ワークフローシステムの導入が内部統制強化に繋がる。導入前に知っておきたいことは
内部統制を強化することで、より効率的なワークフローを構築することができるでしょう。しかし、「内部統制を強化するために何故システムが必要なのか?」といった点に疑問を持っている担当者も多いかもしれません。
この記事では、内部統制を強化するためのワークフローシステムについて。そしてそのメリットや導入の際のポイントなどを事例を交えつつご紹介します。
ワークフローシステムについてしっかりと学び、内部統制の強化を目指しましょう。
内部統制を強化するためのワークフローシステムを導入するメリット
内部統制を強化するために必要ななのが、ワークフローシステムです。まずは、ワークフローのためのシステムを導入するメリットについて見ていきましょう。
一連の処理が見える化され、改善に繋がる
ワークフローシステムを導入すると、業務の一連の流れが見える化され、ワークフローの改善に繋がります。ワークフローの改善は生産性向上のための重要な手法ですが、これらを全て手作業で行おうとすると膨大な手間がかかるでしょう。
ワークフローのためのシステムを活用することで、「内部統制の何が問題か」を素早く把握することができます。迅速に課題を発見できれば、改善のための時間や労力を大きく取ることが可能です。
コスト削減が期待できる
業務全体のコスト削減が見込めるのも、ワークフローシステムを導入するメリットです。システムを導入することでワークフロー全体の管理を効率化できるのはもちろん、ワークフローを眺めることで改善ポイントが集約され、より少ない労力で大きな成果を上げる方法が見つかるかもしれません。
それは、いずれも「コスト減」という形で収支に跳ね返ってきます。より少ないコストで変わらない成果、もしくは今までより大きな成果を上げられるとなると、純粋に費用対効果が向上します。
業務処理のスピード感が上がる
ワークフローシステムを活用することで、業務処理のスピード感が向上します。業務タスクにはそれぞれ「重要度」や「緊急度」といったものが存在し、基本的にはそれに応じてワークフローが構築されています。
それはそれで大きな問題はないのですが、たとえば既存のワークフローに突発的に新たなタスクが入ってきた際はどうでしょうか。新たなタスクをどこに位置づけるかをまず考えなければなりませんし、それに応じて他の仕事の割り振り等を検討し直さないといけなくなるかもしれません。
システムを活用し、あらかじめワークフローを見える化しておけば、「新しいタスクをどこに組み込むべきか」といった問題を瞬時に判断できるようになります。それにより、業務のスピード感が上がり、生産性や効率性の向上が期待できるでしょう。
ワークフローシステムを導入する際に気をつけるべきポイント
それでは、次にワークフローシステムを導入する際に気をつけるべきポイントについて解説します。システムを検討する際には、下記のような点を念頭において判断しましょう。
各製品の特徴をしっかりと学ぶ
各製品の特徴をしっかりと学ぶことで、「どの製品を選ぶべきか」といった判断材料になります。業務システムは非常に多岐に渡る種類が、そして各ジャンル内にも非常に多くの製品が開発リリースされています。
その中からベストなものを選ぶのは並大抵のことではありませんが、不要なものを導入してもコストを捨てるだけです。導入する前に各製品の特徴や搭載機能をしっかりと見極めることで、導入後のパフォーマンスにも大きな影響を与えられるでしょう、
自社に合ったものを見極める
各製品の特徴を知っただけでは十分ではありません。そこから自社業務の特性とすり合わせ、「自社に合ったシステムを見極める」視点が必要です。
基本的かつ一般的な業務特性であれば、同じく基本的かつ一般的な機能や特性を持つシステムが適合するかもしれません。逆に、特殊な作業や手法を必要とする業務なのであれば、慎重にシステムの特性を見極める必要があります。
いずれにせよ、自社に合ったものを導入しなければシステムの効果は半減されてしまします。場合によっては、「導入したはいいが使い物にならなかった」といったケースも考えられるため、可能な限り適切な判断を行いましょう。
事前に導入シミュレーションを行う
事前に導入シミュレーションを行うことで、本稼働の際に起こる問題点などをある程度洗い出すことができます。シミュレーションを行わないままシステムを導入した場合、現場に混乱を招くことになり、逆にワークフローに悪影響を与えてしまう恐れもあるでしょう。
また、事前シミュレーションを本格的に行えば、前述した自社とシステムの相性を見極めることも可能です。相性の悪いシステムの場合、「使いづらい」「馴染まない」といった不満が現場から上がってくる可能性が想定されます。
それらの声を受けて、導入方法やシステムの選定を検討し直すといった視野も生まれるでしょう。実際に本格運用が始まってから問題点が噴出する場合は改善が難しいかもしれませんが、想定される課題をあらかじめ潰した後の本稼働であれば柔軟な運用が可能です。
導入事例
それでは、最後にワークフローシステムの導入事例をご紹介します。
ワークフローを電子化し、決済を迅速化:東京地下鉄株式会社
東京地下鉄株式会社は、日々首都圏の交通を担っている鉄道会社です。同社では長期間に渡り文書の電子化に取り組んでいましたが、各部署が独自ルールを採用している等の問題からなかなか進まないという問題を抱えていました。
しかし紙文書からの脱却はスピード感や効率性の観点から必要不可欠と判断した同社は、決済ワークフローシステムの導入に踏み切りました。結果、業務のスピード感向上に繋がり、現場からも「決済が早くなった」という声が上がりました。
ワークフローシステムを導入し、業務の効率化:藤久株式会社
藤久株式会社は、服飾品や生活雑貨などの販売を手掛けている会社です。同社では、事務作業の効率化という観点から紙の書類にまつわるワークフローをデジタル化できないか?という課題を抱えていました。
そこで複数のシステムインテグレーターに提案を依頼し、Webワークフローシステムを導入。既に導入していたグループウェアなどのシステムと連携を行い、結果稟議書や申請書の作成にかかる時間と手間を大きく削減することに成功しました。
業務のデジタル化によるミスの削減&スピードアップ:日本特殊陶業株式会社
日本特殊陶業株式会社は、スパークプラグやセラミックスなどの製品を製造している会社です。同社では、手当などの申請処理を紙やExcelで行っていましたが、内容の不備などによる効率性の悪さを鑑み、デジタル化の必要性を感じていました。
そこでノーコードで開発を行えるものを選定し、自分達で業務システムの開発に着手しました。結果、申請ミスの30%削減やスピードの向上といった成果を上げ、同時に自分達で開発したことによるメンテナンス性の高さも合わせて確立しました。
まとめ
内部統制を強化するために有効なのは、ワークフローシステムの導入です。ワークフローシステムと一口にいってもさまざまな種類や製品、導入方法がありますので、自社業務との兼ね合いを考えて最適なものを選ぶことが大事です。
自社に合ったシステムを選び、内部統制の強化を目指しましょう。