営業支援によって売上は上がる?営業支援に必要なことと効率化に成功した事例
営業支援にリソースを割いている会社も多いのではないかと思いますが、営業支援は売上や利益に繋がってこそ初めて意味をなすものです。しかし、「営業業務の良し悪しは分かるけど、営業支援の成否はどう判断すべき?」といった疑問を抱いている担当者もいるのではないでしょうか。
この記事では、まず理想的な営業支援について、それからどのように営業支援を改善していくべきかについて解説します。最後に、営業支援を行って業務効率を向上させた事例も掲載していますので、自社に活用できる部分があれば積極的に検討してみましょう。
理想的な営業支援とは?
理想的な営業支援とは、一体どのようなものなのでしょうか。まずは、営業支援について紐解いていきましょう。
売上に直結する
理想的な営業支援として挙げられるのは、とにかく「売上に直結する」ことです。いくら外形的に理想的な業務を行っていても売上や利益といった数字に直結しないのであれば行う意味が乏しく、リソースを無駄遣いしてしまう恐れもあるでしょう。
今現在行っている営業支援業務が数字に直結しているかどうかの判断は難しいところですが、なるべく厳密に管理する必要があります。そのためには業務を細分化し、どの仕事がどのような影響を与えているかといった測定が重要になるでしょう。
少ないリソースで大きな成果が得られる
二つ目に挙げられるのは、少ないリソースで大きな成果が得られることです。言い換えると「費用対効果が高い」という話になるのですが、業務の費用対効果を上げることは生産性の向上にダイレクトに繋がります。
少ないリソースで大きな成果を得るのは口で言うほど簡単ではありませんし、各社とも躍起になって目指していることでしょう。それだけに、理想的な営業支援のポイントとして重視したい項目です。
営業コアタイムを創出できる
営業支援を行う上で気をつけたいのは、「営業のコアタイムを削らない」ことです。営業のコアタイムとは、たとえば顧客と直接会っている時間や電話をしている時間など、契約や売上に直結する時間のことです。
営業支援のためにこれらを削ってしまうと、契約件数や売上の減少といった本末転倒な結果を生む恐れもあるでしょう。それだけに、営業支援を行うにあたっては営業コアタイムを削らないことが重要なポイントです。
そして、理想的な営業支援という話になるのであれば、コアタイムを邪魔しないだけでなくコアタイムを創出できるところまで考えたいものです。営業支援を行うことによって「顧客との接触回数が増えた」「顧客の数が増えた」といった結果が生じれば、ひとまずは成功と定義してもよいのではないでしょうか。
本質的な営業支援を行うにあたって必要なこと
では、次に本質的な営業支援を行うにあたって必要な点を見ていきたいと思います。営業支援を行う際は、下記のようなポイントを重視しましょう。
実業務や意識の改善
本質的な営業支援を行う際は、実業務や意識の改善に目を向けることが大切です。どの会社にも「営業支援イコール○○の業務を行うこと」のようなパターンがあるかとは思いますが、それを一旦見直してみましょう。
前述の通り、理想的な営業支援とは「売上や利益に直結する」ものです。すなわち、「どのような営業支援を行えば売上や利益に関係するか」といったことを延々と考えたり実践・計測したりする必要があるということです。
同時に、意識の改善にも着手することになるでしょう。「営業支援イコール○○といった業務」のような考え方では本質的な営業支援を行うことはできません。
営業支援に限った話ではありませんが、結果を求める際には常に問題意識を持って考え続けることが重要です。
システムの活用
営業支援改善のために、システムを活用するという手もあります。営業支援のためのシステムといえばSFA(Sales Force Automation)が有名ですが、自社に合ったものを導入すれば、業務効率化や生産性向上の大きな助けとなります。
ここで重要なのは、「自社に合ったものを導入する」ことと「正しく活用する」ことです。あらゆる業務システムは導入しただけで成果が得られるものではなく、正しく活用してこそ大きな効果を発揮します。
逆に、ごく僅かではありますが、システムを導入したことにより業務効率が低下しているケースも伺えます。
総務省(2019)「デジタル化による生活・働き方への影響に関する調査研究」より
そうならないためには、導入前にシステムの存在意義を明確にしたり、ワークフローの見直しなどが重要になるでしょう。自社のみで判断がつかない場合は、システム導入を専門とするコンサルタントに相談するという方法もあります。
定量的な計測
次に挙げられるのは、「定量的な計測を行うこと」です。これも営業支援に限った話ではありませんが、業務というのは成果に繋がらなければ行う意味が乏しく、全く成果に繋がらない業務を行うくらいであればいっそ取りやめて他の業務に移行した方が好ましいという考え方もあります。
では、成果に繋がるか繋がらないかをどのように判断するのでしょうか。それは、「数字を見て定量的に判断すること」です。
「営業職ではない業務をどのように数字で判断するのか?」という疑問を持っている人も多いかもしれませんが、その辺りは業務内容によって柔軟かつ一律に判断することが大事です。一般的に営業支援であれば、「顧客数や問い合わせ数の増加率」「契約率や顧客単価」などが指標として挙げられるでしょう。
営業業務の効率化に成功した事例
それでは、最後に営業支援によって営業業務の効率化を達成した事例をご紹介します。
環境を整備し営業業務を効率化:株式会社ベネフィット・ワン
株式会社ベネフィット・ワンは、福利厚生業務ベネフィット・ステーションの運営代行を手掛けている会社です。同社ではスキマ時間にスマホで情報共有ができる環境を整え、営業業務の効率化に励んでいます。
結果的に残業削減や業務効率化に繋がったのはもちろんですが、商談数まで増加したという結果が出ています。
自社メディアとMAを活用し、プッシュ型営業を脱却:ソウルドアウト株式会社
ソウルドアウト株式会社は、中小企業向けにWebマーケティング施策を提供している会社です。同社では、従来プッシュ頼みであった営業活動をWebやシステムを使いプル型に移行させたのが特徴です。
その要となるのは、Web上で運営している自社メディアとMA(マーケティングオートメーション)です。これらを駆使して問い合わせがあった顧客を営業に繋げたり、営業から獲得したリードを一元管理するなど、営業活動の効率を向上させることに成功しました。
名刺管理サービスを導入し、顧客情報を共有:日本郵便株式会社
日本郵便は、日々集荷される膨大な量の郵便物の管理や配達を担っている会社です。同社では、従来名刺を営業担当社が個人で管理しており、その数は1拠点だけで50,000枚に達する量になっていました。
そこで名刺管理サービスを導入したところ、名刺管理が楽になっただけでなく、必要な情報を瞬時に共有可能になり、営業活動の効率が向上しました。また、スマホからデータを確認できるようになるなど、利便性や柔軟性の向上にも役立ちました。
まとめ
営業支援活動を改善するには、実務や意識の改善とシステムの活用という両輪が重要です。どちらかに偏ってしまうと業務効率化が妨げられてしまう恐れがあるため、バランスよく行いましょう。