営業職の業務はペーパーレス化でより効率的な営業活動に。成功事例から学ぶ多くのメリット

業務効率化

「ペーパーレス」という言葉をご存知でしょうか。業務のペーパーレス化を行えば、企業としてメリットがあるだけではなく、環境負荷の低減にも繋がります。

この記事では、ペーパーレスについて、そして営業業務をペーパーレス化するメリットを事例を交えてご紹介します。ペーパーレスについて理解を深め、管理手法の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

ペーパーレスとは?

ペーパーレスとは?

「ペーパーレス」とは、一体どのようなことを意味する言葉なのでしょうか。まずは、ペーパーレスの基礎について解説します。

ペーパーレス=業務から紙の書類を取り除くこと

ペーパーレスという言葉が一般的に指すのは、「業務から紙の書類を取り除くこと」です。従来はもちろん、現在においても業務で紙の書類を使う機会は多く、その度にプリントアウトしたり手で記載したり、物理的に保管したりする必要性に迫られます。

ペーパーレス化により紙の書類を削減すれば、そういったコストから解放されることになるでしょう。それによる業務の効率化や情報共有の容易さにも繋がるため、ペーパーレス化による恩恵は大きいと言えます。

ペーパーレス化するためにはシステム活用やタブレットなどが有効

では、業務をペーパーレス化するにあたっては、何が必要なのでしょうか。当然ながら、紙の書類を削減するためそれに代わるデバイスや手法が必要になります。

一般的には、基幹的なシステムやタブレット、スマホなどのデバイスが該当するでしょう。紙の書類ではなく、必要な情報を社内のシステムに保管することで、物理スペースの節約に繋がり、モバイルデバイスを活用すればそれらを必要な時に瞬時に取得することが可能です。

ペーパーレス化はある種時代の要請的な部分もある

昨今、ペーパーレス化が叫ばれている背景には、時代の要請的な部分もあります。資源の節約はもちろんですが、働き方改革に由来する労働多様性の担保や人手不足に由来する業務効率化なども理由として考えられるでしょう。

もちろん、適切なペーパーレス化を行うことで、企業にとってもメリットは多いです。しかし、場合によってはCSRのためなどの理由による間接的な目的が設けられているケースもあるのではないでしょうか。

企業にとって、ブランドイメージは事業利益を左右する重要な要素です。

営業業務をペーパーレス化するメリット

では、次に営業業務をペーパーレス化するメリットについて解説します。営業業務をペーパーレス化すれば、下記のような利点があるでしょう。

コスト削減が見込める

営業業務をペーパーレス化すれば、コスト削減が見込めます。上述した通り、ペーパーレスを推進すればするほど紙を使う必要がなくなってきますので、その分紙代や印刷代にかかるコストを減らすことができるでしょう。

それだけではなく、ペーパーレス化による業務効率化を達成した場合、人的コストの削減にも繋がります。この辺りは「ペーパーレス化」をどのように定義し行うかにもよりますが、やり方次第では大きなコスト減が見込めるケースもあるでしょう。

書類の保管が容易

営業業務をペーパーレス化することで、書類の保管が容易になります。紙の書類を保管するためには物理的なスペースが必要になりますが、デジタルデータであればその心配はいりません。

容量が許す限りローカルストレージに保存することができますし、なんならクラウドストレージに保存すれば機器を自社で管理する必要もありません。紙の書類一枚一枚はそれほどサイズも大きくありませんが、積み重なることで膨大な体積になるでしょう。

会社によっては、そのために専用の保管室を設けているようなところもあるのではないでしょうか。

柔軟な管理ができる

営業業務をペーパーレス化することで、書類の柔軟な管理が可能です。デジタルデータ化された書類は保管が容易なだけではなく、たとえば条件を付けて検索したり、必要な箇所のみを修正・変更することも可能です。

また、必要以上の情報閲覧を防ぐためにアクセス制限をかけたり、変更前と変更後の書類を両方履歴付きで残しておくこともできるでしょう。ペーパーレス化は純粋な書類の管理というだけではなく、情報そのものを適切に管理するための手法とも言えます。

ペーパーレス化を促進するためには専用システムを導入するケースも多いですが、中には情報のデジタル化だけではなく、ナレッジの蓄積を促す機能が搭載されているものもあります。そのようなシステムを導入した場合、各従業員や現場から業務に関するナレッジが集まり、会社全体として情報資産を蓄えることができるでしょう。

瞬時に必要なデータを参照でき、効果的な営業ができる

営業業務をペーパーレス化することで、出先からでも瞬時に必要なデータを参照できるため、効果的な営業活動を行えます。一般的に、デジタル化された書類は社内のサーバーやクラウドサーバーに保管されることになりますので、インターネット環境さえあればどこからでも閲覧可能です。

また、書類や資料だけではなく、リアルタイム性の高い分析データなども参照できるでしょう。どこまでを取引先に開示するかという問題はありますが、データは具体的であればあるほど、そしてリアルタイム性(正確性)が高ければ高いほどプレゼンにも説得力が生まれるのではないでしょうか。

ペーパーレス化の事例

ペーパーレス化の事例

それでは、最後にペーパーレス化の事例をいくつかご紹介します。一口にペーパーレス化と言っても、どの言葉が意味するものは会社によって異なります。「自社はペーパーレス化に何を求めているか」を明確にし、適切な手法を模索しましょう。

会議の配布資料をゼロ化:JA全農とちぎ

JA全農とちぎは、日本の農業を支援するJAグループの一部です。こちらでは2007年から経営会議におけるペーパーレス化を始め、独自システムとITの活用により煩雑になりがちな配布資料ゼロを達成しました。

ISO14001を取得しているということもあり、環境負荷低減のためのペーパーレス化という背景もあったようです。

タブレットPCとICTでペーパーレス化:山岸製作所

山岸製作所は、高級家具やインテリアを扱っている会社です。同社では、タブレットPCを全員に支給し、かつICTによるコミュニケーションを促進することで事業のペーパーレス化を図っています。

その結果として印刷コストの減少、資料紛失の防止などを達成しました。

まとめ

営業業務をペーパーレス化すれば、「コストの削減」「情報管理の柔軟性向上」「営業活動の効率化」などのメリットがあります。また、紙の書類をデジタル化することで環境負荷の低減にも繋がり、CSRの向上も見込めるでしょう。

ペーパーレス化を促進することで企業としてもメリットがありますが、「環境に配慮する企業である」ということもアピールできます。無理に業務をペーパーレス化する必要はありませんが、情報管理手法の一つとして検討してみてもよいかもしれません。

適切なペーパーレス化を行うためには、自社のニーズを見極め、正しいプロセスで行うことが大事です。ペーパーレス化について理解を深め、業務効率化を達成しましょう。