会議の時間を効率化!無駄に長い会議の理由と対策方法
耳にしない日がないと感じる「働き方改革」。すべての業種で進めていこうと政府が力を入れています。
そして、あなたの会社でも「働き方改革」を進めることで、残業代の削減、効率化と生産性向上を目指しておられることでしょう。
しかし実情はというと、あまり変わっていない気がしませんか?
特に実際に手を動かして作業をしていない会議に、大切な時間を無駄に長く使ってしまっているということも多いはず。
今回は、誰しも一度は感じたことのある「この会議、無駄に長くないですか?」の理由と、会議を効率化する対策方法についてお話していきます。
無駄に長い会議の理由
「会議は長いもの」そんな印象が昭和の時代にはありました。しかし効率化を目指す現在のビジネスシーンでは、無駄に長い会議は歓迎されません。ではどうして、歓迎されないことがわかっていながら、今も会議は無駄に長くなっているのでしょうか。その理由を見ていきます。
会議の時間になっても集まらない
会議の時間になっても対象メンバーが集まらないことがあります。突然の電話対応で最初から出席できない。朝にお願いされた急ぎの資料が完成していないので出席できない。そして、最も困るのがこれです。
「どうせいつもすぐに始まらないから時間に集まらなくてもいい」
このような考え方を持つメンバーが一人でもいると、会議をスムーズに進めることができません。そして、開始時間に始まらない会議ほど、後ろに延びる傾向があり、特別なにも決まっていないのに会議の時間だけが延長されているという、非効率の典型的な場になってしまいます。
会議の終わりが見えない
会議の終了予定時間の30分前、15分前、5分前になっても何も決定していない。
また、決定することのない
- 連絡会議
- 報告会議
- 定例会議
など、これまでやっていたからという理由だけで続いている会議。
このように「会議の目的=決定すること」が曖昧になっている会議は、何時間行っても終わりが見えてきません。結局は、ダラダラと内輪の話をして、作業効率の高い午前中の時間を無駄に消費しているだけということもあります。
必要じゃないメンバーが多い
会議は参加メンバーが多いほど、重要な印象になります。しかし、参加メンバーを見ると、今回の会議に出席する必要のない人がいることもあります。
例えば、15名が参加する2時間の会議に、2名は参加する必要がないのに呼ばれていたとすると
2名 × 2時間 = 4時間
2名の工数4時間を会社は無駄にしていることになります。
もし、この2名に2時間ずつ会議で拘束しない時間を渡していたとすると、明日やるはずの作業が今日中に終わっているかもしれません。終わっていなかったとしても、明日の仕事がスムーズに進むよう、準備が出来た可能性もあります。
決まった人だけが話している
無駄に長い会議には決まって「話し合い」でも「共有」でもなく「演説」をする人が出てきます。1時間、2時間経過しても、話をしている人は2~3人だけということも、よくあるシーンではないでしょうか。
誰もが平等に話す必要はありませんが、特定の人だけが演説のように話し、他の意見を求めることをしないのなら、全く無駄な時間を会議に使っていると言えるでしょう。まわりが静かな場合、意見に対して深く考えているのではなく、演説に飽き飽きしている場合もあります。
資料が多すぎてわからない
ペーパーレスを進めている世の中ですが、今でも会議には紙に印刷された資料が登場してきます。それも、1枚や2枚ではなく、10枚を超える資料や報告書が登場し、見ただけでうんざりすることもあります。
このように会議で多くの資料や報告書を見ながら話を聞き理解することは、会議の参加者にとって大きな負担になります。そしてこの負担は集中力を低下させ、思考を鈍らせ、場を静かにさせるだけで終わってしまいます。
会議は資料を読み合わせする場ではなく、意見を求める場、アイデアを出し合う場であるはずです。実際に過ぎている時間はともかく、無駄に長く感じる会議の典型です。
長い会議を解決する方法
無駄に長い会議を、効率の良い意味のある会議にするために使える解決方法を見ていきます。
時間を厳守する
これは会議だけに言えることではありませんが、社会人として時間厳守は絶対だということを守りましょう。
会議の5分前には集まって準備をする。事前に会議があることをまわりに伝えておく。これだけでも会議のために集まったメンバーすべての時間を無駄にすることを防げます。
