適正な見積もり依頼が成功の鍵。業務システムの見積もり依頼する際に注意すべきこと

システム開発

業務システムをゼロから開発する場合、まずは開発業者に見積もりを依頼することになります。しかし、「費用相場が分からない」「見積もりを依頼する際に気をつけることは?」などの疑問を抱いている担当者も多いかもしれません。

この記事では、業務システム開発と予算の関係性、および見積もり依頼時の注意点について解説します。

業務システムと予算の関係性

業務システムと予算の間には、一般的に下記のような関係があります。詳しく見ていきましょう。

システム導入にはさまざまな費用がかかる

システムを導入する際には、多方面からさまざまな費用がかかります。もちろんケースバイケースではありますが、当初組んでいた予算では大幅に足りなくなるという事態も考えられるでしょう。

見積もりはなるべく細かく、余裕を持って行うことをおすすめします。

スクラッチ開発か、それともパッケージ利用かによっても費用は大きく変わる

スクラッチ開発か、それともパッケージ利用かによっても導入費用は大きく変わります。スクラッチというのは自社オリジナルのシステムをゼロから開発する形であり、パッケージ利用は既にベンダーが開発しているシステムをレンタルして使わせてもらうというイメージです。

当然ながら、システムをゼロから開発するスクラッチの方が費用が高くなります。一方、パッケージ利用にすれば予算は抑えられるものの、スクラッチほどの開発自由度はありません。

自社がシステムにどのような役割を求めているかを明確にし、なるべく過不足のないものを選んでおきましょう。

業務システム構築にかかる費用と相場

では、次に業務システム構築にかかる費用と相場についてお話します。あくまで一般論という形であり実態は開発規模や業者によって大きく異なりますので、参考程度にご覧下さい。

システム開発の平均相場はおよそ200〜250万円程度

システム開発の平均相場は200〜250万円程度と言われています。平均が200万円台だとかなり低い水準のように思えますが、あくまで平均値でありシステム開発の価格はピンキリという事情を鑑みると、工夫次第でより安く開発することも可能ということになります。

しかし、長年使用するシステムである以上、開発予算を削りすぎるのは考えものです。開発予算を削れば削るほどシステムの設計や開発に不備が生じる可能性が高くなりますので、完成したはいいもののバグやセキュリティに問題を抱えることになるかもしれません。

あらゆる商品には適正価格というものが存在します。自社が欲しているシステムの規模や開発難度と予算の兼ね合いをしっかりと考え、適切な感覚を養いましょう。

費用内訳

システム開発にかかる費用としては、下記のようなものが挙げられます。あくまで一例ですので、開発種別によってはさらに多岐に渡り費用がかかるケースもあります。

人件費

まず挙げられるのは人件費です。システムを開発する際は(規模にもよりますが)多くの人員がある程度の時間をかけて取り組むことになります。

開発規模が大きくなればなるほど人員や期間が必要になり、その分コストもかさみます。逆に、小さい規模のシステムであればあまりリソースを要しないため、人件費が安くすむこともあるでしょう。

また、熟練のエンジニアであればあるほど人件費が高くなるのが一般的です。熟練のエンジニア(チーム)は技術レベルもさることながら、さまざまな開発経験を経ているため、バグやセキュリティといった問題への対処が正確であったり、システムに拡張性を持たせて長年使用できるような設計を行ってくれることも期待できます。

パッケージ利用料

既存パッケージのものを使う場合、パッケージの利用料がかかります。初期費用+月額という形のものが多く、スクラッチ開発に比べるとコストがかからないのが特徴です。

サーバー代

システムによってはサーバー代がかかるものもあります。サーバーをどのように設置するかにもよりますが、もしクラウド型のシステムを構築する場合、利用量に応じたコストがかかるものが多いでしょう。

業務システムの見積もりを依頼する際の注意点

ゼロからスクラッチ開発を行う場合、システム開発業者に見積もりを依頼することになります。その際は、一体どのような点に注意すればよいのでしょうか。

コストだけでなくリターンを見積もって検討しよう

見積もりはただ単に金額のみを見るのではなく、システムを導入することによって得られるリターンも合わせて考える必要があります。業務システムを導入すれば業務効率化によるコスト減や精密な販促アプローチなどによる売上増などのメリットがありますので、かけたコストに対するリターンの大きさが重要な指標になります。

安いからといって粗雑なシステムを導入すると、思ったほどの効果が得られず本末転倒になってしまうかもしれません。そのような事態を避けるためにも、コストとリターンを総合的に見積もることが大事です。

予算を削りすぎない

システム開発を行う際は、予算を削りすぎないことも重要です。システム開発は大規模であればあるほど費用がかかるものですが、一般的にシステムの規模と品質の間にはあまり相関関係はありません。

であれば、なるべく費用を削った方がよいのではないかと考える人も多いかもしれませんが、相場以上に費用を削りすぎると現場の疲弊を招いてしまいます。現場が疲弊すればするほど大小さまざまなミスを見逃すことになり、思わぬバグやセキュリティホールが生じてしまう可能性もあるでしょう。

メンテナンスや保守等、導入後にかかる費用も考慮しよう

業務システムは導入してそれで終わりというものではなく、長期的に運用して初めて成果を上げられるものです。そのため、定期的なメンテナンスや保守といった作業も必要であり、それらにもコストがかかることを忘れてはいけません。

そういった導入後にかかる費用も考慮して見積もることが大事です。最初から保守性の高い設計にしておけば、メンテナンスコストを削減することも可能でしょう。

場合によっては相見積もりを取るのも手

システムの見積もりを一社のみに依頼するのではなく、複数の会社に依頼して相見積もりを取るという手もあります。相見積もりにはあまりよい印象がないかもしれませんが、業務システムの開発には多額の費用がかかるため、なるべく信用のおける会社に依頼するのが好ましいでしょう。

そのような業者を見つけるためにも相見積もりは有効です。単に金額のみを問題にするのではなく、見積もりを依頼してから提出されるスピード感や、担当者の対応や知見レベルなどから総合的に判断する必要があります。

まとめ

システムをゼロから開発することを「スクラッチ開発」と呼びます。スクラッチで開発する利点としては、「自社オリジナルのシステムを構築できる」「必要な機能を過不足なく搭載できる」などが挙げられるでしょう。

しかし、その分開発費用が高額になりやすいという難点もあります。しかし、開発業者に見積もりを依頼する際は単純な金額だけでなく、システム導入後も見据えた総合的な判断が必要になるでしょう。

注意点をしっかりと押さえ、最適なシステムの導入を目指しましょう。