システム企画から導入までの具体的な手順と自社システムを選択するメリット

システム開発

企業がシステムを導入する場合、既存のパッケージ製品から選ぶのが一般的です。しかし、探しても探しても自社が求めている機能を搭載した製品が見つからないケースもあるでしょう。

その場合は、自社でシステムを企画するのも手です。この記事では、自社システム企画について解説します。

自社システムの企画とは?

自社システムの企画とは?

「自社システムの企画」とは、一体どのような業務なのでしょうか。まずはその辺りについて見ていきたいと思います。

自社が導入するシステムを自分たちで企画すること

自社システムの企画とは、自社が導入するシステムの仕様などを自分たちで企画することです。一般的に、ITシステムを導入するとなるとまず考えられるのが既存パッケージの利用です。

既存パッケージを導入するとなると、既にベンダーが開発したものを自社で利用する形になります。導入実績の多いパッケージを利用すれば安定性には優れますが、いかんせん汎用的な設計が行われているため、かゆいところに手が届かないような感覚を抱いてしまうかもしれません。

自社でシステムを企画することの意味

そのようなニーズに対応できるのが、自社システムの企画です。自分たちが使うシステムを自分たちで企画することにより、下記のようなメリットがあるでしょう。

業務を知っているからこそ適切なシステムが分かる

1つ目に挙げられるのは、業務内容を熟知しているからこそ適切なシステム設計ができるという点です。既存のパッケージ製品は確かに手軽ですが、その分汎用性に乏しく、自社が求めている機能が十分に揃えられていないかもしれません。

業務内容を知っている人間がゼロから設計すれば、自ずと業務に適したシステムが構築されるでしょう。

自分たちで企画するからこそシステムの活用に注力できる

また、自分たちで企画するからこそシステムの活用に注力できるという面もあります。自分たちでシステムの根幹的な設計を行うことでシステムに対する理解が深まり、導入後スピーディーな運用が可能になるでしょう。

汎用的なシステムを導入する場合、まずはどのように活用するかを考えなければなりません。しかし、自分たちで設計するシステムの場合はニーズから逆算して作られるケースが多いため、すぐさま業務フローに組み込むことが可能です。

ベンダーと協力して企画を考えるというやり方もある

「このようなシステムを作りたい」という根本的な部分は自社で固める必要がありますが、機能面や実装面などはベンダーと協力することになるでしょう。また、根本的な部分を考える際にもベンダーの協力を仰ぐという手もあります。

ベンダーはシステム開発のプロですので、今までの経験や知見から有益なアドバイスを行ってくれることが期待できます。

企画から導入までの手順

システムを企画する場合、どのような手順で行えばよいのでしょうか。続いて、企画から導入までの手順について解説します。

「どのようなシステムを作るか」を考える

まずは、「どのようなシステムを作るか」を考えます。ITシステムというのは通常業務をサポートしてくれるものなので、現在の業務フローを確認しつつ、「どの部分をシステムに代替できるか」などの視点から着手するとよいでしょう。

この段階では、おおまかに「こういうことがしたい」「こういう業務をまかないたい」などのイメージでも構わないでしょう。明確にするとしたら、「何のためにシステムを作るか」「作ったものをどのように活かすか」という部分です。

初期の段階からシステムの実際的な運用を考えつつ企画を練るのが、システム開発を成功に導くコツです。

システムの詳細設計を行う

大まかな企画が練り終わったら、次はそれに基づいてシステムの詳細設計を行います。この段階では、「こんなことがしたい」などのイメージから「どのような機能を搭載するか」「どのような操作画面にするか」などを詰めていきます。

機能に関しては実装できるものとそうでないものに分かれますが、システム開発の経験がない場合にはその判断がつきません。つまり、この段階では開発会社の協力が不可欠であり、彼らと共に機能面や設計面を詰めることになります。

専門家のアドバイスを仰ぎつつ、漏れのない設計を行いましょう。

設計書や仕様書に基づいて開発する

続いては、作成した設計書や仕様書に基づいて開発を行います。こちらは完全に開発会社に任せる形になりますので、特に自社で何かを行うことはないかもしれません。

とはいえ、設計の細かな確認などは必要になるかもしれません。開発段階において設計や仕様の再確認を行うのは前段階の詰めが甘かったという話にもなりますが、システム開発というのはケースバイケースな部分が多いので、適宜対応しましょう。

言うまでもないかもしれませんが、この段階で仕様変更を行うのはご法度です。既に開発段階に入っているシステムに機能追加や機能変更を依頼してしまうと開発の遅れに繋がりますし、何よりバグが混入しやすくなってしまいます。

テストや運用シミュレーションを行う

開発が終わったら、テストおよび運用シミュレーションを行います。テストは運用において考えられるさまざまな操作や状況を想定し、それを一つずつ潰していきます。

この段階では、通常数多くのバグが発生しますが、確認できさえすれば修正が可能です。なるべく漏れのないようなテストとシミュレーションを行いましょう。

本稼働

テストとシミュレーションが終わったら、本稼働に移ります。ここまで来たら開発会社ではなく自社でシステムを運用することになりますので、操作方法や注意点などをしっかりと確認しておきましょう。

また、現場にシステムを馴染ませる努力も必要です。研修を行ったり、マニュアルを整備するなどの工夫を欠かさないことも大事です。

企画に困ったらシステムコンサルティングを活用しよう

企画に困ったらシステムコンサルティングを活用しよう

システムの企画に困った場合、システムコンサルティングを活用するのも手です。システムコンサルタントに相談することで、下記のような利点が生じるでしょう。

自社に最適なシステムを見極められる

システムコンサルタントに相談すれば、自社にとって最適なシステムを見極められます。場合によってはゼロから開発するより既存パッケージ製品を利用した方が好ましいケースもありますので、そういったアドバイスを仰ぐこともできるでしょう。

システム開発会社への相談でも有益なアドバイスを受けられますが、それはスクラッチ開発を行うことが前提になります。対して、システムコンサルティングであれば、より包括的な意見が期待できます。

注意すべきポイントを予め知ることができる

システム開発を行うにあたり、注意すべきポイントを予め知ることができるのもメリットです。システムの開発は非常に複雑な工程を経ることになりますので、最初にある程度流れを掴んでおいた方がよいでしょう。

また、コンサルタントから自社と相性のよい開発会社を紹介してもらえるかもしれません。闇雲に探すよりは、知見の広い専門家に相談した方が何事も捗ります。

スムーズな運用を行える

システムというのは作って終わりというわけではなく、適切に活用してこそ真価を発揮します。システムコンサルタントに相談することで、システムのスムーズな運用に繋がる面も大きいでしょう。

どのような業務をどのようにシステム化すればより効率化できるか、などのアドバイスを受けられれば、システムの恩恵を受けやすくなるのではないでしょうか。

まとめ

自社でシステムを企画すれば、カスタマイズや画面デザインが思いのままになります。しかし、システム開発の工程は非常に複雑なので、思わぬトラブルが生じる可能性もあるでしょう。

良い開発会社やシステムコンサルタントを探し、自社システム企画を成功に導きましょう。