同社では、市場が買い手有利になっていること、また顧客ニーズが多様化していることなどから顧客管理の必要性を鑑み、CRMの導入を行いました。

導入後、営業店で入力された情報を瞬時に営業推進本部が確認できるようになり、両者が一体化した営業活動を行えるようになりました。

CRMにより、発注やデータを管理し業務効率化:昭和シェル石油

昭和シェル石油は、石油事業とエネルギーソリューション事業を主軸とした企業です。同社では、顧客満足度向上のために独自の受発注システムを構築しました。

結果、顧客はカスタマーポータルから発注を完了することができ、利便性が向上しました。また、発注時のメールをCRMで管理することにより業務効率化に繋がっています。

CRMを活用し、属人的業務を平準化:アサヒビールホールディングス

アサヒビールホールディングスは、アサヒビールを筆頭とした各種飲料の製造・販売を手掛けているグループです。同社は中国に事業参入しているものの、拠点間の情報共有や売上管理の面に問題を抱えていました。

そこでCRMシステムを導入し、情報の共有化や営業活動の見える化を実現。合わせて、システムをクラウドに移行したことで75%のコストカットにも成功しました。

まとめ

顧客関係管理を行うためのシステムとしては、主にCRMが挙げられます。CRMを適切に活用すれば顧客との関係を改善し、売上や利益率の向上に繋がることが期待できます。

自社にとってベストなシステムを導入し、労働生産性アップを目指しましょう。