ビジネスチャットの課題とは?効果的な解決策を把握しツールを上手く使いこなそう

業務効率化

ビジネスチャットを導入することで、コミュニケーションのスピードが上がり、さまざまな面で業務効率の向上が見込めます。しかし、導入における課題がゼロというわけではありません。

この記事では、ビジネスチャット導入後の課題および解決方法について事例をまじえながら解説します。自社の業務特性に沿ったビジネスチャットの使い方を模索することで、生産性の向上が見込めるでしょう。

ビジネスチャット導入後の課題とは?

ビジネスチャット導入後の課題とは?

ビジネスチャットを導入することでスムーズなコミュニケーションが可能となる一方、下記のような課題も生じます。ツールを導入する前に学んでおきましょう。

コミュニケーションの質が変化する

ビジネスチャットを導入することで、良くも悪くもコミュニケーションの質が変化します。良い方向に変化するのであれば問題はないのですが、当然悪い方向に変化する恐れもあります。

悪い方向への変化としては、下記のようなケースが挙げられます。

  • 文字のみでやり取りすることにより、コミュニケーションがドライになってしまった
  • 感情が見えないため、不要なトラブルが頻発するようになった
  • ログが残るため、言いたいことが言えず不満を抱えるようになった

ビジネスチャットに限らず、何かしらのツールを導入するのはビジネスをポジティブな方向へ変化させるためです。しかし、上手く使いこなさないと逆の結果が生じてしまうことも少なくありません。

オンタイム・オフタイムの概念が弱まり、超過労働に繋がる

ビジネスチャットの課題として、オンタイムオフタイムの概念が弱まり、超過労働の温床になりえる点も挙げられるでしょう。従来のオフィススタイルであれば誰が何をしてるかはある程度見れば分かりましたが、ビジネスチャット上で仕事を行う場合はそうもいきません。

メンバーの誰かが重い業務を抱え超過労働を行っていても、その実態は隠れてしまいます。チャットで頻繁にコミュニケーションを行うことで防げる面もありますが、それでもリアルのコミュニケーションほどではありません。

ツールを使いこなせず、業務が停滞する

ビジネスチャットにおけるもう一つの課題としては、ツールを使いこなすことができず業務が停滞してしまう可能性が挙げられます。ビジネスチャットツールと一口に言ってもさまざまなものがあり、Aというツールが得意な人もいればBというツールが得意な人もいるでしょう。

しかし、チームで使うツールは統一しなければなりません。全員がうまくツールに馴染んでくれればよいのですが、誰かがツールの活用に問題を抱えてしまうと、チーム全体の生産性が阻害される可能性が生じます。

ビジネスチャットの課題を解決するためのポイント

では、それらの課題をどのように解決すればよいのでしょうか。次に、ビジネスチャットにおける課題を解決するためのポイントについて解説します。

チャットツールのメリットをしっかりと啓蒙する

まず、ビジネスチャットツールを導入するメリットについて、事前にしっかりと啓蒙しておくことが大事です。ツールを活用するのは現場ですが、上意下達でいきなりツールを導入して「活用しろ」と言われても、逆に混乱を招いてしまうでしょう。

そうではなく、導入前にツールを導入する目的やメリットをチーム内に浸透させておくことをおすすめします。可能であれば軽くシミュレーションなどを行うことにより、スムーズに本稼働へと移行できるのではないでしょうか。

業務時間はしっかりと区切り、オフタイムにはツールの使用を止める

次に挙げられるのは、業務時間をしっかりと区切り、業務時間が終わり次第ツールの使用を終了するという点です。前述の通り、業務時間終了後もツールを稼働させていると何かしらの依頼が入ったりスケジュールが進行したりして、業務が続いてしまう可能性があります。

そうなると超過労働の危険性が高まることにもなるため、業務時間を区切りオフタイムにはツールの稼働を終了しましょう。一見すると強硬なやり方に見えるかもしれませんが、超過労働や残業を減らすにはある程度物理的なシャットアウトも必要です。

可能な限り使いやすく浸透しやすいツールを選ぶ

最後に挙げられるのは、可能な限り使いやすく浸透しやすいツールを選ぶという点です。当たり前かもしれませんが、メンバーが使いこなせないような複雑なツールを導入しても浸透はしませんし、業務効率向上効果も見込めません。

では、どのようなツールが「使いやすい」と言えるのでしょうか。その辺りは現場によって異なるところも大きいですが、一般的には「機能が過不足なく搭載されているもの」でしょう。

使いもしない機能が多いとスムーズな利用を妨げますし、逆に少なすぎると必要な機能が備わっていない可能性もあります。自社にとってどういった機能が必要で不要なのか、といった点をしっかりと見極め、ベストなツールを模索しましょう。

また、文章のみのコミュニケーションではやり取りがドライになりがちなので、ツールに付帯している絵文字や記号を活用するのもおすすめです。同じ言葉でも記号や絵文字があるのとないのでは意味を取り違えてしまう可能性があるため、チャットだからこそ丁寧なコミュニケーションを心がけるのが吉でしょう。

ビジネスチャットを活用した事例

ビジネスチャットを活用した事例

それでは、最後にビジネスチャットを活用して現場の効率を向上させた事例をいくつかご紹介します。ビジネスチャットに限らず万人にとってベストなツールはありませんが、本筋を抑えつつ真似できそうな部分は積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

意思決定の迅速化による業務効率向上:東洋アルミニウム株式会社

東洋アルミニウム株式会社は、世界トップクラスのシェアをほこるアルミニウム製品メーカーです。同社では、工場での時間外労働や膨大な量のメール処理、長時間に渡る会議といった問題を抱えていました。

そこでビジネスチャットを導入しコミュニケーションをオンラインに移行。また、会議の際の資料は事前にアップロードしておくなどのルールを設けました。

その結果として、意思決定が迅速化したことによる業務時間の削減、および会議時間の大幅な短縮といった成果を得られました。

一月あたり大幅な業務時間の削減:株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントは、インターネット広告事業やゲーム事業を手がけている国内大手企業です。同社では顧客とのやり取りにメールを利用していたのですが、コミュニケーションのスピードが遅く効率が悪くなるという問題を抱えていました。

そこでビジネスチャットを導入し、業務プロセスを可能な限りチャット上へ移行しました。その結果、一月あたり二万時間以上の業務効率化に成功し、生産性の向上に繋がりました。

コミュニケーションがスムーズになり業務効率化:富士電機株式会社

富士電機株式会社は、国内の大手電気機器メーカーです。同社では、従来業務における電話やメールにかかるコストやシャドーIT(社員や部門が会社の把握していないITツールを使うこと)のリスクといった問題などを抱えていました。

それらを解決するためにビジネスチャットを導入したところ、コミュニケーション効率の向上に成功。同時に利便性とセキュリティの両立も達成し、リスクを削減しつつ生産性の向上に寄与しています。

まとめ

昨今増えていきているコミュニケーションにおけるビジネスチャットの利用ですが、利便性が向上する反面いくつかの課題も生じます。それぞれの課題について自社の業務特性と照らし合わせつつ的確な解決方法を模索し、ビジネスチャット導入による生産性の向上を目指しましょう。