エクセル管理はもう限界。効率的に管理業務を行う方法と業務システム導入のポイントとは

業務効率化

エクセルは非常に便利なソフトウェアですが、エクセル管理の限界を感じている担当者もいるのではないでしょうか。この記事では、エクセル管理に感じる限界やその解決方法、そして代わりとなる業務システム導入における注意点などを解説します。

エクセル管理の問題点

エクセル管理の問題点

業務や案件をエクセル管理する際、一体どのような問題が生じるのでしょうか。まずは、エクセルで業務管理を行う際の問題点について解説します。

データ量に上限がある

エクセルはデータ量に上限が設けられているため、それを超えるデータを入力することはできません。理論上は非常に膨大な量のデータを扱うことができるのですが、大体は上限に達する前に運用の限界に達します。

エクセルのパフォーマンスはPCのスペックに依存するため、理論上の上限よりそちらが優先されるからです。多くのデータに対して複雑な処理をすればするほどパフォーマンスは落ち、動作が鈍くなってしまいます。

自由度が高い分、フォーマットを作るのが大変

エクセルというソフトは非常に自由度の高い作りですが、その分業務に活用するために独自フォーマットを作成しなければなりません。どのようなフォーマットを作成するかは諸条件によりますが、場合によってはかなり複雑なシートを作ることが求められるかもしれません。

そういった手間をかけなければならないことが、エクセル管理の問題点の一つです。自由度が高い分豊富な機能や関数が搭載されているため、「自分たちの望むような結果を得るためには何を使えばいいのか」といった点に頭を悩ませる必要があるわけです。

複製が容易なためセキュリティ面に不安が生じやすい

エクセルのブックは通常のファイルとして扱うことができるため複製が容易で持ち運びやすく、セキュリティ面に不安が生じやすいのも問題です。USBメモリやクラウドストレージにコピーすれば外部に持ち出すこともできますし、ファイルにロックがかかっていなければ他のデバイスで開くことも可能です。

また、値の検証が行われない場合はデータを改竄するのも容易ですし、元のファイルを改竄したファイルに置き換えることもできるでしょう。もちろん企業全体のセキュリティレベルの問題でもありますが、エクセル管理におけるデータは基本的に露出されており編集しやすいというのが特徴です。

管理業務をさらに効率化するには?

では、次に管理業務をより効率化するための方法について見ていきましょう。

独自フォーマットのマニュアルを作る

エクセル管理を行う場合は独自フォーマットを作成することになりますが、フォーマットのマニュアルを用意することでトラブル対処や引き継ぎが容易になります。フォーマットを引き継ぐ際にはファイルだけでなく、どの部分がどのような働きをしているかといった内部処理も同時に引き継ぐ必要があります。

そこが引き継がれないと、データの値がおかしくなったりエラーが発生した場合に対処が難しくなってしまうでしょう。マニュアルを用意しておけばそれを読むことで、エラーの原因を突き止めやすくなります。

また、状況が変化してフォーマットのアップデートが必要な場合においても柔軟な対応が可能です。

セキュリティ管理を適切に行う

エクセルのファイルは扱いやすく複製も容易なため、全社的なセキュリティを適切に管理する必要があります。たとえば、「ファイルの持ち出しは管理者の許可を要する」「会社からプライベートなクラウドストレージにアクセスするのは禁止」などが挙げられるでしょう。

大事なのは、実業務と照らし合わせて判断することです。一から十まで全てをガチガチに設定するとセキュリティレベルは上がるのですが、業務上の利便性が低下します。

どの辺りにバランスを置くか、という点をしっかりと精査しましょう。

業務システムを導入する

業務システムを導入することで、より効率的な業務管理が可能になります。エクセルと業務システムの違いとしては、「汎用性の高さ」や「専門性」あたりが挙げられるでしょう。

エクセルは汎用性が高いため、さまざまな業務に活用することができます。顧客管理から営業管理、進捗管理や勤怠管理まで、適切なフォーマットを作成することで広い範囲の業務をカバーできるでしょう。

一方、業務システムはそれぞれ専門性を有しており、原則それ以外の用途には向きません。CRMは顧客管理に、SFAは営業支援にといった具合で、CRMに勤怠管理をさせたりSFAに企画管理をさせるという使い方は現実的ではないでしょう。

「じゃあエクセルの方がいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、業務システムの強みは「専門性の高さ」です。専門の分野に関してはエクセルを凌ぐ活用が可能であり、かつ扱いやすさやセキュリティといった面でも軍配が上がるのが特徴です。

業務システム導入のポイント

業務システム導入のポイント

では、最後に業務システム導入のポイントについて解説します。業務システムを検討する際には、下記のような点に注意しましょう。

課題を明確にし、自社に合ったものを選ぶ

業務システムを導入する際には、まず自社の課題を明確にし、それに沿ってシステム選びを行います。システムというのは何らかの問題を解決するために導入するものなので、そもそもの課題がはっきりしないと何を導入すべきかという点が不明瞭になってしまうでしょう。

ざっくり言うと、顧客管理を効率化したいならCRMシステムを、営業支援を効率化したいならSFAを、といった具合です。そこからさらに搭載機能や得意分野によって製品別に検討し、最終的に自社に合ったものを見極めるといった形になります。

運用ルールを決め、現場に浸透させる

システムを導入する際は事前に運用ルールを定め、システムを負荷なく現場に浸透させられるよう努めましょう。システムを導入することで既存のワークフローが多かれ少なかれ変更されますので、現場レベルでの適応が必要です。

その辺りを全て現場任せにしてしまうと、「導入したはいいけど使い方や運用が分からず、逆に効率が悪くなってしまった」ということにもなりかねません。そうなると、最悪使われないまま放置されてしまう恐れもあります。

何のためにシステムを導入するのかを啓蒙しルールを定め、現場に負荷を与えることなくシステムを浸透させることが大事です。

将来性を視野に入れる

余裕があれば、システムの将来性も視野に入れて検討しましょう。業務システムとエクセル管理の違いとして「汎用性の高さ」を挙げましたが、エクセルに比べると業務システムの汎用性は低いと言わざるをえません。

もちろんシステムにもよるのですが、エクセルほど広範囲の業務をカバーするのは難しいところです。すなわち、環境が変化して新しい機能や性能が必要になった場合は業務システム単体では対応するのが難しい可能性があるということです。

設計レベルでその辺りが考慮されているか否か、がシステムの将来性の一つです。合わせて、ベンダーの運用能力なども確認しておきましょう。

まとめ

エクセルは非常に優秀なソフトウェアですが、汎用性が高い分専門性に劣り限界を感じやすい面があります。エクセル管理に限界を感じた時は業務システムの導入を検討し、自社に合った管理手法を模索しましょう。