なぜITシステムの導入に失敗してしまうのか?理由やIT活用におけるポイントを解説

システム開発

業務のデジタル化を考えている企業も多いのではないでしょうか。業務のデジタル化に成功すれば、「生産性の向上」や「従業員の負荷軽減」といった恩恵が得られます。

しかし、場合によってはITの導入に失敗してしまうケースもあります。この記事では、なぜ失敗してしまうのか、なぜITによる成果が上がらないのかといった背景から、それを防ぐための方法までを解説します。

ITシステムの導入についてしっかりと学び、失敗を回避しましょう。

ITシステム導入に失敗してしまう理由

ITシステム導入に失敗してしまう理由

なぜ、ITシステムの導入に失敗してしまうケースがあるのでしょうか。まずは、その理由を探っていきましょう。

当事者意識の欠如

ITシステム導入に失敗してしまう理由として、トップや担当者の当事者意識の欠如が挙げられます。当事者意識が薄いとベンダーやコンサルタントに勧められるがままにシステムを選んでしまうケースもあるでしょう。

それでは自社と相性のよいシステムの導入が難しくなり、「導入したはいいものの成果が出なかった」という結果に繋がりかねません。ITシステムを検討する際にはしっかりと当事者意識を持ち、自社にとってプラスとなるものを選択することが大事です。

ITシステムに対する理解の浅さ

ITシステムに対する理解が浅い場合も、システム導入に失敗してしまいます。ITに関する知識は非常に専門的なため、ゼロから全てを理解するのは難しいでしょう。

しかし、ベーシックとなるもの、たとえば「業務システムにはどのようなものがあるか」「ITセキュリティとはどのような概念か」といったものをある程度学ぶことで、大きな失敗を避けられます。専門家に匹敵するほどの知識を得るのは厳しいですが、見当違いなミスを犯してしまわないレベルの知識は得ておきましょう。

ITシステム単体を注視し、全体を俯瞰できていない

ITシステムを活用し成果を上げるためには、システム単体ではなくワークフローや社内業務全体を俯瞰することが大事です。システムによってまかなえるのはあくまで業務の一部なため、ワークフロー全てをITに置きかえることはできません。

そのため、「どの業務をどのようにITに置きかえるか」といった視点が重要になります。全体を俯瞰し適切な箇所にITシステムを配置することで、業務効率の最適化が図れるでしょう。

ITを導入したものの、成果が上がらない原因

では、次にITを導入したものの成果が上がらない原因を探っていきたいと思います。なぜ、導入したにも関わらず結果が出ないのでしょうか。

現場での運用が上手くいっていない

一つ目の理由として、「現場での運用が上手くいっていない」が挙げられます。システムは導入して終わりというものではなく、現場で使われ成果が出なければ導入した意味がありません。

現場での活用がうまくいかないのはさまざまな理由があるでしょう。たとえば

  • 操作や理解が難しく、活用に多大なコストがかかると判断されている
  • メリットが周知されていないため、従来の方法が用いられている

などが考えられます。

この場合、現場で上手く運用されていない理由を探り、適切な対策を施す必要があるでしょう。

システム選定に不備がある

自社と相性のよくないシステムを選んでしまうと、活用に難が生じます。そもそも、システムを導入する大きな理由は「自社の抱えている課題を解決するため」です。

システム選びを間違えてしまうと、抱えている課題の解決には繋がりません。そうなると一体何のためにシステムを導入したのかが分からなくなってしまい、使われずに埃を被ってしまう恐れもあるでしょう。

ワークフローと噛み合っていない

システムは正しく選べたものの、ワークフローとうまく噛み合っていない場合は成果が出づらくなってしまいます。ワークフローとうまく噛み合っていないとは、一体どのような状況でしょうか。

一例としては

  • チャットシステムを導入したが、リアルタイムではなく周回遅れのコミュニケーションが行われている
  • 売上分析ツールを導入したが、過去の分析にのみ活用され未来に向けられた戦略やアイデアが出てこない

などが挙げられるでしょう。もちろん、ワークフローとしっかり噛み合っているのであれば上記のような使い方でも問題はありません。

しかし、本来の目的とは異なる使い方がなされ、出るべき結果が出てないのであれば改善が必要です。一度ワークフロー全体を俯瞰し、どのような活用がベストかを模索し直しましょう。

ITを活用して生産性を上げるにはどうすればいい?

ITを活用して生産性を上げるにはどうすればいい?

それでは、最後にITを活用し生産性を上げるためのポイントについて解説します。生産性を上げるためには、自社業務とシステムにうまく噛み合ってもらう必要があります。

事前に自社がITに求めるものを明確化する

ITシステムを導入する主目的は、「自社が抱えている課題を解決する」です。そのため、システムを選ぶ前に自社がどのような課題を抱えているかを分析し明確化しておく必要があります。

そこが曖昧なままシステムを選定し導入してしまうと、「納品されたはいいけどあまり使われず埃を被ってしまった」「一応使ってはいるけど従来と大きく生産性が変わらなかった」ということにもなりかねません。しっかりと自社の課題を分析し、「どのようなシステムを導入すれば解決できるか」を明確にしておきましょう。

開発会社やベンダーと密なコミュニケーションを行う

システムに求める要件がある程度定まったら、次はそれを満たすシステムを選ぶフェーズです。気になったシステムが見つかった場合、もしくはゼロから開発することが決まった場合はベンダーや開発会社に連絡を取ることになります。

どちらの方法にせよ、ベンダーや開発会社とは密なコミュニケーションを行いましょう。システムは一度開発および納品したら変更がききづらいので、後から「こんなはずじゃなかった」とならないよう、必要事項をしっかりと確認しておくことが大事です。

コミュニケーションをしっかりと取ることで、システムに対する理解を深めるきっかけにもなるでしょう。また、先方は多くのシステム納品経験を持っていることも多いため、自社が置かれた状況でどのようにシステムを活用するか、などの知見も得られるかもしれません。

プロに相談する

ITに関する知識は専門的なものが多いため、自社のみでベストなシステムを選ぶのは難しいかもしれません。そのような問題を解決するためにも、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。

ITシステムのプロはシステムコンサルタントと呼ばれており、企業の課題をヒアリングし、適切なITソリューションを立案してくれる職種です。自社のみで最適な判断ができるのであれば問題はないのですが、後から軌道修正が難しくかつ多大なコストがかかるITシステム導入においては、詳しい第三者の目線も頼りになるのではないでしょうか。

まとめ

ITの導入に失敗してしまう理由としては、「当事者意識の欠如」や「ITに対する理解の浅さ」などが挙げられます。これらを解決するにはシステムへの理解を深めたり、プロに相談するなどの対策が考えられます。

自社にとってベストなITシステムを導入し、生産性の向上を目指しましょう。