在庫管理を効率化するには?そのために有効な自社システム化について解説

システム開発

「在庫管理を効率化したい」と考えている人も多いのではないでしょうか。在庫管理を効率化するための方法はいくつかありますが、その中でも最たるものは「在庫管理システムの導入」でしょう。

システムを導入する際には既存のパッケージも選べますが、自社で独自に開発することも可能です。この記事では、在庫管理の自社システム化について解説します。

在庫管理を自社システム化するメリット

では、まず在庫管理を自社でシステム化するメリットについて見ていきましょう。在庫管理をシステム化すると、そうでない場合に比べどのように変わるのでしょうか。

在庫管理業務の効率化

在庫管理を自社でシステム化すれば、在庫管理業務の大幅な効率化に繋がります。従来はアナログな在庫管理を行っていたところも多かったのですが、現在はシステムやツールを導入して機械的に行っている会社が大半です。

在庫管理をシステマチックに行うと、在庫量や保管場所が見えやすくなります。それにより、販売機会を逃すことなく適正在庫を持つことができたり、必要な時にすぐに商品や部品を取り出すことができるようになります。

在庫を切らしてしまったために機会を逃したり、商品や部品の置き場を探し回る必要がなくなるため、業務効率化に繋がるわけです。

独自のカスタマイズが可能

在庫管理を自社でシステム化する場合、独自のカスタマイズが可能です。在庫管理システムを導入する際には既にパッケージ化されたものを選ぶこともできますが、自社専用のものを導入するという選択肢もあります。

既存パッケージはコストがかからない反面、柔軟性に欠けるというデメリットがあります。もちろん、自社がごく一般的な業務を行っており、在庫管理システムに求める機能も特殊でない場合はそれでもよいかもしれません。

しかし、既存のパッケージでまかないきれない業務を行っている場合、独自にカスタマイズされたシステムを選ぶ必要があるでしょう。また、独自カスタマイズができるということは、設計次第で将来を見越した拡張性をもたせることも可能になります。

売上や利益の向上

会社は何のために在庫管理を行うのでしょうか。棚卸し業務を効率化するのも1つかもしれませんが、一番は売上や利益の向上のためではないでしょうか。

適切な在庫管理を行えば、売上や利益の向上が見込めます。必要な時に必要な分の在庫を持つことで過剰発注や品切れを防げますし、どこに何があるかを把握していれば無駄を省き生産性の向上も見込めるでしょう。

適切な在庫管理を行うためには、システムの活用が不可欠です。中でも、自社の特性に合わせてカスタマイズされたシステムを導入すれば、さらなる効果が期待できます。

導入までのプロセス

では、在庫管理のための自社システムを導入するまでのプロセスを解説します。どのようなプロセスになるかはケースバイケースですが、一般的には下記のような工程を辿ることになるでしょう。

スタート〜ヒアリング

システムの導入が決まったら、まずはヒアリングを行います。ヒアリングの際に生産管理システムに求めることや活用方法、自社ならではの希望などをまとめることになります。

この時に重要なのは、「事前にニーズを明確化しておくこと」です。ヒアリングの段階で自社のニーズを探っていると漏れが発生する可能性があるため、事前にニーズをしっかりと洗い出しておきましょう。

ヒアリングは、それを開発側に伝える段階です。そのタイミングで深く考えすぎてしまうと、出だしから無用な時間を使うことになるため、注意が必要です。

設計〜開発

自社のニーズを相手に伝え終わったら、次はシステムの仕様を設計します。この辺りは専門的なスキルが必要なため通常は開発側の仕事になりますが、確認は怠らないようにしましょう。

システムの仕様にもよりますが、開発段階に入ったあとの仕様変更は開発側を疲弊させてしまう原因になります。開発メンバーの疲弊は納期超過や思わぬバグの発生に繋がるため、できれば避けたいところです。

仕様設計が終わり次第、実際の開発に入ります。この段階になると開発を依頼する側が関与できることはあまりありませんが、プロジェクトによっては逐一プロトタイプの確認が入ることもあるでしょう。

その際には、自社のニーズがシステムにしっかりと反映されているかどうかをチェックすることが重要です。

仮運用〜本稼働

システムの開発が終わったら仮運用に入ります。仮運用の段階でバグが見つかる場合もありますが、その場合は修正し、また仮運用を行います。

また、仮運用を行うことにより、現場にシステムを浸透させることも目的です。いきなり新しいシステムを本稼働させると現場の混乱を招くため、まずは仮運用で小さくスタートし、確認とレクチャーを繰り返し、少しずつ現場に浸透させることもできるでしょう。

仮運用が終われば、いよいよ本稼働です。仮運用を行ったとはいえ本稼働後に問題が発生する場合もありますが、その辺りは柔軟な対応が求められます。

システムをアップデートした方がよいのか、それとも現場のフローを変えた方がいいのかなどを慎重に判断しましょう。

システム導入の注意点

最後に、システム導入の注意点について述べたいと思います。自社システムを導入する際は、下記のような点に気をつけましょう。

要件定義は綿密に

上述した通り、システムの仕様を一度定義してしまうと変更は困難になります。絶対に不可能というわけではありませんが、開発現場に多大な負担をかける可能性があり、それが元でトラブルが生じる恐れもあります。

システムを導入する際は、「何のために行うのか」を明確にし、そのための機能や仕様を事前に洗い出しておきましょう。その辺りが明確であればあるほどシステムの開発は容易になり、納期的にも品質的にも問題が生じにくくなります。

不明点はしっかりと確認しよう

どのプロセスにおいても言えることですが、不明点がある場合はしっかりと確認しておきましょう。システムが本稼働してからワークフローを変えるのは困難な場合もありますし、そもそもシステムに柔軟な設計が行われていない場合は後からの修正が難しくなってしまうケースもあります。

また、場合によっては「ちゃんと納期通り開発されるのか」「将来的な拡張性は問題ないか」などを確認するのも大切なことです。不明点を曖昧なまま放置したことで、後々大きなトラブルに繋がる例も多いものです。

運用ルールを明確化しよう

無事開発の終わったシステムを稼働させる際には、運用のルールやフロー、責任の所在などを明確化しておきましょう。新しいシステムやワークフローの導入はただでさえ現場の混乱を招きますので、それを最小限にとどめる工夫が必要です。

「こういう時はどうするのか」「マニュアルはどこにあるのか」「不明点は誰に聞けばいいのか」などを決めておけば、いざという時も安心です。システムは正しく活用されてこそ価値を発揮するものですので、そのためのサポートは怠らないようにしましょう。

まとめ

在庫管理システムは、大きく既存パッケージのものと自社オリジナルのものに分けられます。既存パッケージのものは既にシステムが組み上がっているため安価で導入可能ですが、その分柔軟性に欠ける面があります。

対して、独自のシステムであれば自社の業務に合わせたカスタマイズが可能となるでしょう。適切なシステムの導入を図り、業務効率化に繋げましょう。