成功事例から学ぶ。業務を可視化・数値化することで得られる様々なメリットとは?

ビジネス

現代は業務内容が複雑化し、どの部署(誰)が何をやっているかが見えづらくなっているとも言われています。しかし、その状態を放置してしまうとさまざまな弊害が生じてしまうでしょう。

この記事では、それを防ぐために重要な業務の可視化・数値化について解説します。

業務を可視化・数値化する必要性

業務を可視化・数値化する必要性は、一体どのような点にあるのでしょうか。まずは、その辺りを見ていきましょう。

暗黙知を暗黙知のまま置いておくと、効率化の妨げになる

可視化されていない知識やノウハウのことを「暗黙知」と呼びますが、暗黙知を暗黙知のまま置いておくと、業務効率化の妨げになります。暗黙知というのは、その業務に従事している個人が仕事の中から身につけるノウハウのようなものであり、いわゆる「職人の勘」といった感じです。

それはそれで十分な有用性があるのですが、問題はその当人しか知り得ないという点です。仕事というのは多くの場合チームで行うことになるため、個人が得た知見やノウハウを幅広く共有できるにこしたことはないでしょう。

暗黙知を暗黙知のまま置いておくと、特定の人間がいないと業務が回らないといった状況を招いてしまいます。それではプロジェクトや現場に滞りが発生し、効率化を阻害する結果となってしまいます。

客観的指標によらない評価基準は不公平感を生む

また、客観的指標によらない評価基準な不公平感を生んでしまうことも見逃せないでしょう。組織である以上、その構成員たる従業員を評価しなければなりませんが、問題は何を軸にして評価するのかという点です。

場合によっては経営者や管理者の直感や独断で行うこともあるかもしれませんが、評価される方が納得して受け入れられるケースばかりではないでしょうか。しかし、客観的に根拠のある数字を軸にして判断すれば、その心配はありません。

数字が高い人間が高評価されるのは正当性があるため、誰もが納得のいく結果になるのではないでしょうか。もちろん、望んだ成果が出せなかった人は評価が低くなってしまうことになりますが、それはそれで次期に向けての反省材料として活かすこともできるでしょう。

社員間・部署間の溝が深まるリスク

業務の可視化や数値化が進んでいない場合、社員や部署間の溝が深まってしまうリスクも考えられます。業務が可視化されていないということは、すなわち他の人間や部署が何をやっているかが見えにくくなってしまうことに繋がります。

すると、「誰がどのような仕事に精通しているかが分からない」という話になってしまい、社員や部署間での連携が取りづらくなってしまうでしょう。逆に、「この分野に関しては○○に聞けば分かる」という部分が明確になっていると、業務の滞りを防ぐことができます。

また、他の従業員や部署が行っていることが可視化されていない場合、人によっては不公平感を抱いてしまうかもしれません。実際は業務が均等に振られているにも関わらず、「自分ばかり仕事をしている」という感覚に陥ってしまうケースもあるでしょう。

しかし、業務の内容や業務量を可視化・数値化しておけばそのような心配はありません。客観的根拠に基づいて業務を割り振っていることが、誰の目から見ても明らかになるでしょう。

業務を可視化・数値化することによるメリット

業務を可視化・数値化することにより下記のようなメリットが生じます。詳しく見ていきましょう。

自社の業務プロセスが明確になる

業務を可視化することで、自社の業務プロセスが明確になることが期待できます。業務を可視化するということは、すなわち誰の目から見ても「どこ(誰)がどのような業務を担っているか」という部分が分かることになります。

そのためには、まず従業員の一人ひとりがどのような業務を行っているか、そしてその集合体として一体どのようなゴールが設定されているかを一度洗い出さなければなりません。その過程で、自社にはどのような業務があり、それがどのようなプロセスで回っているかについて理解を深めることができるでしょう。

そして、可視化された業務は幅広く共有可能です。共有可能になるということは、ある程度暗黙知が形式知化したということになるため、必要に応じてナレッジやノウハウを参照できるでしょう。

ワークフローを効率化できる

業務を可視化すれば、ワークフローを効率化できる可能性が生まれます。そもそも業務が可視化されていない状態ではワークフローそのものが不透明になっている状態ですので、そのまま効率化をするのは大変難しいところです。

しかし、ワークフローに存在する各業務が可視化され、流れが明確になれば、より効率的なやり方を生み出せるかもしれません。また、それぞれの業務やタスクの効果を測定し数値化すれば、あまり重要度の高くない業務は省くという選択肢もあるでしょう。

いずれにせよ、効率化を行う第一歩は業務の可視化・数値化です。それぞれの業務が可視化されワークフローが明確にならなければ、どのような滞りが発生しているのかを見つけられないまま、目の前の業務をこなすことが全てになってしまいます。

公平かつ納得のいく評価ができる

業務を可視化・数値化すれば、誰もが納得できる評価軸を構築できます。もし業務の成果が数値化されていない場合、評価は経営者や管理者の主観によってなされることになり、それでは不公平感を感じてしまう社員も多くなるでしょう。

しかし、誰が見ても同じ意味を持つ数字をベースにすれば、その心配はありません。公平かつ納得のいく評価ができれば「何をすれば評価されるか」が明確になり、組織のモチベーションアップに繋がることが期待できます。

業務の可視化・数値化に成功した事例

では、最後に業務の可視化・数値化に成功した事例をいくつかご紹介します。

前代未聞の「コミュニケーション定量化」に着手:日立製作所

日立製作所は、国内の大手エレクトロニクスメーカーです。同社では、「プロジェクトの失敗はコミュニケーションの不備にある」と定義し、コミュニケーションを定量化する手法に取り組みました。

参加者はそれぞれICカードを身につけ、どの程度他者とコミュニケーションを行っているかの測定を行った結果、多くの問題点を発見しました。一例としては、「誰ともコミュニケーションを取らなかったメンバーの存在」や「逆にコミュニケーションを取りすぎて本来の作業ができないリーダー」などが挙げられます。

測定が難しいコミュニケーションを定量化したことで、プロジェクトの問題が浮き彫りになり、解決に向かうことができます。

「情報共有した奴が偉い」という社内文化を形成:エム・ティ・バーン株式会社

エム・ティ・バーン株式会社は、デジタル広告配信事業を手掛けている会社です。同社では情報共有に重きを置いており、「Qiita:Team」というツールを導入してメンバー間の情報共有を活発化しようと取り組みました。

結果、「情報共有のためのドキュメンテーションを書くことが偉い」という社内文化を形成することができ、多量の情報共有に成功しました。

まとめ

業務の可視化・数値化を行うことで、効率化などのさまざまな恩恵に繋がります。情報共有の必要性やメリットをしっかりと理解し、可視化・数値化に取り組みましょう。