営業における生産性とは?生産性を上げれば仕事が「楽」になる

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営業における生産性を上げるためには、一体どのような方法が有効なのでしょうか。生産性の高い営業を行うことができれば、かかるコストやリソースに対して大きな結果を得ることができます。

この記事では、営業における生産性の意味や、生産性向上のための方法をご紹介します。効率のよい営業活動を行い、業務の最適化を図りましょう。

営業における生産性とは?

営業における生産性とは?

営業における「生産性」とは、一体どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。まずはその辺りを見ていきたいと思います。

生産性とは、仕事における能率を表す言葉

一般的に、「生産性」とは仕事における能率を表す言葉です。生産性の求め方は具体的に定められており、アウトプット(産出量)をインプット(投入量)で割れば求めることができます。

生産性が高ければ高いほど投資効率が良いということになり、逆に低ければ投資効率が悪いという話になるでしょう。ビジネスや仕事というのは、かけたリソースに対してどの程度のリターンが得られるのかが肝となりますので、生産性で語られる部分も多いわけです。

営業における生産性とは、かけた労力に対するリターンの大小

営業における生産性も同様に、「かけた営業リソースに対して得られたリターン」と言うことができるでしょう。かけた営業リソースとは、たとえば営業マンの数や顧客先への訪問回数などが挙げられます。

当たり前の話になるかもしれませんが、たとえ同じ売上高だとしても、営業マンの数が少なければ利益に繋がりやすくなります。また、少ない訪問回数や接触回数で成約に繋がれば「割のいい」営業活動を行ったという話にもなるでしょう。

生産性の高い営業を行うことができれば、仕事が「楽」になる

生産性の高い営業活動を行うことができれば、仕事が楽になったり財務体質が強化されるというわけです。売上額に変化がない場合、かけたリソースが少なければ少ないほど生産性が高いということになり、「優秀な(強い)営業部門」を抱えているということにもなります。

ですが注意したいのは、「生産性というのはあくまでも目先の数字でしかない」という点です。極端な話をすれば、営業マンの数を減らしたり訪問回数を減らせば営業生産性の向上に繋がりやすくなります。

しかし、考えなしにリソースを減らすことが必ずしも良い結果を生むとは限りません。短期的に見れば成果や成約に繋がるかもしれませんが、手を抜いた営業活動をすればするほど顧客が離れてしまう可能性も考えられます。

営業生産性を考える際には、目先の数字だけでなく長期的な戦略も見据えながら捉えることが大切です。

営業生産性を向上させるための秘訣

では、次に営業生産性を向上させるための秘訣について見ていきましょう。営業生産性を上げるためには、一体どのような施策を行えばよいのでしょうか。

業務の重要性や得られた結果を分析する

生産性を向上させるためには、業務の重要性を判断することが重要です。業務の重要性とは、たとえば「A社には直接対面が有効だが、B社には間接的かつきめ細やかなフォローが有効」というようなものです。

この場合、A社に間接的なフォローを行ったり、B社に直接訪問をしてもあまり良い結果は得られないでしょう。各顧客に適切なアプローチを行ったり、商品の好ましいマーケティング法を考えるのが一般的に重要度の高い業務になります。

それをどのように判別すればよいかというと、原則的には結果から分析するしかありません。そのためには短期的なデータだけでなく、月や年単位の長期的なデータが必要になるケースも多いでしょう。

すなわち、営業生産性を向上させるためには、まず各業務のデータを集めることが重要になります。

重要性や効率の高い業務に集中する

そして各業務の重要度を図ることができたら、重要性の高いものや効率のよいものにリソースを集中させましょう。そうすれば自ずと営業生産性の向上が見込め、自社にとって大きなメリットを得られます。

重要度の高い業務を判別することができれば、あとはそれほど難しいことはありません。しかし、「その業務は本当に重要性が高いのか?」という視点は常に持っておく必要があるでしょう。

前段階での業務の仕分けが誤っている可能性もあります。その場合は集約したリソースが無駄になる可能性もあるため、結果には常に目を光らせておき、必要に応じて調整することが大事です。

営業生産性向上までの4ステップ

営業生産性向上までの4ステップ

では、最後に具体的な営業生産性向上のためのプロセスについて解説します。大まかな流れは前述の通りですが、もう少し詳しく見ていきましょう。

1.各業務にかかる時間を計測

生産性を上げるためには、まず各業務にかかる時間を測定します。営業の業務としては「顧客への訪問」「提案書の作成」「日報の記載」などが挙げられますが、それぞれの業務にかかった時間を正しく計測しましょう。

自分で時計を見ながら計ってもよいのですが、パソコンやスマホのツールを使うのもおすすめです。ツールを使えば計った時間を自動で記録してくれるため、その平均値を出したり、チーム全体の目標を作る目安にもなります。

2.その業務がどの程度KPIに貢献したかを検証する

次に、その業務がどの程度KPIに貢献したかを検証しましょう。KPIとは「Key Performance Indicator」の略であり、日本語だと「重要業績評価指標」という意味になります。

業務にかかる時間や個人の勘だけで重要度を判断してしまうと、その業務が結果に繋がっているかどうかが曖昧になってしまいます。そこで、KPIという明確な指標を用い、業務の重要性を客観的に判断するというわけです。

3.結果を参考に、どの仕事に集中すべきかを判断する

1と2で得られた結果を参考に、業務の重要度を測定しましょう。単純な測定方法としては、「一時間(一日)辺りのKPIへの貢献度」の計算などが挙げられます。

全ての業務に対して時間辺りのKPI貢献率を割り出せば、数字が大きいものイコール重要度の高い業務になります。ただ、このやり方は極端に簡略化した形になるため、場合によっては状況に応じて臨機応変に判断する必要があるかもしれません。

4.1〜3を繰り返す

業務の重要度が測定できたら、後は1〜3の工程を繰り返すだけです。前述の通り、割り出したものが必ずしも正しいとは限りませんので、実際の業務を通して何度も測定・分析を行うことが大事です。

生産性向上のための取り組みは一度やれば終わりというものではなく、永続的に行う必要があります。時代や状況によって有効な手法は変化しますし、時にはイノベーティブなやり方が生まれることもあるでしょう。

短期的施策ではなく、長い目で見て改善を繰り返すことが求められます。しかし、短気で成果を出さなければならない時もあるため、両者のバランスが重要です。

まとめ

営業生産性を向上させることができれば、少ないリソースで大きな結果を得られるため、仕事が楽になることが期待できます。仕事が楽になれば、空いた時間をインプットやリフレッシュに充てることもできるでしょう。

そのためには、自分が行っている業務の重要度を測定することが大事です。重要度の高い業務を優先して行えば、生産性は自ずと向上します。

少ないリソースで効果の高い営業を行い、顧客満足度や社内評価の向上を目指しましょう。