会社の利益向上の為に必要な施策とは?業務効率化とシステム活用との関係
利益率を向上させることができれば、事業は大きく飛躍します。しかし、利益率向上のための具体的施策に悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、業務効率化と利益率の関係や利益率向上のための具体的施策を事例を含めてご紹介します。
業務効率化と利益率の関係
業務効率化と利益率の間には、一体どのような関係性があるのでしょうか。まずは、その辺りについて見ていきましょう。
一般的に業務が効率化されればされるほど利益率は向上する
一般論としては、業務が効率化されればされるほど利益率が向上するという関係になっています。考えてみれば当たり前の話であり、
業務が効率化される
↓
同じ業務量を行うのに必要なリソースが減る
↓
コストが削減される
↓
利益率が向上する
という流れが成り立つことになります。利益率というのは売上に対する利益の割合である以上、同じ売上を上げている場合でもコストの増減によって変化します。
コストがかさめばかさむほど利益率は下がることになり、コストを削減できればできるほど利益率は向上します。
利益率を向上させるには総合的な判断が重要
ここまでの流れで、「じゃあコストを可能な限り下げればいいのか」とお思いの人もいるかもしれません。それは一部正解なのですが、コストを削減するにあたっては、慎重かつ冷静に、総合的な判断を下す必要があります。
何故ならば、コストと利益率の間に綿密な関係があるのと同様、コストと売上の間にも親密な関係性があるからです。
そもそも、コストというのは何故存在するのでしょうか。それはもちろん、売上を上げて企業が行う営業活動を成り立たせるためです。
である以上、一般論としてコストを削減することは売上低下を招くリスクが存在します。コストを下げて利益率を向上させるためには、どういったコストをどのように削減するか、という点が非常に重要になるわけです。
利益率向上の鍵は「管理」と「効率化」
そこで利益率向上のためにおすすめしたいのが、業務の「管理」と「効率化」です。「管理」と「効率化」に関しては、各企業懸命に取り組んでいることとは思いますが、「どのように管理するか」「どのように効率化するか」という点をしっかりと考える必要があります。
中には、管理とは名ばかりに実質監視、あるいは放置されているケースもあるでしょう。それは論外としても、「管理」という言葉をしっかりと定義する必要があります。
「効率化」に関しても同様であり、「何のために(どのように)業務を効率化するのか」という本質的な問いが重要になります。この辺りが曖昧なままだと言葉が独り歩きしてしまい、本来の目的から逸れて取り組みが形骸化してしまう恐れもあるでしょう。
利益率改善のための具体的施策
では、利益率を改善するためには具体的に何をすればよいのでしょうか。いくつかの例を挙げつつ、解説したいと思います。
業務を見える化する
利益率改善のために取り組みたい1つ目の施策は、「業務の見える化」です。業務の見える化とは、社内にある全ての業務やワークフローを洗い出し、それぞれに価値をつけていくことです。
各業務の価値と言うと、「どの仕事も平等にやらなければならないものである」という思いを抱く人もいるかもしれません。しかし、実際問題売上の大半を上げているのは一部の業務であることが多く、中にはやってもやらなくても大勢に違いはないものもあるのではないでしょうか。
業務の優先度を明確にすれば、価値の高い仕事により多くのリソースを割くことができます。そうすれば、自ずと利益率の改善に繋がるでしょう。
ワークフローを適正化する
ワークフローを適正化することも、利益率改善のためには必須と言える施策です。業務というのはある程度一連の流れ(ワークフロー)に沿って行われているものですが、その流れが正しいかどうかをしっかりと判断する必要があります。
ワークフローの中に無駄な業務が含まれている場合、利益率向上の妨げになってしまいます。業務効率を上げるためにまず取り組みたいのは、「無駄を省く」ことです。
とはいえ、ワークフローに含まれているどの業務がどのような無駄を生んでいるのか、は一朝一夕に分かることではありません。現場の意見にしっかりと耳を傾けつつ、ここでも総合的な判断を行うことが重要です。
業務システムを導入する
最後にお伝えしたいのは、適宜業務システムを導入するという点です。現代はテクノロジーやインターネットの発展に伴い、非常に多くの業務をシステムに代替させることが可能となりました。
業務をシステムに代替させるメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。
- 人が行うより正確かつ迅速に業務を行える
- 利便性が高く、情報共有しやすい
- 業務の属人化を防げる
活用の仕方にもよりますが、基本的にはシステムを活用した方が圧倒的に業務効率が向上します。もし同業他社がシステムを活用しているのに自社が導入していない場合、大きな差をつけられてしまう恐れがあります。
システム活用により利益率を向上させた事例
では、最後にシステムを活用して利益率を向上させた事例をご紹介します。
ITを活用し、紙のデータを電子データに:中川株式会社
中川株式会社は、祭り用品の企画や製作・販売を行っている会社です。同社は2000年頃にはインターネット通販を行っていましたが、競合他社の参入などで業績が悪化したためITを活用した社内体制の構築に着手しました。
結果、あつらえ品の受発注を全てWEBで行うことのできるシステムを構築したり、紙の伝票や見積書を電子データ化し、業務効率の向上に成功しました。
管理会計システムを導入し、業績を向上:芝園開発株式会社
芝園開発株式会社は、時間貸駐車場の管理運営を行っている会社です。同社では、道路交通法改正や同業他社の増加などの影響から業績が悪化しているという問題を抱えていました。
そこから逃れるべく、一度失敗している管理会計システムの再導入に踏み切ることに。結果的に赤字から脱却することができ、業績も徐々に回復していきました。
AIを活用し、現場業務を効率化:株式会社ジャックス
株式会社ジャックスは、ショッピングクレジットやローンサービスなどを手掛けている会社です。同社ではオペレーターが顧客対応する際に紙のマニュアルを使っており、利便性の面で大きな弊害が発生していました。
そこでAIシステムを導入したところ、新人オペレーターの研修期間を30%短縮することができました。
まとめ
利益率向上のためには、業務の見える化を行い、価値のあるものにしっかりとリソースを割かなければなりません。また、同じ業務を行う際にも効率化を図り、より少ないリソースやコストでこなせるようになる必要もあるでしょう。
その際に強い味方となってくれるのが、ITシステムです。自社と関係性の高いシステムについてしっかりと学び、正しい導入かつ具体的な施策を目指しましょう。