マーケティングオートメーションを活かすことで営業活動を効率化
マーケティングオートメーションは一般的にマーケティング業務の効率化に寄与できるシステムですが、適切に活用することで営業活動の効率化も促せます。この記事では、マーケティングオートメーションがどのように営業活動を効率化させるのかについて解説します。
マーケティングオートメーションと営業活動
マーケティングオートメーションは、営業活動に一体どのような影響を与えるのでしょうか。まずは、マーケティングオートメーションと営業活動の関係性について見ていきましょう。
マーケティングと営業活動は同一線上の業務
そもそも、マーケティングと営業は同一線上の業務といえます。マーケティングも営業も最終的な目標を「顧客に商品(サービス)を購入してもらう」に集約できるのではないでしょうか。
では、マーケティングと営業の何が違うのかというと、それは「関わる領域」です。マーケティングが主に顧客(市場)の全体像を捉えて見込み客を発掘し育成するのに対し、営業は育成された見込み客にアプローチしクロージングやフォローをかけるといった形になります。
もちろん、会社や業務によってマーケティングや営業が意味するものは異なりますが、およそ一般論としては上記のようなものに定義されるでしょう。
マーケティングオートメーションを活用すれば営業効率が上がる
マーケティングオートメーションは主にマーケティングをサポートしてくれるツールですが、活用次第では営業効率の向上も見込めるでしょう。前述の通り、マーケティングと営業は地続きの業務ともいえますので、マーケティングの効率が上がればおのずと営業効率も向上します。
具体的には、マーケティングオートメーションにより管理されたリードの中からHOTなもの(購買意欲の高いもの)を営業に渡すなどが挙げられます。相手の購買意欲がどの程度あるのかも分からない状態で営業を行うより、最初から意欲の高い顧客に営業した方が圧倒的に成約率が高まるでしょう。
成果の見える化
マーケティングオートメーションは、成果の見える化にも役立ちます。マーケティングオートメーションを導入することで、自社サイト内のトラフィックやアプローチに対する顧客のアクションがデータ化されるため、定量的な判断が可能になるでしょう。
それらのデータをどう活かすかは会社によって異なりますが、たとえばサイトからのコンバージョンを向上させたい場合、得られたデータから自社サイトの問題点を洗い出すなどが挙げられます。あるいは、プロモーションメールを送っても顧客の反応が芳しくない場合、切り口を変えてテストしてみる、なども考えられるでしょう。
マーケティングオートメーション活用で変わる営業現場の未来
マーケティングオートメーションを活用することで、営業現場の未来が変化すると言われています。では、一体どのような変化が起きるのでしょうか。
顧客の選別が進む
マーケティングオートメーションの活用により、顧客の選別が行われるでしょう。マーケティングオートメーションが持つ機能の一つとして、「リード管理」というものがあります。
リード管理とは、何らかの方法で入手したリードをマーケティングオートメーションで管理し、それぞれをスコアリングしたり啓蒙したりすることです。適切なリード管理が行われている場合、顧客に適切な情報提供がなされた結果、購買意欲が向上したリード(いわゆるHOTリード)が発生するでしょう。
「今すぐ客」とも言われるHOTリードを営業に渡すことで、成約率が大きくアップします。購買意欲が不明な顧客をあの手この手で購買に導くのに比べ、既に購買意欲の高い顧客であれば商品説明のみで購入に至るケースも多いのではないでしょうか。
営業マンはクロージングやフォローが主な仕事になる
そのため、マーケティングオートメーションが十分に活用されている場合、営業マンはクロージングやフォローが主な仕事になります。既に購買意欲の高い顧客を相手にすることが多くなるため、最後のひと押しであるクロージングを。
そして、その後のアフターフォローなどを行うことで、次の購買に繋げられるでしょう。ランダム性の高い営業活動に比べると、非常に効率よく売上に繋げられる流れを構築できるのではないでしょうか。
財務体質の向上
その結果として、財務体質の向上も見込めるでしょう。「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」にも営業活動を行う場合、売上に比べ訪問回数や接触回数がいたずらに増えてしまいます。
そういった状態では、お世辞にも営業効率が良いとは言えません。商品やサービスに対する購買意欲の低い「そのうち客」を啓蒙するのに、わざわざ営業マンが出向く必要はないでしょう。(もちろんケースバイケースです)
成約率の高い顧客をメインにすることで、出張費や交通費などの営業経費を節減することができます。その上で営業マン一人あたりの売上が向上すれば、費用対効果が上がり財務体質の向上にも寄与するでしょう。
その他、営業活動を効率化させるシステム
マーケティングオートメーション以外にも、営業効率をアップさせるシステムが存在します。それぞれ見ていきましょう。
CRM
CRMはCustomer Relationship Managementの略であり、日本語訳すると「顧客関係管理システム」となります。文字通り顧客との関係性を管理および改善し、その結果売上に繋げるためのシステムです。
CRMを活用すると、顧客情報をデータベース化し、それぞれの顧客に適したプロモーションやアプローチを行うことができます。また、その結果をデータとして集積しレポートすることで、さらなる関係改善が可能となり、顧客満足度の向上に繋げられます。
SFA
SFAはSales Force Automationの略であり、日本語にすると「営業支援システム」となります。SFAもCRMと似たシステムですが、CRMが顧客との関係を管理することがメインなのに対し、SFAは文字通り営業活動を支援するためのシステムです。
SFAを活用することで、営業活動の見える化が可能となり、より正確な現状把握や効率化に繋がります。また、営業活動に対し定量的な評価や分析を加えることで、営業マンの質に頼らない営業活動を行えるようになるという利点も生まれます。
グループウェア
グループウェアは、おもに社員同士の情報共有を目的としたシステムです。グループウェアに搭載されている機能は多岐に渡りますが、主に下記のようなものが挙げられるでしょう。
- メッセージの送信・管理機能
- スケジュール管理機能
- 公開掲示板機能
- ファイル共有機能
これらを活用することで、いつでもどこでも社員同士の情報共有やコミュニケーションが可能になるというわけです。営業に活用することを想定すると、ある営業マンが担当する取引先の情報をグループウェアで共有することにより、他の担当者が問い合わせを受けても平準化された対応が可能になるなどでしょうか。
また、外出する機会が多い営業マンが外からスマホやタブレットを活用して情報共有できるようになるというメリットもあります。
まとめ
マーケティングオートメーションを活用することで、営業活動の効率化が見込めます。両者をうまく繋ぎ、確固たる事業体制を構築しましょう。