成功事例から学ぶ働き方改革。ITシステムを活用した業務効率化までのステップ
働き方改革により、労働の効率化が求められています。従来のような一部非生産的な労働スタイルでは今後の働き方改革社会を乗り切ることはできないため、どの会社も業務効率化に血眼になっているのではないでしょうか。
この記事では、働き方改革を乗り切るための業務効率化について、事例を交えて解説します。
業務効率化の具体的な進め方
業務効率化に取り組む際、どのように進めたらよいのでしょうか。まずは、業務効率化の具体的な進め方について解説します。
まずは業務棚卸を行い、社内にどのような業務があるかを把握しよう
最初に行うステップは、業務棚卸を行い社内にどのような業務があるかをチェックすることです。「棚卸」という言葉を耳にしたことがある人も多いかもいしれませんが、一般的な棚卸とは商品の在庫数と種類をチェックし、今現在会社にどのような資産があるかを把握する行為です。
業務棚卸というのは「業務」を「棚卸」すること、すなわち会社で行っている業務を可能な限り全て洗い出す行為のことです。「社内にどんな業務があるかくらい把握している」と思う人もいるかもしれませんが、部署によってはブラックボックス化しているところもあるため、一度しっかりとチェックしておきましょう。
社内にどのような仕事が存在するかが分からないと、業務効率化に支障をきたしてしまいます。
各業務にかかる時間や費用に対し、得られた成果をチェックしよう
業務棚卸が完了したら、次は各業務にかかる時間や費用を計測し、同時に得られた成果もチェックします。それにより、業務の「費用対効果」や「時間対効果」を割り出します。
費用対効果や時間対効果が分かると、一体どのような利点があるのでしょうか。それは、「業務の重要度」が明確になるという点です。
仕事というのは全てが同じような成果を上げるわけではなく、効率のよいものもあればそうでないものもあります。かけた費用や時間が同じ場合、得られた成果の大きい業務が「効率のよい業務」であり、成果の低いものは「効率がよいとは言えない業務」です。
効率のよい業務にリソースを集約しよう
各業務における効率の良し悪しが明確になったら、あとは効率のよいものにリソースを集約します。たとえば、営業業務の一環として「電話でアプローチする」「チラシを撒く」「イベントを開催してプル型の営業を行う」などありますが、効果の高いものが判明したら、そこに時間や労力、お金、人員を割くという形です。
ここで注意したいのは、一気にスタイルを変更するのではなく、結果を見ながら少しずつリソースを移動させるという点です。場合によっては一気に効率のよい業務に集中した方がよい場合もありますが、今まで行っていたやり方を急に変更することによるリスクも考えられます。
たとえば、「慣れない業務に上手く対応できず、効率が下がってしまった」「従来のアプローチで繋いでいた顧客が離れてしまった」などが挙げられるでしょう。業務の効率化は、少しずつテストしながら改善を積み重ねるのがセオリーです。
ITシステムを導入するとどのような効果が得られる?
業務効率化の強い味方となるのが「ITシステム」。では、ITシステムを導入することで一体どのような効果が得られるのでしょうか。
業務効率化に繋がる
ITシステムを導入すると、業務効率化に繋がります。ITシステムを導入する理由としては、「既存業務の代替を試みる」「業務の精度を上げる」などが挙げられますが、これらが成功すればそのまま業務効率を向上させる効果が見込めます。
システムが既存業務を代替してくれれば、その分のリソースが節約できるでしょう。また、業務の精度が上がれば製品の品質が向上し、顧客満足度の向上に繋がります。
他にもITシステムによる効用は多々ありますが、いずれも業務効率化への寄与が期待できます。
新しい業務フローが生まれる
ITシステムを導入することで、新しい業務フローが生まれる可能性があります。ITシステムを業務に活用する場合、業務フローの変更が求められるケースが多いでしょう。
今まで「A業務→B業務→C業務」と行っていたところ、B業務をシステムが代替してくれるようになったため、「A業務→(B業務)→C業務」という形に省略されます。これだとただ単に業務フローが削減されただけですが、B業務の省略により、新しく「(B業務)→D業務」というフローが生まれるかもしれません。
この場合、結果的に業務工程を2つ短縮できることになります。ITシステムは非常に多くの機能を有しているため、使いこなせればより効率の高い業務フローの構築が見込めるでしょう。
質の平準化に繋がる
ITシステムを導入すれば、業務の質を平準化させることができます。今までベテラン従業員の勘や経験に頼っていた業務をIT化することにより、システムさえ使えれば誰でも同じような品質で業務をこなせるようになるというケースも考えられます。
質の平準化が行われれば、効率化および顧客満足度の向上に繋がるでしょう。安定した品質の製品をリリースすることで信頼に繋がり、またどの部署に連絡しても同一の対応が行われれば自社ブランドの向上も見込めます。
経営効率が向上する
ITシステムを導入することで、経営効率の向上が期待できます。ITシステムは従来では取得の難しかった各種データを蓄積することができ、かつそれらを経営判断の指標に据えることが可能です。
もちろん、データというただの数字を見やすくグラフィカルに整えることもできます。それにより、一目で自社の経営状況を把握でき、スピーディーかつ客観的根拠のある判断をサポートしてくれます。
ITシステムを活用し業務を効率化した事例
それでは、最後にITシステムを活用して業務効率化を行った事例をご紹介します。
チャットツールを用いてコミュニケーションの無駄を排除:イオンドットコム株式会社
イオンドットコム株式会社は、イオングループのデジタル事業を担う会社です。同社では、セキュリティの高いチャットツールを導入し、社員間のコミュニケーションを改善しました。
それにより、従来はバラバラだったコミュニケーションツールの統一、かつカジュアルなコミュニケーションを行えるようになりました。
タスクの一元管理を行い、やるべきことを明確化:株式会社リクルートライフスタイル
株式会社リクルートライフスタイルは、「じゃらん」などのサービスを運営している会社です。従来はメールを用いてタスク管理を行っていたのですが、限界を感じタスク・プロジェクト管理ツールを導入しました。
その結果業務進行がスムーズになり、やるべきことの明確化に成功しました。
在宅ワーク推進で業務の効率化を図る:シックス・アパート株式会社
シックス・アパート株式会社は、サイト製作を含めたWeb支援を行っている会社です。同社では「SAWS」と呼ばれている独自の働き方を推進しており、そのためにさまざまなITシステムを導入しました。
その結果オフィスに出社しなくても働ける環境が整備され、社員のストレス減少、および健康増進に効果が見込めました。
まとめ
働き方改革のための業務効率化を進めるには、ITシステムの導入が不可欠です。自社のニーズに沿ったシステムを見極め、適切な導入および活用を心がけ、働き方改革に備えましょう。