業務の効率化は適切な業務管理から。効果的な進め方とシステムを活用した業務管理方
業務効率化を達成するためには、適切な業務管理を行うことが重要です。しかし、「業務管理をどのように行えばよいのかが分からない」「そもそも業務管理って何？」という疑問をお持ちの人も多いかもしれません。
この記事では、業務効率化のための業務管理について事例を交え解説します。業務管理の定義や効果的な進め方を学び、生産性の向上に繋げましょう。
「業務管理」とは？
「業務管理」とは、一体どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。まずは、業務管理について詳しく見ていきましょう。
「業務管理」とは、企業活動を円滑に行うための管理行動
「業務管理」とは、企業活動を円滑に行うための管理行動全般を指す言葉です。業務を遂行するにあたっては手を動かすことももちろん重要ですが、場合によってはそれ以上に適切な管理を行うことが大事になります。
手を動かす実務にばかり気を取られていては、行っている業務が正しいのか・効率的なのかという部分を見落としてしまうこともあるでしょう。業務をしっかりと管理し、どのタスクがどの程度の成果を挙げているのかを把握しておけばその心配はありません。
それは同時に、業務全体の効率を底上げすることも可能になるということです。業務管理を適切に行なっている企業は効率のよい業務にリソースを集中できるため、生産性の向上に繋がりやすくなるでしょう。
業務管理の一例
業務管理の一例としては、下記のようなものが挙げられます。業務によって必要の度合いは異なるかもしれませんが、事業を行う際にはどれも重要性の高いものです。
時間管理
時間管理は、文字通り仕事にかけている時間を管理することです。細かなところで言えば個々人が抱えているタスクにかかる時間を。そして大きな部分で言えば、プロジェクト全体にかかる時間やスケジュールを管理することになるでしょう。
時間管理がずさんだと、進捗に遅れが生じたり、納期に間に合わなくなってしまう恐れがあります。細かい時間管理をしっかりと行い、全体的なスケジュールに漏れがないようにしましょう。
タスク管理
タスク管理は、個々人が抱えているタスクを管理する行為です。事業やプロジェクトというのは非常に多くのタスクから成り立っており、それを分散して配分することで大きな目標を達成するのが本旨です。
タスク管理が甘いと、誰がどのタスクを持っており、それがどの程度進んでいるかが不明確になってしまうでしょう。すなわち、プロジェクト全体の進捗度合いが分からなくなってしまうことに繋がります。
勤怠管理
勤怠管理は、従業員の勤怠を管理する行為です。誰がいつ出勤し、どのくらい働いているかをデータ的に管理します。
現在も適宜行っている会社が多いかとは思いますが、今後は働き方改革の関係上、よりシビアな勤怠管理が求められるでしょう。特に、残業時間や有給の取得度合いには注意が必要です。
顧客管理
顧客管理は、自社と取引のある顧客を管理することです。「顧客を管理する」というのは少々おぼろげな言い方かもしれませんが、もう少し突っ込むと「顧客の情報を管理する」行為と言えるでしょう。
顧客の名称や所在地、電話番号などはもちろんのこと、いつどのような商談を行い、どのような製品を購入したかまでを管理するのが一般的です。この辺りの情報はプライバシーのレベルが高くなるため、取り扱いには厳重な注意が求められます。
経営管理
経営管理は、経営全般にまつわる事柄を管理する行為です。売上や利益といった数字面の管理や戦略立案プロセス、そして事業や組織運営における広範囲な管理といったところでしょうか。
そのため、「経営管理」という言葉が持つ意味はかなり幅広いものとなります。何をもって「経営管理」と呼称するかは、各企業によって微妙に異なるかもしれません。
業務管理を効果的に進めるには？
では、次に業務管理を効率的に進めるためのポイントについて解説します。業務管理に取り組む際には、下記のような点を押さえておきましょう。
定量的な基準で管理する
１つ目に挙げられるのは、業務管理は定量的な基準で管理するということです。定量的な基準というのは、要するに評価基準を数値化するということであり、数値化できない曖昧なものはなるべく判断材料から除外するという意味です。
何故、評価基準を数値化しなければならないのでしょうか？それは、業務管理の進捗度合いや効果をはっきりと目に見える形で表し、客観的な判断を行うためです。
曖昧な基準で判断すると、業務管理がどの程度の効果を上げているかが分かりにくくなってしまうでしょう。同時に、客観的に納得できる根拠を設けないと、取り組んでいる従業員に不公平感が生じてしまう可能性もあります。
PDCAサイクルを回す
次に挙げられるのが、継続的にPDCAを回るという点です。PDCAサイクルとは、Plan（計画）・Do（実行）・Check（評価）・Action（改善）の頭文字をとった言葉であり、業務改善の基本と言われています。
PDCAサイクルを適切に回すことができれば、プロセスの改善に繋がり、その結果として期待した成果を得やすくなるでしょう。業務管理は短期的に着手して終わりというものではなく、ある程度永続的に行うべきものなので、適宜PDCAサイクルを回し続けることが求められます。
ITシステムを活用する
業務管理に欠かせないのが、ITシステムです。現代はテクノロジーの進歩により、非常に多くの業務用ITシステムが開発リリースされています。
それらを活用すれば、多種多様な業務管理を行えるでしょう。一例としては、従業員の労務時間を入力して残業の抑制を図ったり、タスクにかかる時間を計測して適切な配分を行うなどが挙げられます。
ITシステムを効率的に活用すれば業務効率化に繋がり、生産性の向上が見込めます。自社に合ったものを見極め、適切な導入を行いましょう。
システムを活用した業務管理の事例
それでは、最後にシステムを活用した業務管理の事例をご紹介します。
アプリを活用し、ドライバーの待ち時間を削減：大塚倉庫株式会社
大塚倉庫株式会社は、大塚製薬の商品管理などを行っている会社です。同社では、独自のアプリを開発し、トラックドライバーの負担を軽減する取り組みを行いました。
その結果、トラックがセンターに滞在する時間をおよそ55％減らすことに成功しました。
AIシステムを活用し、業務実態を把握・分析：富士通株式会社
富士通株式会社は、国内の総合エレクトロニクスメーカーです。同社は、「働き方改革は今すぐ最優先で取り組まなければならない課題」とし、それに沿った業務改善を行っています。
その一つとして、AIシステムを活用した業務の見える化に取り組みました。結果として、重要な企画業務に取り組む時間が50％超増加、年次休暇の取得日数が従来の1.5倍という成果を達成しました。
まとめ
業務管理を適切に行えば、多くの面で業務の効率化を達成できます。取り組む際は、自社のどのような業務をどのように管理すべきかを考え、焦点を絞ることが大事です。
また、各種ITシステムを活用すれば、業務管理の大きな助けになります。効果の高い業務管理に取り組み、仕事の効率化に努めましょう。