マークダウンって何?どのように書けばいい?その概念や基本的な記法について解説

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マークダウン記法を学ぶことで、見やすく伝わりやすい文書を簡単に作成することができます。この記事では、「マークダウンとは何か」や「マークダウンのメリット」、そして具体的な記法をいくつかご紹介します。

マークダウンとは何か

マークダウンとは何か

「マークダウン」とは、一体何を指す言葉なのでしょうか。まずは、マークダウンの基本的な概念について解説します。

マークダウンは記法ルールの一種

マークダウンは、文書作成する際の記法ルールの一種です。決まった書式に基づいて文書を作成することで、汎用性の高いレイアウトを構築できるのが特徴です。

文書作成ツールとしてはMicrosoftWordなどが一般的ですが、Wordとマークダウンではさまざまな部分が異なります。たとえば、Wordの場合は適用した効果をすぐに目で見てプレビューすることができますが、マークダウンの場合はプレビューできないこともあるため、完成レイアウトを想定して記載する必要があります(エディタによってはリアルタイムプレビューが可能)。

プレーンテキスト形式で作成可能

マークダウンは、プレーンテキスト形式に近い形で作成することができます。一般的なテキスト形式で作成可能なため、比較的環境要因(プラットフォームやエディタなど)に左右されず文書を作成できます。

また、ファイルベースで文書の管理を行うことになるため、編集や共有が容易なのもメリットです。作成した文書は一般的に決まった場所に保存しバックアップを取る必要がありますが、ファイルベースの場合は目で見て存在を確認できるので分かりやすい取り扱いができます。

また、Gitなどのバージョン管理システムを利用することで編集ログなどを確認できるため、複数人での共同作業にも対応できます。

見出しや強調など見やすいドキュメントを作成できる

マークダウンでは、記法に基づいて該当箇所に見出しや強調などを指定することができるため、見やすいドキュメントを作成できます。文書はただ書けばよいというものではなく、読み手に何かを伝えるために作成されるのが一般的です。

見出しや強調といったレイアウトを活用することで、読んだ人にすんなり内容を理解してもらえる文書を作ることができるでしょう。マークダウンでは、それらのレイアウトを簡単な記法で実現することができます。

マークダウンのメリット

では次に、マークダウンのメリットをいくつかご紹介します。

汎用性が高い

マークダウンのメリットとして、汎用性の高さが挙げられます。原則的にマークダウンはプレーンテキスト形式で作成できるため、作成する端末やプラットフォーム、エディタを選びません。

極端な話、OSに付属している標準のテキストエディタで記載することも可能です。また、レイアウトをOSに依存していないため、どのような環境で見てもある程度均一な表示を行うことができるでしょう。

すなわち、不特定多数に見てもらう文書を作成するのに適しているわけです。PCに加えスマホやタブレットといったデバイスが主流になっている昨今、データやファイルは多様なプラットフォームに対応することが求められています。

エディタの種類が豊富

マークダウンは標準テキストエディタで記載することもできますが、専用のエディタを活用すればより便利に書くことができます。マークダウンが作成できるエディタにはマークダウン専用のものもあれば、幅広い言語に対応しているものもあります。

どれを選ぶかは、自身や状況のニーズに合わせて決めればよいでしょう。たとえば、「手早く作成したい」のであれば入力を補完してくれるエディタを、「完成レイアウトを見ながら作業したい」のであれば、リアルタイムプレビューが搭載しているエディタを使うのが無難です。

もちろん、今現在使っているお気に入りのエディタがあればそれを流用しても構いません。どのような環境でも作成できるのがマークダウンの強みです。

拡張サービスやソフトを使えばHTMLに変換できる

マークダウンとして作成された文書は、HTMLに変換することもできます。HTMLは一般的なWebサイト製作で使われている言語であり、テキストにタグを付加して多種多様なレイアウトを実現することが可能です。

マークダウンをHTMLに変換するには、通常のエディタではなく専用のサービスやソフトを使うことになります。少々専門的な知識が必要になりますが、「どうしてもマークダウンをHTMLに変換したい」というニーズがある場合はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

マークダウンの書き方

マークダウンの書き方

では、最後にマークダウンの書き方の一例をご紹介します。ここで紹介するものが全てではありませんが、感覚を掴んで頂ければ幸いです。

見出し

マークダウンで見出しを記載するには、「#(シャープ)」を使います。具体的な記法としては、下記のような形です。

# 見出し1
## 見出し2
### 見出し3
本文
### 別の見出し3
本文
## 別の見出し2
### 見出し3
本文

このように記載することで文書が階層的になり、見やすく伝えやすいものになります。#の数を増やすほど下層の見出しを作れるため、比較的自由なレイアウトを作成できるのも特徴です。

