情報共有の効率化って?適切な情報共有を行うために大切なこと

業務効率化

業務改善や効率化を目指す際は「情報共有」が重要です。適切な情報共有を行うことができれば、従業員が必要な時に必要な情報を得られることになり、自社にさまざまな恩恵がもたらされるでしょう。

この記事では、業務改善のための「情報共有」について。そして、情報共有を行うことによるメリットやその際の注意点を事例を交えてご紹介します。

情報共有に関する正しい知識を学び、業務効率化に努めましょう。

業務改善のはじめの一歩「情報共有」とは?

情報共有を行うことで業務の改善や効率化に効果があると言われています。まずは、情報共有という言葉が持つ意味についてご紹介致します。

蓄積されたデータや情報を全社的なものとして扱うこと

情報共有には、「蓄積されたデータや情報を全社的なものとして扱うこと」という意味があります。たとえば、営業部門がヒアリングした顧客のニーズを別の部署と共有し、販促プロモーションや商品企画に役立てることなどが挙げられるでしょう。

適切な情報共有を行えば、どの部署やどの事業所にいても必要な情報にアクセスできるようになります。

情報を参照し、更に新しい情報が蓄積され続けること

情報共有を行えば必然的に情報にアクセスしやすくなり、個人や部署が持つ情報量が増加します。それを元にしてまた新たな情報が生まれ、それが蓄積されていくのも情報共有の特徴といえるでしょう。

情報というのは連続して積み重なるものであり、その結果として事業が洗練されていくという傾向もあります。その流れを上手く作り出すことができれば、自社の持つ知的財産の増加に繋がるのではないでしょうか。

場合によってはアクセスに制限をかけることも可能

情報共有とは、「全社的にあらゆる情報にアクセスできるようになること」と述べました。しかし、場合によっては見られたくない情報があるケースも考えられるでしょう。

そのような際は、情報にアクセス制限をかけることにより、秘匿可能です。情報共有システムを使えば容易にアクセス管理を行え、たとえば「役員のみ閲覧可能」「特定の部署の人間のみ閲覧可能」という設定もできます。

情報共有を行うことによるメリット

では、次に情報共有を行うことによるメリットについて解説します。適切な情報共有ができれば、下記のような恩恵を受けられます。

従業員が必要な情報にアクセスしやすくなり、業務効率化に繋がる

情報共有を行うことにより、従業員が必要な情報にアクセスしやすくなります。必要な情報を瞬時に得ることができれば、業務効率化にも繋がるでしょう。

会社によっては、業務に必要な情報を得るために多数の決裁を行わなければならない場合もあります。それでは業務に滞りが発生し、進捗が遅れてしまう可能性があります。

また、せっかく芽生えたアイデアの種が消失することにも繋がってしまうのではないでしょうか。変化の早い現代において、生まれたアイデアは時間が経つにつれ陳腐化してしまいます。それを避けるためにも、迅速な意思決定や情報共有が重要になるでしょう。

情報が蓄積されやすくなり、それを元にさまざまな経営判断を行える

情報共有を適切に行えば、情報が蓄積されやすくなります。前述の通り既存の情報の集合から新たな情報が生まれることは少なくないため、情報の好循環が形成されることになるでしょう。

そして、それを元にさまざまな経営判断を行うことができます。重要な判断を行うためには、まず基礎的な情報を集めるのが大事になるでしょう。

適切な情報共有が行われていれば、基礎的なものから応用的なものまで、鮮度の高い情報を得やすくなります。

対応品質が上がり、顧客満足度の向上に繋がる

情報共有を行えば、従業員が必要な時に必要な情報を得ることができます。それを顧客対応に活かせば対応品質が上がり、顧客満足度の向上に繋がるでしょう。

逆に、顧客からの問い合わせに対していつまでも適切な回答を行えない場合、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性もあります。顧客が求めているのは「正確かつ素早い回答」に他なりません。

すなわち、情報共有により、顧客のニーズを満たしやすくなるわけです。

情報共有を効率化するために必要なこと

では、続いて効率的な情報共有を行うための方法について見ていきましょう。情報共有を行う際には、下記のような点を重視することが大切です。

「暗黙知」「形式知」といった概念を理解する

会社が所有する情報やスキルには、「暗黙知」「形式知」という概念があります。「暗黙知」とは、従業員が個人的に所有している情報やスキルであり、現時点で言葉で説明できない(されていない)ものです。

「形式知」は、明確に言葉で共有されている情報やスキルのことであり、暗黙知を形式知化すれば業務水準の均一化に繋がります。また、形式知から新たな暗黙知が生まれ、それを形式知化するという情報のサイクルを起こすことが重要とも言われています。

必要に応じて専用のシステムを導入する

情報共有を行うためには、専用システムの導入が欠かせません。アナログな方法で管理されている情報は検索に時間がかかり、得られた時には陳腐化していることもあるでしょう。

情報共有システムを活用すれば、時間や場所によらない情報共有が可能になります。また、情報の入力の簡易化により、情報が蓄積されやすくなるのもメリットです。

システムの導入はゴールではない

しかし注意したいのは、システムを導入したからといって全てが丸く収まるわけではないという点です。システムの導入はゴールではなく、システムの導入により自社のニーズや目的が達成されて初めてゴールと言えるのではないでしょうか。

そのためには、事前に運用のシミュレーションを行ったり、システムの必要性や操作方法を周知させることが大事です。現場の理解を得つつ、適切な運用フローを構築しましょう。

具体的な事例

最後に、システムを導入して情報共有を効率化した事例をご紹介します。検討の参考になれば幸いです。

ツールを活用して7,000人の情報共有を可能に:ヤフー株式会社

ヤフー株式会社は、インターネットに関連するさまざまな事業を展開している会社です。同社には、「Confluence」と呼ばれる情報共有システムが導入されており、それを介して7,000人以上のメンバーが日々多くの情報をやり取りしています。結果、「分からないことはまずConfluenceで検索を」という風土が生まれ、情報共有の効率化に寄与しました。

Evernoteで情報を一元管理:株式会社石崎電機製作所

株式会社石崎電機製作所は、創業80年を超える老舗の電熱機器メーカーです。同社ではEvernoteのビジネスプランを活用し、議事録や日報・図面・デザイン・名刺などのデータを一元管理しています。導入前と比べると必要な情報に即アクセスできるようになり、情報共有の効率化を果たしました。

まとめ

適切な情報共有を行うためには、「暗黙知」「形式知」といった概念を理解し、情報の好循環を企業内に起こす必要があります。そうすれば情報が情報を生むようになり、企業が持つ知的情報の増加および鮮度維持に繋がるでしょう。

情報共有の効率化のためには、専用システムの導入も効果的です。専用システムを導入すれば情報共有の容易化だけでなく、手軽な操作による情報の蓄積も活性化されることが期待できます。

情報共有に関する適切な知識を学び、自社の情報管理の改善を目指しましょう。