テレワーク導入前と導入後の課題とは?テレワーク運用を支えるシステム環境構築法

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テレワークを導入するにあたり、どのような課題があるのでしょうか。この記事では、導入前、導入後それぞれの課題および解決するためのシステム構築ポイントについて解説します。

テレワーク導入前の課題

テレワーク導入前の課題

テレワークを導入する前の段階には、どのような課題があるのでしょうか。まずは、テレワーク導入前の課題について見ていきましょう。

必要な機器の導入

テレワークを行うにあたっては、必要な機器を導入する必要があります。場合によってはすでに機器が揃っているようなケースもあるかもしれませんが、通常は新しい機器の購入を検討するところが多いでしょう。

テレワークを行うにあたっては、下記のような機材が必要となります。

  • PC(メンバー数分)
  • サーバー用機器
  • 周辺機器

どのような形でテレワークを行うかによっても変わってきますが、恐らくメンバーへ貸与するPCおよび周辺機器は購入する形になることが多いかと思います。どういったPCをどこからどのように調達するか、についてしっかりと考える必要があります。

従業員のITリテラシー教育

二つ目の課題として挙げられるのは、従業員のITリテラシー教育です。テレワークを行うにあたってはPCやタブレットなどの操作が必須となるため、各従業員がある程度ITを習熟している必要があります。

業務で日常的にPCを使っているような職場ならよいのですが、そうではない場合、改めて教育する必要があるかもしれません。ITリテラシーというのはなにもPC等の操作方法だけでなく、遠隔コミュニケーションの方法やセキュリティに対する知識を啓蒙する意味もあります。

どのような環境を構築し、どのように行うか

「テレワークを業務のどのポイントに位置づけ、どのように行うか」という点もしっかり考えておく必要があるでしょう。テレワークと一口に言っても、企業や職場によってそのやり方はさまざまです。

重要度の低い業務のみをテレワーク化し定期的な出社を促す企業もあれば、全ての業務を完全にテレワークに移行するところもあるでしょう。それぞれによって「どのような環境を構築すべきか」や「テレワークをどのように行うべきか」の回答は異なります。

自社にとって必要十分な環境を整え、混乱を招かないことも重要です。

テレワーク導入後の課題

では、次にテレワークを導入した後の課題について見ていきます。テレワークを運営するにあたり、一体どのような問題が発生するのでしょうか。

業務や評価に対する公平性の担保

おそらく、多くの会社が悩んでいる点は「評価に対する公平性」ではないでしょうか。従来のスタイルが完全に公平な評価を行っていたわけではありませんが、目に見えるところに存在する人間に対する評価という形で一定の信頼性は担保されていた面もあるでしょう。

ところが、テレワークになると各々の業務における成果がおおよそ可視化されることになります。「成果が可視化されるのであれば逆に評価が容易なのでは?」と思う人も多いかもしれませんし、実際にそういった面もあります。

ただ、仕事の成果というのは完全に数字で測れるものばかりではありません。特定のメンバーが目に見えないところで行っていたものが意外と仕事の効率に影響していたということも少なくありませんので、その辺りをどのように評価すべきかという課題は残ります。

セキュリティリスク

次に挙げられるのは、情報漏洩などのセキュリティリスクです。会社内で情報のやりとりが完結しているのであれば漏洩のリスクは比較的少ないですが、テレワークという形で情報をネットワークに乗せると、第三者から盗み見されるといった危険性が生じます。

また、情報を社内ではなく各従業員の自宅に保管することもリスクになります。それぞれが適切に管理してくれればよいのですが、必ずしもそうなるとは限りません。

その場合において、従業員と会社の責任負担をどのように考えるのか、といった問題も生まれてきます。

メンバーのモチベーションや労働管理

テレワークの課題として、メンバーのモチベーションや労務管理をどうするか?といった点も挙げられます。特に労務管理は顕著なのですが、従来の出社スタイルであれば出社から退社までの時間を単純に業務時間を捉えることができました。

しかし、テレワークの場合は出社が存在せず仕事もプライベートも同じ空間で行うため、どこからどこまでを業務に含めるか?といった問題が発生します。システムさえ整えられていればログインした時間からログアウトした時間まで、という捉え方も可能ですが、テレワークをほぼコミュニケーションのみで構成している場合はなかなかそうもいきません。

モチベーション管理は、さらに難しい問題です。多くの人が「テレワークになったら皆サボるんじゃないか?」と考えているかもしれませんが、どちらかというと「働きすぎ」を問題にすべきという声もあります。

テレワークは仕事とプライベートの境目が曖昧になるため、人によっては本来の業務時間が終わった後も頭を切り替えられず、リフレッシュが難しくなるケースもあるでしょう。それが長期間続くと心身の健康を害してしまう可能性もあるため、難しいながらも会社側が気をつかう必要があるかもしれません。

それぞれの課題を解決するシステムを構築するには

それぞれの課題を解決するシステムを構築するには

では、それぞれの課題を解決するシステムについて解説します。テレワーク用のシステムを検討する際には、下記のようなポイントが大事です。

他社の事例を参考にする

自分達の知見だけで新しいことをしようとするのではなく、他社の事例を参考にしてそれをベースに考えるのも手です。テレワークを行うにあたって事前に検討することは山積みですが、どれだけシミュレーションを重ねても実際の運用には及びません。

「実際に導入したところ、こういった問題が発生しこのように解決した」のような事例があれば、積極的に取り入れてみましょう。自分達だけでなく、他者の経験から学ぶことができれば視野が一気に広がります。

最初は小規模に行い、問題点を洗い出す

テレワークを導入する場合、いきなり完全運用を目指すのではなく、最初は小規模に行って問題点を洗い出すやり方もおすすめです。最初から広範囲に運用してしまうと問題を解決することができず、そのままなし崩し的な運用が行われてしまう恐れがあります。

一方、テストとしての小規模な運用から始めて問題点を洗い出す場合、改善が容易というメリットがあります。規模が大きくなればなるほど変化や変更が難しいものなので、最初は小規模に行い、そこで発生した問題点に対する解決をもって大規模運用を行うのがベターでしょう。

システムコンサルタントに相談する

自社のみでの選定や運用が難しい場合、システムコンサルタントに相談するのも手です。システムコンサルタントはいわばシステムのプロとも呼べる存在なので、自社には手の届かない部分をしっかりとサポートしてくれることが期待できます。

その分費用はかかってしまいますが、システム選びや運用を誤ってしまうコストに比べると安価ではないでしょうか。もちろんケースバイケースですが、新しいことを始める場合、他者の知見を用いて判断することも重要です。

まとめ

テレワークには導入前、導入後それぞれに課題があります。業務の特性を鑑みつつ、柔軟に対応しましょう。