会社のパソコンとセキュリティの関係性とは?情報漏洩を防ぐための考え方や手法を解説

システム開発

業務のIT化が進むと利便性は高まりますが、反面セキュリティリスクを抱える恐れがあります。この記事では、IT化とセキュリティの関係、およびパソコンやタブレットなどを使う際のセキュリティを高める考え方や手法をご紹介します。

会社のセキュリティを高め、情報漏洩を防ぎましょう。

情報のIT化が進む今、セキュリティリスクも増大している

情報のIT化が進む今、セキュリティリスクも増大している

情報のIT化が進むと多くの面で利便性が高まりますが、同時にセキュリティリスクも増大します。まずは、会社におけるIT化とセキュリティリスクの関係性について見ていきましょう。

ネットワークに繋がれている端末やデータは常にハッキングされる恐れがある

通常、IT化されたデータや情報を扱うパソコンはネットワークに繋がっています。そのネットワークが会社内のみで完結すればよいのですが、多くの場合は利便性を確保するために外部との接続を行っています。

ネットワークを介して外部と繋がっているパソコンやデータは、どうしてもハッキングされるリスクが生じます。可能性としてはそれほど高くはないかもしれませんが、データの重要性やセキュリティレベルなどによってリスクの度合いは千差万別と言えるでしょう。

漏洩経路は、ネットワークを介するものだけではない

また、漏洩経路はネットワークを介するものばかりとは限りません。たとえば、会社の従業員が業務のために自宅に持ち帰っていたパソコンを第三者が覗き見た、あるいは悪意を持ってデータをコピーしたなどが挙げられるでしょう。

他にも、オフラインでの情報漏洩経路を挙げるとキリがありません。むしろ、オンライン経由の漏洩よりオフラインで漏洩する方が多いのではないかという考え方もあります。

オンラインであればある程度経路の絞り込みができますが、オフラインの場合は数が多すぎて感知しきれないという難点も考えられます。

情報漏洩を完全に防ぐのは難しい

情報漏洩の経路は複数存在し、それら全てを感知するのは大変難しいところです。そのため、どれだけ対策を施しても情報漏洩を完全に防ぐことは困難です。

だからといって、何も対策をしないという選択肢はありません。「やってもやらなくてもリスクがあるのであればやらない方がコスト減になるのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、問題に対する対策というのは基本的に「発生確率を下げる」のが主目的です。

「どの程度のコストや労力をかけ、どの程度リスクを低下させるのか」といった視点で考えることが大事でしょう。

まず試したいセキュリティ対策

それでは、まず試したいセキュリティ対策をご紹介します。比較的取り入れやすい手法になりますので、まだ手をつけてない場合は早々に検討してみてはいかがでしょうか。

セキュリティ対策ソフトを導入する

一つ目の対策として挙げられるのは、会社のパソコンやタブレットへのセキュリティソフトの導入です。セキュリティソフトの導入は非常にポピュラーな対策方法であり、会社のみならず個人で行っている人も多いのではないでしょうか。

セキュリティ対策ソフトのメリットとしては、下記のような点が挙げられます。

  • インストールするだけである程度自動的にセキュリティ対策を行ってくれる
  • 常に最新のアップデートを行ってくれる

セキュリティ対策ソフトはオールインワンのものが多いため、インストールするだけである程度万遍のないセキュリティを施してくれます。また、ベンダーが常に最新のセキュリティ対策手法を構築してくれるため、アップデートを怠らなければ最新のセキュリティ対策を受けられるのもメリットです。

ルールを設け、適切に運用する

二つ目に挙げられるのは、「セキュリティに関するルールを設け運用する」という点です。上述したセキュリティ対策ソフトの導入は主にオンライン周りを強化する手法ですが、セキュリティルールの運用はオンラインおよびオフラインといった広範囲に適用が可能です。

たとえば、「席を離れる際は必ずパソコンにロックをかける」「一定期限が経過した紙情報は必ずシュレッダーにかける」などが挙げられるでしょう。この辺りは業務や企業の特性に合わせて設け、適切な形で運用する必要があります。

せっかくルールを策定したはいいものの、有名無実なルールにならないよう気をつけましょう。

各種情報にアクセス権を設定する

各種情報にアクセス権を設定することで、セキュリティ対策になります。アクセス権とは「特定の属性の情報に対する権限」のことであり、たとえば「役職のない社員は閲覧のみ」「係長以上は閲覧および編集が可能」といったものが考えられるでしょう。

また、情報別にアクセス権を設定すれば、特定の部署の人間のみが閲覧可能といったやり方もできます。誰もがあらゆる情報にアクセスできることは便利ではありますが、セキュリティ面においては高リスクであることを忘れてはいけません。

その他、情報漏洩を防ぐための考え方

その他、情報漏洩を防ぐための考え方

その他、日頃から意識しておきたいセキュリティにおける考え方をご紹介します。上記に比べると即効性は低いかもしれませんが、セキュリティは一朝一夕に高まるものではないため、長期的な目線も必要です。

セキュリティについて学ぶ

セキュリティについて学び基礎知識を蓄えることで、情報漏洩を防ぐ可能性を向上させられるでしょう。ITセキュリティは非常に複雑かつ難解なため全てを知るのは難しいですが、ベースとなる部分だけでも知っておくにこしたことはありません。

また、オンラインのセキュリティだけでなくオフラインのセキュリティも同時に学ぶ必要があります。情報流出の経路は多岐に渡りますので、オンラインにばかり注視していると思わぬところから漏れてしまう可能性もあるでしょう。

情報漏洩した際の対処をあらかじめ定めておく

情報漏洩しないにこしたことはありませんが、万一に備えて有事の際の対処をあらかじめ定めておくことも大事です。セキュリティはどこまでいってもゼロリスクにはならないため、漏れた時の対処をあらかじめ策定しておけば被害を最小限にとどめられるでしょう。

また、情報漏洩した際の対処を定めるためには、セキュリティに関する知識が必要になる場合もあります。その際にセキュリティについて学ぶこともでき、知見を深められるのもメリットです。

セキュリティリスクを全て潰すことはできませんが、「自社はこういった対応をしており、万一の際はこういった対処を行います」とアピールすることで信頼を得られる面もあるのではないでしょうか。

システムコンサルティングを活用する

情報にまつわるセキュリティを高めるには、システムコンサルティングを活用するのも手です。システムコンサルティングはいわばシステム面のプロとも呼べる存在ですので、自社のみでは補いきれない部分もサポートしてくれることが期待できます。

また、自社の要望に柔軟に応えてくれるのもメリットとして挙げられるでしょう。業務特性はそれぞれの企業によって異なり、必要とされるシステムやセキュリティ手法も異なります。

それらを自社の知見のみで補うのは難しい面もありますが、プロに相談することで解決できる問題もあるでしょう。

まとめ

データや情報のデジタル化は利便性を高める反面、漏洩リスクも増大します。それぞれの会社に合ったセキュリティ対策を施し、機密情報の漏洩を防ぎましょう。