営業支援システム(SFA)とは?必要な理由と導入後メリットを紹介!
良い商品やサービスを提供している。マーケティングも考え実行している。業務改善を行い無駄は出来るだけ省いている。そして企業が健全に活動するための財産である「顧客管理」にも力を入れている。
でも、思ったように売上が伸びない。毎月の売上目標、獲得目標が達成できない。
このような悩みを持っておられるのなら、今回ご紹介する営業支援システム(SFA)の導入を検討するタイミングかもしれません。
企業活動の決め手となるセールスにおけるクロージングをスムーズに、そして安定して行うために、あなたの会社に必要ないか考えながら読み進めてください。
営業支援システム(SFA)とは?
営業支援システム(Sales Force Automation)、略して「SFA」と呼ばれるものをご存じでしょうか?
名前くらいは聞いたことがある。そんな方もいらっしゃるかと思います。しかし、営業支援システムというと「お客様を管理することではないの」とイメージしてしまう方もいらっしゃるようです。
そこでまずは、営業支援システムに似た印象を持たれることもある顧客管理システムとの違いから説明していきます。
営業支援システムと顧客管理システムの違い
営業支援システムとは、営業というブラックボックス化(属人化)しやすい部分を、科学的に分析し情報共有できるようにするシステムのことを指します。言い換えると、営業が経験や勘で持っているブラックスボックスを「見える化」する役割でもあります。
このようにご説明しますと、顧客管理システムと非常に似た印象を持たれる方もいらっしゃいます。確かに二つは似た印象を持ちやすいのですが、実は次のように役割(得意分野)が分かれています。
営業支援システム(SFA)の役割とは
- 顧客情報+案件情報+商談情報を管理する
- 売上などの見える化したレポートがある
- 営業担当者のタスクを共有できる
- 営業担当者のToDoを共有できる
- 見積もりや請求書を作成できる
- 営業日報の作成や管理も可能
営業担当者が個別に机の引き出しに入れていそうな情報ばかりです。
顧客管理システム(CRM)の役割とは
- 顧客情報+案件情報を管理する
- 既存顧客へのアプローチが行える
- 見込み顧客へのアプローチが行える
- 顧客満足度調査を実施できる
- 顧客満足度をアップさせるイベントやセミナー管理も可能
こうやって、それぞれの役割を見ていくとはっきりわかることがあります。
SFAはセールスによって売上(利益も)を最大化するためのシステム。
CRMは顧客の満足度をアップするためのシステム。
似ていますが違いがあります。でも、ここで注意することがあります。近年、SFAとCRMの境界が非常に曖昧になってきています。そのためSFAにCRMが取り込まれたシステム。反対にSFAを包括したCRMシステムも登場しています。
SFAを扱う国内ベンダーを知ろう
国内ベンダーで扱っている営業支援システム(SFA)を見ておきましょう。
SFAは(CRMもそうですが)海外ベンダーのものが多い傾向にあります。日本語対応しているので使う分には問題ありませんが、問い合わせやサポートのスムーズさを考えると、システムは海外のものでも国内ベンダーの方が安心できます。
セールスフォース・ドットコム
世界No1とも言われている、SFAやCRMシステムを提供しています。
最近ではIT関係のイベントなどでも講演されているため、名前くらいはご存じの方も多いでしょう。
Microsoft
オフィス分野では圧倒的に強いマイクロソフトが提供するSFA「Microsoft Dynamics 365」。ネームバリューからも安心感があります。
富士ゼロックス
「SkyDesk」と呼ばれる、CRMにSFAの機能が包括されているシステムです。主に中小企業様向けになっています。
マツリカ
「Senses」と呼ばれるSFAシステムです。直感的に営業担当者の進捗が把握できるのがウリとなっています。
こういった営業支援システムがあります。今の時代、どれもクラウド上で動作するようになっています。ですから会社に戻らないと営業担当やリーダーが使えないということはありません。
タブレットとネットにつながる環境があれば、外出先からでも出張先からでも簡単に、その日の進捗を共有することができます。
営業支援システム(SFA)が営業の現場で必要な理由
売上や利益を最大化することが目的のSFA。どうしてこのようなシステムが営業の現場で「今」必要とされているのでしょうか。その理由を見ておきましょう。
ビジネスの最前線で戦う営業情報の共有
営業には先ほども少し出てきましたが、3つの管理が欠かせません。
- 顧客の管理
- 案件の管理
- 商談の管理
この3つ、これまでの日本の企業文化では、営業担当者の「経験」「勘」がすべてでした。そのため「○○さんなら成約できる」というシーンも出てきます。
