働き方改革に必須とも言える営業支援。システム活用した生産性向上の成功事例
働き方改革の一環として、「残業時間の抑制」が掲げられています。従来は各部門ともに献身的な残業や休日出勤によって支えられてきた面がありますが、それでは競争に勝てなくなってきたため、より短時間で大きな成果を上げることが求められるようになりました。
この記事では、営業生産性を高める方法やそのためのシステムについて事例を交えてご紹介します。手法やシステムについてしっかりと学び、営業生産性向上を目指しましょう。
営業生産性を高める方法
営業生産性を高めることが、働き方改革において重要です。まずは、営業生産性を高める方法について見ていきましょう。
業務の棚卸しを行い、ワークフローを見直す
営業生産性を高めるには、業務の棚卸しを行い、ワークフローの見直しをするのが効果的です。業務の棚卸しとは、自社に存在するあらゆる業務を洗い出す行為です。
業務の棚卸しを行うことで、自社のどの位置にどのような業務があるかを把握することができます。「そんなことをしなくても自社の業務くらい把握している」と考える人もいるかもしれませんが、細かな業務は意外と見落としがちがちなので、一度しっかりと棚卸しを行った方がよいでしょう。
棚卸しを行い業務を洗い出すことができたら、次はワークフローの見直しです。ワークフロー全体から見ると、各業務は「必要なもの」や「そうでないもの」、「効率のよいもの」「効率の悪いもの」などに分類することができます。
必要性の乏しい業務はリソースを削減したり、いっそのことカットすることも考えられるでしょう。そうしてワークフローを適正化することで、営業生産性を高めることができます。
業務リソースを適切に振り分ける
営業支援においては、業務リソースを適切に振り分けるのも生産性向上の重要な手法です。前述の通り、業務の洗い出しを行うと、各業務を(ワークフローやKGI・KPIの観点から)「効率のよい業務」や「効率の悪い業務」などに分類することができます。
振り分ける場合に考えたいのは、原則として「効率のよい業務」に多くのリソースを費やすということです。効率のよいものにも悪いものにも同じ量のリソースを振り分けるという考え方もありますが、それではなかなか生産性は上がりません。
効率の悪い業務はリソースを削減したり、可能であればカットしてしまうことも視野に入れましょう。もしどうしても必要な業務なのであれば、できる限り少ないリソースで継続する方法を考えるのも手です。
システムを活用する
営業支援をサポートしてくれるシステムを活用することで、大幅な営業生産性の向上が見込めます。営業支援にまつわるシステムとしては、SFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)などが挙げられるでしょう。
SFAは営業支援システムとも呼ばれており、導入することで営業活動をサポートしてくれるものです。一方、CRMは顧客管理システムとも呼ばれており、顧客との関係を改善および密接にし、結果として売上向上を目指すシステムです。
役割や搭載機能は異なりますが、どちらも営業生産性の向上に役立つことでしょう。もちろん、他にも多数の業務システムが存在するため、自社の必要に応じて導入を検討することをおすすめします。
営業支援にシステムを活用するメリット
営業生産性を高めて働き方改革を成功させるためにも、システムは欠かせない存在です。では、次に営業支援にシステムを活用するメリットを見ていきましょう。
業務をシステムに代替させることによる効率化
既存の業務をシステムに代替させることで、業務効率を大幅にアップさせることができます。従来はさまざまな業務を人の手で行う必要がありましたが、テクノロジーの進化にともない、多くの分野でシステムを活用し効率化できるようになりました。
一例としては、在庫管理業務や会計業務などが挙げられるでしょう。人の手で一つ一つ行わなくても、機械が半自動的に集計・管理してくれることで、大きな効率化を果たしました。
情報を共有することにより、属人性を排除できる
システムを活用すれば、情報を共有し業務の属人性を排除することが可能です。業務の属人性が高い状態とは、要するに「特定の担当者がいないと業務が回らない」という状況です。
仕事には多かれ少なかれそのようなケースがあるかとは思うのですが、業務の属人性が高すぎると特定の担当者の負担や権限が増大し、さまざまな歪が生まれてしまいます。システムを活用して必要な情報を誰でも閲覧できるようにしておけば、そのような事態を防ぐことができるでしょう。
業務を細かくデータ化し、より効果的な営業活動を行える
システムを導入すれば、業務を細かくデータ化し、より効果的な営業活動を行えます。現代ではテクノロジーやネットワークの進歩により、人々の行動や欲求をある程度数値化して管理することが可能となりました。
それらを営業活動に活かすことで、従来では考えられなかったような効率的な販売手法を模索することもできるでしょう。データ自体はただの数値ですが、それを業務システムで管理することにより、見やすいグラフや表などの形式でアウトプットすることも可能です。
システム活用事例
では、最後に実際にシステムを活用し成果を上げている事例をいくつかご紹介します。
SFAを導入し、見込み誤差の改善に成功:V-CUBE
V-CUBEは、ビジュアルコミュニケーションツールの企画や開発を行っている会社です。同社では既に業務用システムを導入していましたが、データの不正確性から業務管理ができなかったり、書類を手動で発行しなければならないなどの問題を抱えていました。
そこでシステムを刷新しSFAを導入したところ、30%以上発生していた誤差を数%程度に抑えることに成功。また、システムを活用して顧客管理を徹底し、解約率の30%改善という成果も得ることができました。
SFAの再度導入を行い、営業活動の定量的な管理に成功:istyle
istyleは、化粧品や美容の総合サイトである「@cosme」を運営している会社です。同社には以前SFAを導入した経験があったのですが、業務にフィットしなかったため、Excelを使っての業務管理を行っていました。
しかし、その状態では情報共有などの面から問題を抱えていたため、新たにSFAシステムを導入。結果、営業活動の定量的な管理による売上との相関関係などが明確になり、的確な営業指示を出せるようになりました。
システム導入により、営業状況確認のリアルタイム化に成功:アイ・エス・エス
アイ・エス・エスは、情報資産の保管業務を手掛けている会社です。同社は、今までルート営業のみで成果を上げていたのですが、時勢の変化にともない新規開拓を行う必要性が生じました。
そこでSFAを導入したところ、営業状況のリアルタイムな確認が可能になり、生産性が向上。加えて、行うべきアクションが明確になり、クロージングなどを確実に行うことが可能となりました。
まとめ
働き方改革を成功させるためには、営業生産性を向上させることが大事です。自社に合ったシステムを導入し、業務効率アップを目指しましょう。