見出しのない文書は視覚的に難が生じ、結果として内容が頭に入りづらくなってしまいます。適切な見出しを用い、読み手の負担を軽減しましょう。

強調

マークダウンでは、強調表示も可能です。やりかたは、「**(アスタリスク2つ)」で強調したい箇所を囲む形です。

一例として、下記のようなサンプルが挙げられます。

ビジネスにおいて重要なのは、何をおいても**経営判断**である。トップの経営判断が正しければ事業は拡大し、誤っていれば売上低下に繋がる。

「経営判断」の部分が強調表示され、読み手に印象づけることができます。

強調表示の注意点としては、「闇雲に使いすぎない」「正しい位置に使う」などが挙げられるでしょう。分かりやすいからといってまんべんなく使用すると結果どこを強調したいのかが不明確になってしまいますし、誤った場所を強調したら文書の本質的な意味が伝わりにくくなってしまいます。

その他

マークダウンでは、他にもさまざまなレイアウトを活用することができます。その一例を下記にまとめましたので、ご参考下さい。

  • 空行を挟むことで段落を分ける
  • 半角スペース2つで改行
  • 「*(アスタリスク1つ)」で囲めば斜体表示
  • 「***(アスタリスク3つ)」で囲めば強調&斜体表示
  • [文字列](URL)で文字列にリンクを付加
  • ![代替テキスト](画像URL)で画像の表示

マークダウンを極めれば、グラフィカルなレイアウトを持つ文書を作成することもできます。自分が作成したい文書はどのようなレイアウトを求められるか、を明確にすることでどこまで学習すればよいかが判別できるでしょう。

マークダウンを書くならエディタを使おう

マークダウンを効率的に作成したいなら、エディタがおすすめです。エディタを活用することで、下記のような利点が得られるでしょう。

豊富な記述サポート機能

エディタを導入すれば、豊富な記述サポート機能が得られます。エディタによって搭載されている機能は異なりますが、一例として下記のようなものが挙げられます。

  • タグの挿入機能
  • 予測変換機能
  • 色分け機能

マークダウンはタグを入力することによりレイアウトの指定を行いますが、全てのタグを手打ちするのは大変ですしミスも生じやすくなります。エディタがタグの挿入をある程度補完してくれれば、文書作成に意識を集中できるでしょう。

また、文書の予測変換機能が搭載されていれば、スピーディーにドキュメントを作成できます。そして、付けられているタグによってテキストが色分けされれば、階層構造や記述が見やすくなります。

完成レイアウトがリアルタイムで表示される

エディタの中には、マークダウンで書いた文書の完成レイアウトをリアルタイムで表示してくれるものもあります。マークダウンはタグによりレイアウト指定を行うフォーマットですが、そのままだと別途表示用のソフトを起動してレイアウトを確認する必要があります。

作成と閲覧とでソフトが分かれてしまうと、慣れてない内はとっつきづらいでしょう。エディタを導入することでそれらが統合され、文書作成が効率化されます。

クラウドサービスを使えば共有・共同編集なども可能

クラウドで運用されているエディタサービスを使えば、複数人での共有や共同作業も容易に可能です。ソフトもファイルも基本的にオンラインストレージに保存されるため、ローカルストレージを圧迫しないのもメリットです。

クラウドサービスは、インターネットが使えればどこからでも、どのような環境からでもアクセスできるのが特徴です。テレワークのような、複数のメンバーが各々異なる環境で仕事をしている際に特に有用でしょう。

遠く離れていても異なる環境間でも、情報を瞬時に共有したり、同じファイルをリアルタイムで共同編集することができます。

エディタはどうやって選べばいい?

エディタはどうやって選べばいい?

導入することでメリットの多いエディタですが、ではどのように選べばよいのでしょうか。次に、エディタの選び方について解説します。

マルチデバイスで利用可能かどうか

エディタを選ぶ際は、マルチデバイスで利用可能かどうかを確認しましょう。自分一人が固定された環境で使うのであれば問題はないのですが、複数人でさまざまな環境から利用したい場合はなるべく広範に対応しているものが望ましいです。

クラウドで運用されているエディタであれば、多種多様な環境からアクセスされることが最初から想定されているためおすすめです。自宅や会社からはPCで、出先ではスマホを通してアクセスできれば、スキマ時間を利用して効率的にドキュメントの作成が可能です。

なるべく動作が軽いものを選ぼう

いくら高機能でも、動作が重い場合は利用に支障をきたしてしまいます。エディタを選ぶ際は機能や使い勝手だけでなく、動作の軽さも合わせて重視しましょう。

高機能&重いソフトをハイスペックな端末で利用する選択肢もありますが、複数人で利用したい場合は注意が必要です。その場合は全員がハイスペック環境を整えることが求められ、導入のハードルが上がってしまうからです。

動作の軽いエディタであれば、誰もが気軽に利用できます。起動するのが億劫になるソフトを利用し続けると、長期的に生産性が低下してしまう恐れもあるかもしれません。

まとめ

マークダウンは文書作成における記法の一種であり、汎用性の高さや学習の容易さに定評があります。テキスト形式かつファイルベースで管理することになるため、複数人での作業に向いているのも特徴です。

下記のようなサービスを活用しGoogleドライブと連携すれば、さらに利便性が向上するでしょう。

参考サイト:Type.md

マークダウンについて学び、見やすく伝わりやすい文書作成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。