しかし、この方法をこれからも続けるのかというと、そんなことをしていては世の中の変化に対応できないため、売上の取りこぼしがおこりかねません。
経験や勘を分析し、誰もが共有して使え、「○○さん」でなくても成約できるのが企業としての理想です。そこでこのような成果を出すためには、営業担当者の活動を記録し、効率化を進めながら、成約しやすいタイミングを誰もが掴めるようにする必要があります。
また、営業担当者の中でも、優秀な成績を残す担当者の活動を分析することで、最近入った担当者でもベストなタイミングや切り口が見えてきます。
先ほどの情報共有と同時に役立つ情報の蓄積は、未来の新入社員や転職者の力を最大限生かすことのできる、あなたの会社オリジナルの辞書を作り上げることになります。
営業活動の簡略化と見える化の実現
今でも営業活動の報告をエクセルやワードに入力し、A4用紙に印刷して上長やリーダーへ提出。その後、承認の判子が押されて無事終了。
こんな流れの会社もあると思います。でも、この方法、営業担当者にとっては面倒です。だから細かく書かなくなります。そうすると属人化してしまい、まわりから何をどうやっているのか見えてこないようになります。
このようなことは営業活動にとってプラスにはなりません。そこで営業支援システムを導入することで、毎日決まった入力画面から簡単に入力することができるようになります。印刷の手間や提出の面倒がありません。
手間がなくなると活動を詳細に入力することにも意識が向かいますから、営業活動の見える化が実現できます。
営業支援システム(SFA)の導入方法と注意点
導入すると便利なSFA。しかし導入方法を間違えると、残念な結果になることもあります。あなたの会社でも、同じような失敗が起こらないように、次の2つのポイントを覚えておいてください。
導入には使い勝手と機能スケールが重要
SFAは従来の営業活動報告や連絡よりも簡単で便利になっています。しかし、人は新しいものが好きではありません。変化することは好きではないのです。
少しでも会社を良くするためを考えて、最初から大きな規模のSFAを導入すると、
- 使い勝手が良くない
- できることが多すぎて良さがわからない
このようなマイナスの評価をされてしまうことがあります。
SFAを導入するときには、限られた機能だけを使うことから始めましょう。少しずつ機能を増やしていくことが、最終的には大きな機能まで使いこなせる導入方法です。
使う人に嫌われないための注意点とは
SFAを導入すると、ほとんどの営業担当者は嫌がります。新しいことを覚えるのが面倒。間違えて怒られるのも面倒。新しいことへの変化は誰もが好きではありません。
ですから、SFAの導入を考えたときには、導入を促進する部署や担当者、リーダーではなく、現場で働く営業担当者が嫌わないようにすることが大切です。
- 画面はわかりやすいか
- 間違えることは少なそうか
- 使う画面は決まっているか
とにかく「面倒だな」と感じられてはいけません。
営業支援システム(SFA)導入後のメリットとは
SFAを導入することで、どのようなメリットが生まれるのかを見ておきましょう。最初にゴールが見えていると、スタートもしやすいです。また営業担当へ伝えやすくなります。
営業の商談や活動が把握できる
上長、マネージャー、リーダーの方にとって最大のメリットは、個々の営業担当者が行っている活動を把握できることでしょう。
どのように商談を進めているのか。どのようなタイミングでアプローチしているのかが見えてくると、成績が今一つ伸び悩んでいる担当者をフォローすることができます。
現場で活動する営業担当者のメリットは、どこにいても報告できること。過去の報告を簡単に見返せること。自分以外の担当者の活動を分析し、自分の営業活動に生かせることでしょう。
顧客ニーズの把握から成約率アップを目指せる
営業情報の共有化によって、顧客ニーズの分析が行えるようになります。自社に興味を持ってくださる顧客には、共通するニーズがあるのか、共通する未来像があるのかなどがわかってきます。
また、このような顧客心理ともいうべき、ベテランでないと見抜けないポイントが見える化すると、営業チーム全体の成約率アップを目指すことも可能です。
まとめ
消費活動の多様化によって、BtoBでもBtoCでも営業の成約率を高めるためには、情報の共有、蓄積、分析が必須の時代になっています。
今後、ビッグデータを使ったAIによる分析などが一般化すると、経験や勘だけでは勝てない時代がやってくるかもしれません。そうなる前に、あなたの会社でもSFAを小さく導入し、経験や勘を見える化した情報を蓄積することからはじめてみてはいかがでしょうか。
GoogleやFacebook、Amazonの成長を見ればわかりますが、情報を蓄積することでセールスの新たな切り口を発見し、従来では考えられないような売上を実現しています。
まったく同じことはできないかもしれませんが、新しい営業方法や顧客への提案などが見つかることで、これまでとは違った売上を獲得できることでしょう。