もし会議の参加者が10名だったとして、あなた一人が10分遅刻した場合、あなただけの時間が10分無駄になったのではありません。あなたを待っていたメンバー全員の10分(10名×10分=100分)を無駄にしたことになります。社会人なら気をつけて厳守しておきましょう。
必要な人だけを集める
会議には必要な人だけを集めることが大切です。必要でない人は、先ほどの「理由」でもお話しましたが、参加しているだけで時間が無駄になっていきます。
そして、もう一つ大切なことは、必要のないメンバーは自分でも「どうして呼ばれているのかわからない」ことが多いため、会議に参加しても「他人事」として居るだけになってしまいがちです。当然ですが良い意見やアイデアも出てきませんし、そもそも呼ばれている理由がわかりませんから、自ら考えることもありません。
これは会議に必要な人、そうでない人、どちらにとっても無駄なことです。長い会議を解決するためには、話の密度が濃くなる「必要なメンバー」だけを集めるようにしましょう。
進行役を決めておく
最近は「ファシリテーター」と呼ばれる会議の進行役がいます。ファシリテーターは会議の進行に関して全権を持っています。ですからファシリテーターよりも役職が上の人であっても、会議中はファシリテーターの指示に従うことが必要です。
このようなルールがあることで、長い会議に見られる
- 話の脱線
- 演説のように長い話
- テーマと関係のない話題で盛り上がる
無駄で長い会議の原因をストップさせたり、元の話へ引き戻したりすることができます。これだけでも無駄に長い会議を効率化できます。ぜひ会議にはファシリテーターを任命するようにしましょう。
事前に目的を共有しておく
会議は突然起こりません。急なトラブルやクレーム対応なら発生するかもしれませんが、そうでない場合、必ず事前に予定として組み込まれているはずです。
ですから、会議が始まる前に「今日の会議のテーマ(目的)」をメールなどを活用して、参加者に知っておいてもらうようにしましょう。たったこれだけのことでも、真っ白の状態で会議に参加するよりも、目的を共有して参加している方が話もスムーズに進みます。
また、どうしても資料や報告書が多くなる場合も、事前に資料や報告書を見ておいてもらうことで、一つ一つの内容を説明する必要がなくなります。もし1ページの資料を1分で説明するなら、10ページの資料があったとすると10分間は説明時間になるのです。この時間、会議には無駄な時間ですし、スタートから退屈して眠気が襲ってくる人もいることでしょう。
議事録はデジタルにする
会議に付き物の後作業。議事録作成と回覧です。2時間の内容をメモしたノートを見ながら、ワードで文書をポチポチ作って、体裁を整えて、印刷して参加者へ回覧。よくある流れではありませんか?
しかしよく考えてみると、会議が終わってからかなりの時間を議事録作成に使っているはずです。もしかするとその時間、他の仕事ができるかもしれません。
そこで現在のIT技術を使って、議事録は会議に参加しているときリアルタイムに作ってしまうことも可能です。次の章でご紹介しますが「チャットワーク」というツールを使えば、会議の内容をノートパソコンから入力していくだけで、発言の時系列に内容が並んでいきます。
これですと会議が終わってから議事録を作成し、印刷して回覧する必要はありません。会議が終わったと同時に、自分のパソコンやタブレットからすぐに議事録を見て確認することができます。
IT導入で無駄を省きましょう
会議の時間を効率化するためには、
- 会議の前に目的の共有をする
- 必要な人だけ集める
- 議事録をデジタル化してリアルタイムに作成する
このようなことを行うだけでも、状況を変化させることができます。
チャットワーク
日本の会社が提供している「チャットワーク」というツールがあります。このツールは、特定の個人やグループに対してチャットすることができるサービスです。LINEやFacebookが使える方なら誰でも使えるようになっていますから、エンジニアではない方が多い会社でも安心です。
チャットワークは、文字でのやりとり、大きなファイルの共有、画像を共有するということもできますので、事前に資料を見てもらうとか、目的を共有するとか、リアルタイムに会議の内容を書き込んでいくことができるようになっています。
