カスタマイズされた勤怠管理システムはパッケージとどう違う?それぞれのメリット・デメリットを解説

システム開発

働き方改革の一環として、勤怠管理システムを導入しようと考えている企業も多いのではないでしょうか。しかし、「どんなシステムを導入すればいいのか分からない」「自社と相性のよいシステムの探し方は?」といった点に疑問を持つ担当者もいるかもしれません。

この記事では、勤怠管理システムのカスタマイズについて解説します。合わせて、パッケージおよびカスタマイズそれぞれのメリット・デメリットにも言及していますので、製品選びの参考にしましょう。

勤怠管理システムをカスタマイズする意義

勤怠管理システムをカスタマイズする必要性は、いったいどのようなものなのでしょうか。まずは、勤怠管理システムをカスタマイズする意義について見ていきたいと思います。

パッケージ版の限界

勤怠管理システムを導入する際、第一に考えられるのはパッケージ版です。パッケージ版は開発元が幅広い企業にフィットするように作ったものなので、一般的な機能は揃っているにも関わらずコスト面などから導入が容易というメリットがあります。

しかし、一部特殊な業務を行っている会社の場合、パッケージ版では物足りないといったことも考えられるでしょう。パッケージ版に限界を感じる場合はカスタマイズを行い、自社独自の勤怠管理システムを構築する必要があります。

自社業務とのフィッティング

また、自社業務とのフィッティングも考えなければなりません。勤怠管理システムを導入する際はシステムそのものの出来だけではなく、保守性やコスト、扱いやすさといった幅広い面から検討することが重要です。

その結果、自社業務とのフィットが悪いということになれば、独自のカスタマイズを行う選択肢が生まれます。それぞれにメリット・デメリットはありますが、少なくとも独自にカスタマイズされた勤怠管理システムが「自社業務とフィットしない」という可能性は少ないでしょう。

システムの将来性

独自にカスタマイズされた勤怠管理システムは、システムの将来性に優れている可能性もあります。パッケージ版ももちろん将来生を加味した設計が行われているのですが、あくまでも汎用的なニーズに応えるための設計になっています。

そのため、汎用的な将来性は高いものの、自社業務から見た将来性には疑問を抱くケースもあるかもしれません。その場合は、独自にカスタマイズされた勤怠管理システムに軍配が上がるでしょう。

システムを導入する際、将来性までは目がいかないケースも多いものです。しかし、将来性に乏しいシステムを導入・運用してしまうと、長期的にさまざまな弊害を抱えてしまうことになるため、なるべく視野を広く持ったシステム選びを行いましょう。

パッケージ版のメリット・デメリット

では、次にパッケージ版のメリット・デメリットについて解説します。

メリット1:比較的安価に導入できる

パッケージ版のメリットとして、比較的安価に導入可能である点が挙げられます。前述の通り、パッケージ版は各企業の汎用的なニーズを満たすために開発されている商品のため、数多くのユーザーを抱えていることが多いものです。

利用ユーザーが多くなればなるほど、ユーザー1人あたりのコストは低減します。加えて、汎用的な設計がなされていることから導入にあたって専用の機器が必要ないケースも多く、そういった意味でもコスト削減に向いているでしょう。

メリット2:既に運用されている実績がある

パッケージ版のメリットとして、数多くの運用実績が挙げられます。システムを導入する際の不安として、「うまく動くかどうか」や「運用イメージが分からない」といった点が挙げられるのではないでしょうか。

既に多くの企業に導入実績があるシステムであれば、その心配は低減されます。自社とよく似た企業が既に導入している場合は、それに沿うことで合理的な運用を行えるでしょう。

デメリット:かゆいところに手が届かない

パッケージ版のデメリットとしては、カスタマイズ性に乏しくかゆいところに手が届かない点が挙げられます。パッケージ版システムは前述の通り、一般的な企業の汎用的なニーズに応えるために開発されているため、特殊な業務や使い方を想定していません。

そのため、実際に使い始めた後に「もっとこういう機能があればいいのに」といった不満が生じる可能性もあります。とはいえパッケージ版も日々アップデートされていますので、いずれ自社業務に合った機能が搭載されることもあります。

ただ、そのタイミングをユーザー側で調整できないことはデメリットとして捉えるべきかもしれません。

カスタマイズ版(自社システム)のメリット・デメリット

それでは、次にカスタマイズ版のメリットとデメリットについて見ていきましょう。カスタマイズ版はいわゆるスクラッチ開発を行い、自社に合わせてオリジナルの設計が施されたシステムです。

メリット1:自社業務との相性

カスタマイズ版のシステムは自社の業務特性にほぼ完全に合わせて設計されるため、自社業務との相性は抜群です。パッケージ版の場合は自社業務をシステムに合わせる必要がありますが、カスタマイズ版の場合はシステムが自社業務に合わせてくれるイメージでしょう。

システムを導入する目的の一つに、「業務効率化」が挙げられます。既存の業務をシステムに代替させることにより処理速度の向上や自動化、ヒューマンエラーの防止などを図る形になります。

自社業務との相性が悪いシステムの場合、思ったほどの処理ができず、逆に「手でやった方が早い」という結果に繋がりかねません。一方、カスタマイズされた自社専用のシステムであればその心配はなく、予定通りの業務効率化が見込めるはずです。

メリット2:必要十分な機能を搭載可能

カスタマイズ版のシステムであれば、必要十分な機能のみを搭載することができます。パッケージ版の場合は汎用的なニーズに組みしているため、自社にとって不要な機能が搭載されていることも少なくありません。

不要な機能は使わなければいいだけなのですが、それがあまりに多すぎるとシステムの利便性に問題が生じます。一方、最低限の機能のみ搭載されているシステムであれば操作が分かりやすく、自社業務との馴染みもよくなります。

ただ、機能を完全に絞り込んで設計するよりは、後々将来的に追加しそうな機能を加味しながら拡張性を視野に入れて設計することをおすすめします。

デメリット:コストが膨張する可能性

カスタマイズ版のデメリットは、なんといってもコストが膨張しやすい点です。オリジナリティの高いカスタマイズシステムは確かに自社業務との相性はよいのですが、ゼロから開発しなければならない分、開発費が膨れ上がる可能性があります。

それだけでなく、運用を啓蒙するための費用や、保守およびメンテナンス費用も少なからずかかってくるでしょう。ユーザーの多いパッケージ版の場合はインターネットにハウトゥーが転がっている場合もありますが、自社オリジナルのシステムであればそういうわけにはいきません。

コストが高くなればなるほど費用対効果も下がりますので、計画的な導入および運用を行う必要があります。

まとめ

勤怠管理システムには、おおまかにパッケージ版とカスタマイズ版が存在します。自社の都合に合わせて製品を選び、適切な導入・運用を目指しましょう。