従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与するワーケーションとは?メリットとデメリットを解説

業務効率化

「ワーケーション」という言葉をご存知でしょうか?昨今囁かれ始めた言葉ですが、「ワーケーションって何?」「どういった効果があるの?」といった疑問を持っている人も多いかもしれません。

この記事では、ワーケーションについてメリットおよびデメリットを交えて解説します。ワーケーションを取り入れることで、心身の健康や仕事のパフォーマンス、および生産性に良い影響を及ぼすことが期待できます。

ワーケーションとは?

ワーケーションとは?

ワーケーションとは、一体どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。まずは、ワーケーションが示すところについて解説します。

ワークとバケーションを組み合わせた言葉

ワーケーションとは、「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」を合わせた言葉です。ワークは「働く」という意味であり、バケーションは「休暇」という意味ですね。

「働く」と「休暇」は一見相反する言葉のようにも見えますが、ワーケーションが意味するところは「休みながら働く」。もう少し言うと「リゾートを楽しみながら働く」といったものになります。

テレワークの必要性が叫ばれている昨今ですが、働く場所に依存しないワークスタイルであれば、基本的にはリゾートを楽しみつつ、必要に応じて仕事をするといったことも可能になるでしょう。

ワーケーションとリモートワークの違い

ワーケーションとリモートワークはよく似た言葉ですが、微妙に意味が異なります。ワーケーションとリモートワークの違いとして挙げられるのは、「働く場所」です。

通常のリモートワークであれば働く場所は自宅、もしくはカフェやコワーキングスペースがメインになるでしょう。この辺りは会社の規定によってさまざまですが、場合によっては働く場所を限定されることもあります。

一方、ワーケーションの場合はリゾート地などがメインです。「休みながら(リフレッシュしながら)働く」という目的に沿うためには保養地などが適しており、そこから仕事を行うのが本意となるでしょう。

既に取り組んでいる起業もある

既にワーケーションに取り組んでいる企業もいくつかあります。航空企業であるJALや営業・マーケティングを専門とするセールスフォースなどが挙げられますので、気になる場合はチェックしてみてはいかがでしょうか。

仕事+休暇=「ワーケーション」、JALが実証事業報告会を実施

白浜のサテライトオフィスでワーケーションを取り入れたセールスフォースでは、生産性が20%向上したという報告もあります。社員のリフレッシュの一環として取り入れられるワーケーションですが、生産性も向上するとなると無視できないのではないでしょうか。

ワーケーションのメリットとデメリット

それでは、次にワーケーションのメリットとデメリットについて解説します。メリットの多いワーケーションですが、導入を考える際にはしっかりと特性を把握することが大切です。

ワーケーションを導入するメリット

ワーケーションを導入するメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

  • モチベーションの向上
  • リフレッシュ効果
  • ワークスタイルの柔軟性

いつもと違った場所で仕事をすれば新鮮な刺激を得られることになり、社員のモチベーション向上効果が見込めます。また、本来は休養やレジャーのために赴くようなリゾート地で仕事を行うことによるリフレッシュ効果や生産性の向上も無視できません。

そして、ワーケーションによるワークスタイルの柔軟性を確保することで、社員の自立や人手不足解消も見込めるでしょう。

ワーケーションのデメリット

対して、ワーケーションのデメリットとして、下記のような点が挙げられます。

  • セキュリティリスク
  • 労働管理の複雑化

通常のリモートワークと同様、ワーケーションでも通信網を使って仕事を行うため、機密情報漏洩の恐れがあります。特にワーケーションの場合はリゾート地などで仕事を行うため、端末を不意に無料Wifiなどに繋いでしまう危険性も考えられるでしょう。

また、遊びと仕事の境目が曖昧になるため、労働時間や勤務体制の管理が難しくなるのも難点です。特にワーケーションを行える社員とそうでない社員の間に溝が生まれ、予期せぬトラブルに発展する可能性もないとは言い切れません。

導入や運用には総合的な判断が必要

ワーケーションを導入や運用する場合、総合的な判断が必要になります。メリットとデメリットは前述の通りですが、それらを自社の体制に当てはめ、メリットの方が大きいようであれば積極的に取り入れてもよいかもしれません。

もちろん、実際の運用にはルールの策定が必要不可欠です。社員間で不公平が生まれないよう、また仕事自体が滞らないよううまく回していく必要があるでしょう。

もちろん、最初から上手くいくとは限りません。この辺りは通常のリモートワークにも言えることですが、最初は小さく試してみて、うまくいきそうであれば大掛かりなプロジェクトに移行する形をおすすめします。

ワーケーション導入により期待される効果

ワーケーション導入により期待される効果

最後に、ワーケーション導入により期待される効果について解説します。ワーケーションを適切に活用することで、下記のような効用が得られるのではないでしょうか。

パフォーマンスの向上

一つ目は、仕事のパフォーマンス向上です。ワーケーションを行うことで対象者はリフレッシュしながら仕事に臨むため通常では得られない新鮮な刺激を受けながら業務を遂行することができ、結果的にパフォーマンスや生産性の向上が期待できます。

とはいえ、必ずしもパフォーマンスの向上が見込めるとは限りません。ケースによっては遊びに精を出しすぎて業務がおろそかになってしまったり、普段と異なる環境に適応できず逆にパフォーマンスが下がってしまう例も考えられるでしょう。

ワーケーションの効果を十分に発揮するためには、総合的な見地から環境を整える必要があります。

ストレスの低減

二つ目の利点としては、ストレスの低減が挙げられます。ワーケーションによりリゾート地でバカンスがてら仕事を行うことでリフレッシュ効果が得られ、結果として仕事のストレスを低下させることが期待できるでしょう。

適度なストレスであれば脳や身体を活性化させる面もありますが、過度なストレスは有害でしかありません。なかなか長期的な休みがとれずリフレッシュが難しい場合、ワーケーションという手段を通して休息してもらうことも可能です。

新しいアイデアが生まれる可能性

最後に挙げられるのは、普段と異なる環境に身をおくことで、新しいアイデアが生まれる可能性です。ワーケーションを行うことで通い慣れたオフィスやその周辺を離れることになりますので、目に飛び込んでくるもの全てから新鮮な刺激を受けることができるでしょう。

アイデアというのは考えていれば勝手にひらめくものではなく、インプットの質や量が重要です。場所を変え環境を変えることでおのずとインプットの質や量が変化し、普段では思いつかないような思考ができるかもしれません。

まとめ

ワーケーションとは、「Work」と「Vacation」を組み合わせた言葉です。端的に言うと、「リゾート地で休養しながら(遊びながら)仕事をする」といった取り組みのことです。

既に導入している企業もあり、その効果も報告されています。適切なワーケーションの仕組みを導入し、業務の生産性向上を目指しましょう。