Slack(スラック)
「Slack」はチャットワークに近い、コミュニケーションツールです。Slackは米国の会社が提供しているサービスなのと、かなりマニアックな使い方ができることからエンジニアの方が主体で使っています。チャットワークと同じようなことができますので、IT関係の会社さんや、情報システム部などで活用されるのがおすすめです。
Microsoft Team
Microsoft Teamは、Windowsを手掛けているMicrosoftがリリースしているコミュニケーションツールです。Microsoft Teamを導入すれば遠隔的なコミュニケーションが可能になり、必ずしも同じ場所にいなくても会議を開くことができます。
ファイルの共有や共同作業も可能なため、もしかしたら通常の会議より効率化を促せるかもしれません。
Googleドキュメント
Googleドキュメントは、検索エンジンでおなじみのGoogleが提供している文書作成アプリです。クラウド上で動作するため、インターネットに繋がればどこからでも文書の作成や編集が可能なのが特徴です。
無料で利用することができる上に、有料アプリと比較しても遜色のない機能が揃っています。共同編集やチャット機能も搭載されているため、適切に活用すれば情報共有の効率化に寄与してくれるでしょう。
Type.md
Type.mdは、Googleドライブ上でマークダウンを管理するための拡張サービスです。マークダウンとは文書記法の一つであり、簡易的な記述で見栄えのよいレイアウトを作成できるのが特徴です。
議事録をマークダウンで作成するメリットとしては、下記のようなものが考えられます。
- 汎用性の高さ
- 利便性の高さ
マークダウンは汎用性が高い記述方式なので、どのような環境から閲覧しても一定のレイアウトを保持できます。また、記述が簡易的なため管理編集が容易であることなども挙げられるでしょう。
ITを導入するメリット
続いて、ITを業務に導入するメリットを解説します。ITを導入し活用することで、下記のような利点が生じるでしょう。
業務効率の向上
ITを導入することで、業務効率の向上が見込めます。システムやツールを導入する意義の一つに「既存業務の自動化」が挙げられますが、従来人の手で行っていた作業を自動化することにより時短が見込めます。
他にも、下記のような恩恵により業務効率の向上が期待できます。
- ツールによるシステマチックな判断を元にした販売戦略構築
- ナレッジやノウハウの蓄積・共有
- チームコミュニケーションの効率化
ITをどのように活用するかは会社や部署次第です。効果を最大化するためにも、自社ならではの使い方を模索することが大事です。
情報の一元管理・共有
ITツールやシステムを駆使することで、情報の一元管理および共有が可能です。専用のツールやシステムを使わない場合、ファイル(情報)の受け渡しにメールや共有ストレージを使うケースも多いのではないでしょうか。
それはそれで利点もありますが、「同じファイル(情報)がいくつも複製されかねない」という問題を抱えます。極端に言うと、共有者の数だけ(内容が微妙にカスタマイズされた)ファイルが存在することになるため、必要な情報がどこに記載されているかがわかりづらくなる恐れがあります。
ITシステムにより情報を一元管理できれば、その限りではありません。必要な情報は常にシステム内のデータベースやファイルに記載されているため、困った時はそこを見れば解決します。
利便性や柔軟性の向上
ITを適切に活用すれば、業務における利便性や柔軟性の向上に繋がります。遠く離れた人同士でもコミュニケーションが可能なチャットやテレビ電話、情報やデータを蓄積し共有知を高めるグループウェアや社内FAQなどが該当するでしょう。
利便性や柔軟性が向上すれば、その分業務効率化や成果が期待できます。また、従来では考えつかなかったような斬新なアイデアが生まれるかもしれません。
まとめ
無駄に長いと感じてしまう会議も、うまく進行できると効果的であることは間違いありません。如何にして時間通りスタートし、時間内で終わるのか。目的を見定め集中した時間をメンバーがともに過ごすことで、これまで以上に効率化された会議で良い成果を出すことができるでしょう。
今回の理由と解決策を参考にし、ITを活用して会議をより良いものに進化させてください。