IT化によってコスト削減は可能?両者の関係を事例を交えて解説

システム開発

業務をIT化することによるメリットはいくつかありますが、その中に「コスト削減」も含まれます。しかし、「どのようにIT化を行えばコスト減に繋がるか」「そもそも本当にIT化とコスト減は関係があるのか」という疑問を持っている人もいるかもしれません。

この記事では、IT化とコスト削減の関係性、そしてIT化によって削減できるコストの種類を事例を交えてご紹介します。IT化とコスト削減の関係についてしっかりと学び、自社の利益体質を向上させましょう。

IT化でコスト削減は可能か?

IT化を行うことでコストの削減は可能なのでしょうか?まずはIT化とコストの関係について解説します。

IT化を行うメリットの一つに「コスト削減」がある

業務のIT化を行うメリットの一つに、「コスト削減」があります。既存の業務をIT化することにより効率化され、結果的にコスト削減に繋がるという次第です。

基本的に、業務をIT化するのは「コスト削減のため」と言い換えても過言ではないでしょう。もちろん、コスト削減は数あるメリットの中の一つに過ぎませんが、かなり大きなウェイトを占めているのではないでしょうか。

必ずしもコスト削減でできるとは限らない

しかし、必ずしもコスト削減できるとは限りません。どの業務をどのようにIT化するかは各企業によって大きく異なるため、場合によってはコスト削減効果が薄い、もしくは皆無というケースもあるでしょう。

もちろん、IT化を行うメリットはコストの削減だけではありません。ですが、IT化には多額の費用がかかる場合も多いため、「コスト削減効果が見込めないのであればIT化は不要」という考え方もあるかもしれません。

コスト削減のためのIT化には計画性が必要

IT化によるコスト削減効果を見込みたい場合、何より重要なのは「計画性」です。前述の通り、どのような業務をどのようなシステムでIT化するかは企業によって異なるため、ある会社には効果のあった手法が別の会社には無効という例もあるでしょう。

それだけに、IT化を行う際は手法を自社用にカスタマイズする必要があります。「どのような業務をどのような形でIT化するか」が明確になっていれば、自ずと方法論も見え、成功に繋がりやすくなるのではないでしょうか。

IT化によって削減できるコスト

続いて、IT化を行うことによって削減できるコストを解説します。適切なIT化を行えば、下記のようなコストの削減に繋がるでしょう。

人件費

IT化によって削減できる最も大きなコストは「人件費」です。IT化は多くの場合業務を効率化および自動化することができるため、そこに割いていた人的リソースを軽減できるようになります。

たとえば、自動応答システムを使えばコールセンターの人員をある程度削減できるでしょう。節約した人的リソースは、より重要な別の業務に充てることも可能です。

保管費

IT化を行えば、従来は紙で保管していたような書類を全てデジタルで管理することができます。それにより、書類保管庫のような場所を設ける必要がなくなり、スペースの節約に繋がります。

スペースの確保はコストになるため、より少ないスペースで仕事が回ればコストの削減が可能です。加えて、書類をデジタル化すれば検索の手間が省けるなど、他の効用も見込めるでしょう。

消耗品費

最後は「消耗品費」です。これは上記のコストと比べると節約効果は薄いかもしれませんが、頻繁に書類を印刷するような企業の場合は無視できない効果が見込めます。

IT化により書類や資料をデジタル化できれば、印刷が不要になります。印刷コストとしては紙代やインク代が挙げられますが、そういった消耗品の節約に繋がるでしょう。

IT化が売上や利益増に繋がる理由

それでは、次にIT化が売上や利益増に繋がる理由について解説します。適切なITを行えば下記のような効果が見込め、売上や利益の向上が期待できます。

綿密な生産管理を行える

生産管理業務をIT化すれば綿密な生産管理が行なえ、より少ないコストで大きな利益を狙えるでしょう。生産管理とは、「材料の調達から生産〜販売までを管理すること」になるため、IT化によって大きな効率化が見込める分野です。

同じ原料を調達する場合でも、調達方法によって値段が変わります。また、生産プロセスをマニュアル化して共有することにより、一人あたりの生産量の向上が見込めるかもしれません。

生産管理システムを導入すれば、それ以外にも非常に幅広い活用が可能です。

顧客対応の品質が向上する

顧客の対応に関する業務をIT化すれば、顧客対応品質の向上が見込めます。顧客管理のシステムといえば、まずCRMが挙げられるでしょう。

CRMとは、Customer Relationship Managementの略であり、顧客関係管理システムという意味になります。CRMを使えば顧客との関係を適切に保ち、長期的な関係を築けるでしょう。

また、FAQシステムのようなものを導入すれば、顧客の質問に瞬時に回答することができます。対応品質の向上は、すなわち顧客満足度の向上に繋がります。

データを分析し、効果的な販促計画を立てられる

業務のIT化を行えば、非常に多くのデータを取得できるようになります。それらを分析ツールにかけることで、勘や経験によらない客観的かつ効率的なプランを立てられるようになるでしょう。

データ自体は数字や文字の羅列ですが、ツールを使えばそれらを見やすいグラフにして出力することも可能です。データをビジュアライズすることで、素早い経営判断にも役立てられます。

IT化によるコスト削減事例

最後に、IT化によってコストが削減できた事例をご紹介します。自社がIT化を行う際の参考にしましょう。

クラウドストレージを使って管理コストを削減:グリー株式会社

グリー株式会社は、オンラインゲームやソーシャルゲームを手がける会社です。従来は社内のファイルサーバーにて各種データの管理を行っていましたが、容量が枯渇したためBoxというクラウドストレージサービスを導入しました。それにより、運用コストの削減と利便性の向上を同時に達成しています。

経費の生産をペーパーレス化:NKアグリ株式会社

NKアグリ株式会社は、先進的な生産・流通・販売システムを図る農業ベンチャーです。従来は経費の生産を紙で行っていたため、責任者の元に書類が郵送されることも珍しくありませんでした。そこで、kintoneというビジネスアプリ作成プラットフォームを導入し経費精算アプリを作ったところ、精算〜承認プロセスの電子化に成功し、コストの削減に繋がりました。

まとめ

IT化を行うメリットの一つに「コスト削減」があります。適切なIT化を行えば業務の効率化や生産性の向上に繋がり、結果コストの削減を達成できるでしょう。

IT化によって削減できるコストには、「人件費」「保管費」「消耗品費」などが挙げられます。この中でも大きいのは人件費です。業務をITに置き換えることで必要となる人的リソースを減らせるため、結果コスト減になるというわけです。

IT化に対する理解を深め、適切なコスト削減に努めましょう。