テレワークと生産性の関係とは?生産性が上がった企業の共通点と成功事例
テレワークを導入すればオフィスに縛られないワークスタイルを構築することができ、社員のワークライフバランス向上が見込めます。しかし、「テレワークに移行して大丈夫か?」「生産性は下がらないか?」といった疑問を持っている担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、テレワークと生産性の関係、およびその理由と解決方法を事例を混じえて解説します。
テレワークは生産性を上げる?下げる?
テレワークは生産性を上げるという説もあれば下げるという説もあります。一体どちらが本質的なのでしょうか。
まずは、テレワークと生産性の関係性について見ていきましょう。
基本的にはケースバイケース
テレワークと生産性の関係は、基本的にはケースバイケースです。ある会社においてはテレワークによって生産性が上がったが、ある会社においては下がるといったことも珍しくありません。
また、同じ会社内でも部署によって生産性が上がったり下がったりすることもあります。他社の事例を完全に真似することは難しいですが、同じ会社であればノウハウの共有を行うことである程度改善される見込みもあるでしょう。
テレワークで生産性が上がる理由
一般的に、テレワークにおいて生産性が上がる理由は下記の通りです。
通勤・出社の時間を仕事に充てられる
テレワークを行うことにより通勤や出社にかかっていた時間をカットすることができ、その分のリソースを仕事に充てることができます。多くのリソースを業務に充てられるということはイコール生産性の上昇にも繋がり、成果も上がりやすくなるでしょう。
この場合問題となるのは、勤怠における「業務時間」の定義です。一般的に通勤時間を業務時間と見なすケースは少ないため、通常の勤務時間より前に仕事をする場合は原則「残業」となる点に注意しましょう。
勤務時間をある程度自由にコントロールできるのであれば、朝は早めに仕事に入り、就業時間を早くするという手もあります。
仕事環境を自分でコントロールすることができる
テレワークで仕事を行う場所は主に自宅になるため、仕事環境を自分の好きなようにコントロールすることができます。たとえば、オフィスで仕事をする場合はエアコンの温度を自分の都合で変えることはできませんが、自宅であれば好きに設定することが可能です。
快適な仕事環境を用意することにより、生産性やパフォーマンスの上昇効果が見込めます。
テレワークで生産性が下がる理由
対して、テレワークで生産性が下がる理由としては、下記のようなものが挙げられます。
業務管理が難しくなる
テレワーク環境下では業務管理が難しくなってしまい、結果生産性が低下する恐れがあります。業務管理というと広い範囲になりますが、具体的には「勤怠管理」や「スケジュール管理」「進捗管理」などが挙げられるでしょう。
テレワークを行う際は、「どのような形で正確性の高い業務管理を行うか」といった視点が大切になります。
コミュニケーションの難易度が上がる
テレワーク下においては、コミュニケーションの難易度が上がる点もデメリットです。オフィスに出社して仕事をする場合はそれぞれのメンバーの顔が見え、軽い雑談から仕事の話までをフェイス・トゥ・フェイスで行うことができるでしょう。
しかし、テレワークの場合はシステムやツールを通してのコミュニケーションになるため、慣れるまでは意思疎通が難しいかもしれません。人によってはチャットを行うためのキーボードタイピングが煩わしく感じるかもしれませんし、回線速度によるテレビ通話のラグなどが気になるかもしれません。
テレワーク導入で下がってしまった生産性を上げるには?
テレワークの導入で生産性が低下してしまった場合、それを補うにはどうすればいいのでしょうか。続いて、テレワーク下において生産性を改善する方法について見ていきましょう。
ワークフローを改善する
一つ目に挙げられるのは、ワークフローの改善です。ワークフローを適切に改善することでさまざまな恩恵が得られ、結果的に生産性の向上が見込めるでしょう。
ワークフローを改善するためには、まず業務の棚卸しを行い、その中で重要性の高いもの低いものといったラベリングを行い、改めて業務の必要性を考えます。カットできるものは思い切ってカットしてしまうことも時には大切です。
使用しているテレワークシステムを見直す
二つ目は、使用しているテレワークシステムの見直しです。テレワークのためのシステムは非常に多くの種類があり、その中から自社に合ったものを見つけるのは至難の業でしょう。
しかし、相性が悪く使いにくいシステムを活用している場合、生産性の低下は必然です。なお入れ替える際には、現在のツールのどこが使いづらくどう改善できれば好ましいのか、といった視点を持ち、改めてシステムを選びましょう。
テレワークと出社を並行して業務を進める
テレワークだからといって、100%遠隔業務を行う必要はありません。それぞれの仕事の特性に合わせて一定周期で出社し、それ以外はテレワークで行うといったやり方も可能でしょう。
フレキシブルなワークスタイルにすることで、テレワークのデメリットを補えます。ただ、場合によってはテレワークのメリットもスポイルしてしまう恐れがあるため、その点には注意が必要です。
テレワークで生産性が向上した事例
それでは、最後にテレワークを導入して生産性が向上した事例をいくつかご紹介します。
テレワークを取り入れた7割超が生産性の向上を実感:パナソニック株式会社
パナソニックは、国内有数のエレクトロニクスメーカーです。同社ではテレワークのことをe-Workと呼び、生産性向上およびワークライフバランス実現を目的に掲げています。
完全な在宅勤務というわけではなく、よく利用する場合でも週に2〜3回程度の実施ですが、7割超の従業員が生産性向上を実感しました。
生産性およびワークライフバランスの向上:日本ユニシス株式会社
日本ユニシス株式会社は、さまざまなビジネスソリューションを提供しているIT企業です。同社では「より働きやすい会社に」をトップが発案し、テレワーク制度を導入。
原則的に週3〜4日の在宅勤務を開始しましたが、結果効率よく仕事を行うことができ、生産性およびワークライフバランスの向上が見込めました。
テレワークによる生産性向上およびブランド力の強化:YAMAGATA INTECH株式会社
YAMAGATA INTECH株式会社は、YAMAGATA株式会社のドキュメント製作部門として設立された会社です。同社では、クラウド管理システムやスマートフォンによる勤怠管理システムを駆使してテレワークを実施しています。
結果として、サテライトオフィスにおいて効率的に業務を遂行することができ、また採用の効率化およびブランディング強化に成功しました。
まとめ
テレワークで生産性が上がるか下がるかはケースバイケースですが、どうせやるならできる限り生産性を上げたいもの。そのために大事なのは、ワークフローの改善やシステムの見直しなどが挙げられます。
自社に適したテレワークスタイルを追求し、生産性向上とワークライフバランス向上の両立を目指しましょう。