働き方改革に重要なのは意識改革。その理由と効率的な進め方
「働き方改革」という言葉が叫ばれるようになり久しいですが、その進め方に困難を覚えている会社も多いのではないでしょうか。働き方改革の表面だけを切り取れば「残業の抑制」や「業務効率化」辺りが浮かび上がりますが、問題はそれをどのように達成するかです。
この記事では、働き方改革をスムーズに進めるために重要な意識改革について解説します。
意識改革から始める働き方改革
働き方改革を進める方法は数多く存在しますが、その前段階として意識改革から始めるというケースも多いでしょう。まずは、働き方改革と意識改革の関係について解説します。
働き方改革をスムーズに進めるには、社員の意識改革が重要
基本的に、働き方改革をスムーズに進めるためには、社員の意識改革が重要になります。意識改革が正しく行われた後に働き方改革を行うのと、意識改革が甘いまま働き方改革に着手するのでは、その後の結果に大きな差が生じるでしょう。
どうせ着手するのであれば、より効果が大きい方を選択するのが賢いやり方です。間違ったやり方で物事を進めてしまうと結果が出ないのはもちろん、関係者に徒労感を与えてしまう恐れがあります。
そもそも意識改革とは？
そもそも、意識改革というのは一体どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。昔から頻繁に囁かれるワードではありますが、今一度意味を確認してみましょう。
意識改革とは、価値観を変化させること
意識改革を一言で言うなら、「価値観を変化させること」です。ビジネスに限らず、世の中の常識というのは時代によって移り変わっていくため、堅実に生きていくためには世の中の流れに合わせて意識をアップデートしていかなければなりません。
意識のアップデートが滞ってしまうと、いつまで経っても過去の成功体験や社会構造に支配され、物事を正しく見極めるのが難しくなってしまうでしょう。そうなると仕事の上でも大きな支障をきたしてしまうことになるため、個人も組織も定期的に意識改革を行うことが重要です。
簡単ではないが、実行する価値はある
意識改革の重要性は上述の通りですが、実際に行うのは口で言うほど簡単ではありません。意識改革を行うためには今まで自分達が培ってきた価値観ややり方を否定しなければならないケースも多いため、感情的に抵抗を感じる人も多いでしょう。
また、変化させた先の価値観が時代に正しく適合しているという保証もありません。誤った価値観にアップデートしてしまうと、「やらない方がましだった」という結果に繋がる恐れもあるため、どのような意識のアップデートを行うのかはしっかりと熟慮すべきです。
しかし、及び腰になる必要はありません。現代は技術や価値観のアップデートが非常に早い時代なため、いつまでも同じ価値観で居続けることは明確なマイナスとなるでしょう。
変化しないよりは変化に挑戦した方が好ましく、仮に失敗したとしてもそれを未来に活かすことが可能です。
意識改革を行うメリット
では、次に意識改革を行うメリットについて解説します。意識改革を正しく行うことで、下記のような利点があります。
働き方改革の重要性が周知され、外側でなく本質に目が向く
意識改革が成功すれば、働き方改革の本質を周知することができ、各人がその重要性に気づくことになります。それにより、会社が行おうとしている施策の大事さを理解してもらえるため、働き方改革がスムーズに進むことが期待できます。
同じ働き方改革のための施策でも、メンバーがその本質を理解しているか否かでは実行速度や結果に大きな差が生まれます。これは、働き方改革に限らずあらゆる施策において言えることではないでしょうか。
さまざまな面で応用がきく
意識改革が成功し、正しい価値観の下で働き方改革を進めることができれば、さまざまな面で応用がきくでしょう。何故応用がきくかというと、表面ではなく本質的な部分を理解しているからです。
たとえば、「残業時間の削減」という目標を掲げたとします。表面のみをなぞるのであれば、「抱えている仕事を無理やり業務時間内に終わらせる」という方向に進むかもしれません。
しかし、本質を理解していれば、「業務量そのものを減らす」ことにも目が向くのではないでしょうか。そうなると、現場からそのために必要なアイデアも出てくることが期待できます。
自立型の社員が育つ
意識改革が成功すれば、自立型社員の育成にも役立ちます。自立型社員というのは、管理者がいちいち細かい指示を出さなくても、本質的な目的に向かって正しい行動ができる社員のことです。
当然ながら、自立型社員が多ければ多いほど社内は活性化します。目標に向かって多方面からアプローチするアイデアも出てくるでしょうし、チャレンジ精神を持ってさまざまなことに挑戦し、それが結果に繋がるケースも発生するでしょう。
管理者の指示の通りに動いてくれる社員も重要ですが、現代は非常にスピーディーに物事が進行するため、常に細やかな指示を出せるとは限りません。そんな時、本質を理解して自立的に正しい方向に向かってくれる社員がいれば心強いでしょう。
意識改革を有効に進めるには？
では、最後に意識改革を有効に進めるための方法について解説します。意識改革に着手する時は、下記のような点を念頭に置いて行いましょう。
何のために働き方改革を行うのか？を明確にする
最も重要なのは、「何のために働き方改革を行うのか？」という点を明確にすることです。基本的に働き方改革はさまざまな求めに応じて進めるものかとは思いますが、それでも自社ならではの理由がほしいところです。
「外部からの求めに応じて行う」という動機も重要なのですが、その場合は動機が人任せになってしまう面があります。それだと、意識改革の必要性や働き方改革の重要性が十分に伝わりづらい可能性もあるため、「何故働き方改革が必要なのか？」という点に、本質的な回答を用意しておきたいところです。
コミュニケーションの機会を増やす
意識改革を行うためには、コミュニケーションの頻度を増やすのも効果的です。意識改革は基本的に上から下へと行われていくものになるため、上下間のコミュニケーションが不足していると、新しい価値観が浸透しません。
また、人間は一度言われただけでは脳の認識力が薄く、特に本質的な価値観に関わることは何度も繰り返さないと染み込まないという特徴もあります。コミュニケーションの機会を増やし、同じことを別方面から説明することで、少しずつ意識改革を進めることができるでしょう。
システムを導入する
最後に挙げられるのは、システムの導入です。システムを導入すれば自ずとワークフローの変更が求められるため、現場によっては大きな意識改革のきっかけになります。
システムというと業務を効率化するものという印象が強く、もちろんそれも正しいのですが、「仕事の進め方を変化させる」という意味合いをもつケースも多いです。システムをどのようにワークフローに組み込みどのように活かすか、という部分を現場が考えることで、働き方改革や意識改革の第一歩になるのではないでしょうか。
まとめ
働き方改革を浸透させるためには、意識改革が重要になります。自社の価値観をしっかりとアップデートし、時代の流れに適応しましょう。